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テールゲートリフター特別教育を社内で行うには|講師・資料・記録【2026年版】

テールゲートリフター特別教育を社内で行うには|講師・資料・記録

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テールゲートリフター特別教育は、事業者が自社で行うことができます。講師に法令上の資格要件はなく、告示で決められた学科4時間・実技2時間以上の内容を実施し、受講者・科目などの記録を3年間保存すれば、社内実施として成り立ちます。ただし「講師が教える内容を十分に理解していること」「実技を実際の車両で安全に行えること」「記録を残すこと」の3つは外せません。

この記事では、物流・運送・小売・製造などでトラックの荷役を担う法人のご担当者に向けて、社内で特別教育を行うための準備を、根拠となる条文とあわせて順番に整理します。講師や時間がどうしても確保できないときの外部講習の選び方にも触れます。

■ テールゲートリフター特別教育は事業者の義務

まず前提として、テールゲートリフター特別教育は「受けたほうがよい教育」ではなく、事業者に実施が義務づけられた教育です。

▶ 根拠は安衛法第59条第3項と安衛則第36条第5号の4

労働安全衛生法第59条第3項は、危険または有害な業務で厚生労働省令で定めるものに労働者をつかせるときは、事業者が「特別の教育を行なわなければならない」と定めています。

その対象業務として、労働安全衛生規則第36条第5号の4に「テールゲートリフター……の操作の業務(当該貨物自動車に荷を積む作業又は当該貨物自動車から荷を卸す作業を伴うものに限る。)」が挙げられています。この規定は令和6年2月1日から適用されています。

▶ 対象になる操作・ならない操作

厚生労働省の問答(令和5年8月1日の事務連絡)や施行通達の説明では、次のように整理されています。

  • 稼働スイッチの操作のほか、キャスターストッパーなどリフターに備え付けられた装置の操作も「操作の業務」に含まれる
  • 荷の積み卸しを伴わない定期点検などは含まれない
  • 扉を開けるためだけの操作は対象外。ただし、その後にリフターで荷を積み卸すなら対象
  • 荷がなくても、その後の積み卸しのためにプラットフォームへ接続する操作は対象
  • リフターの上を通って荷を運ぶだけで、操作をしない人は対象外

「ドライバーだけ受ければよい」と考えがちですが、構内作業員や倉庫側の担当者がリフターを操作して荷を扱う場合も対象になります。誰が操作しているかを、先に洗い出しておくのが確実です。

▶ 未実施のときの罰則

特別教育を行わずに対象業務につかせた場合、安衛法第119条第1号により「6か月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金」の対象になります。罰則の詳しい考え方は特別教育の罰則の記事でまとめています。

■ 社内で行える?講師の資格は?

▶ 社内実施は可能。責任は事業者にある

厚生労働省「職場のあんぜんサイト」の解説では、特別教育は「企業内で行うほか、企業外で行う方法もあります」としたうえで、どちらの場合も「事業者の責任において、実施されなければなりません」とされています。

つまり、社内で行っても外部講習を利用しても、特別教育を行う義務が事業者にあることは変わりません。違うのは、教材・講師・実技の準備を誰が担うかや、記録をどうそろえるかといった実務面です。

▶ 講師に法定の資格要件はない

同じ解説では、「特別教育の講師については、資格要件は定められていませんが、教育科目について十分な知識と経験を有する人でなければなりません」と説明されています。安全衛生特別教育規程第7条の4にも講師の資格は書かれておらず、確認できた範囲の通達・問答にも、テールゲートリフター特別教育の講師に固有の要件は見当たりませんでした。

社内で講師を選ぶときは、たとえば次のような人が候補になります。

  • テールゲートリフターの操作経験が長く、日常点検の方法を説明できる人
  • 過去のヒヤリハットや社内の事故事例を具体的に話せる人
  • 安衛則の関係条文(昇降設備・保護帽など)を読み解いて説明できる人

1人ですべてを担う必要はありません。学科の法令部分は安全衛生担当者、実技は現場のベテランというように、科目ごとに分担する形も現実的です。

▶ 教育時間は労働時間

職場のあんぜんサイトでは、特別教育を受けている時間は労働時間であり、所定労働時間内に行うのが原則、法定労働時間外に行えば割増賃金が必要と説明されています。社内実施でも、勤務時間外の「自主勉強会」扱いにはできない点に注意してください。

■ カリキュラムの内容(学科4時間・実技2時間)

教育の中身は、安衛則第39条にもとづく告示「安全衛生特別教育規程」第7条の4で定められています。令和5年3月28日の厚生労働省告示第104号で新設されました。社内実施でも、この科目・範囲・時間を下回ることはできません。

区分 科目 主な範囲 時間
学科 リフターに関する知識 種類・構造・取扱い方法、点検・整備の方法 1.5時間以上
学科 作業に関する知識 荷の種類と取扱い、台車の種類・構造・取扱い、保護具の着用、災害防止 2時間以上
学科 関係法令 安衛法・施行令・安衛則の関係条項 0.5時間以上
実技 操作の方法 テールゲートリフターの操作 2時間以上

合計は6時間以上です。休憩や受付の時間はこれに含めず、教育そのものの時間で6時間を確保してください。

▶ 時間の短縮・科目の省略ができる場合

安衛則第37条は、科目について十分な知識・技能があると認められる労働者には、その科目を省略できると定めています。厚生労働省のリーフレットでは、テールゲートリフター特別教育について、たとえば次の扱いが示されています。

  • 施行日(令和6年2月1日)時点で6か月以上の業務従事歴がある人は、「リフターに関する知識」を45分以上、「操作の方法」を1時間以上に短縮できる
  • 「陸上貨物運送事業における荷役作業の安全対策ガイドライン」にもとづく教育を受けた人などは、一部の学科科目を省略できる
  • 上の特例では、いずれも「関係法令」は省略の対象になっていない

省略・短縮を使う場合は、その根拠(従事歴や受講歴)を記録に残すことが前提です。適用できるかの判断に迷うときは、所轄の労働基準監督署にご確認ください。

▶ 学科のオンライン実施と実技

学科部分は、厚生労働省の通達の条件を満たせばオンラインで行うこともできます。一方、実技は講師と受講者が同じ場所で対面で行う必要があります。条件の考え方は特別教育はオンラインで受けられる?で詳しく解説しています。

■ 資料・テキストの準備(PDF・無料で手に入るもの)

「テキスト PDF」「テキスト 無料」で探す方が多いのですが、まず押さえたいのは、法令上「この教材を使わなければならない」という指定はないことです。告示の科目・範囲を満たす内容であれば、社内で作った資料でも構いません。

▶ 無料で読める公的資料

社内資料をつくる土台として、次の公的資料は無料で確認できます。

  • 安全衛生特別教育規程 第7条の4(科目・範囲・時間の原文)
  • 労働安全衛生規則の関係条文(第36条第5号の4、第151条の67、第151条の74など)
  • 厚生労働省リーフレット「トラックでの荷役作業時における安全対策が強化されます。」
  • 「陸上貨物運送事業における荷役作業の安全対策ガイドライン」
  • 厚生労働省の問答「貨物自動車の昇降設備の設置、保護帽の着用等について」

なお、厚生労働省がテールゲートリフター特別教育の「専用テキスト」を公開していることは、今回の調査では確認できませんでした。上の資料はいずれも制度の説明資料で、6時間の講義をそのまま進められる教本ではありません。市販のテキストを使うか、上の資料をもとに自社の車両に合わせた資料を作る方法があります。

▶ 社内資料に入れておきたい内容

  • 自社で使っているリフターの型式・方式(垂直式・格納式など)と取扱説明書の要点
  • 作業前点検の項目と、異常があったときの連絡先
  • ロールボックスパレットや台車の扱い方、キャスターストッパーの使い方
  • 荷台やプラットフォームからの墜落・転落、荷の逸走などの災害事例(社内事例があれば最優先)
  • 関係法令の条文と、自社のルール(立ち位置・合図・保護帽など)

▶ 昇降設備と保護帽は関係法令の科目で必ず触れる

関係法令の科目では、テールゲートリフターと関係の深い次の2つの条文を重点的に扱いたいところです(規程が個別の条文の講義まで定めているわけではありません)。

  • 安衛則第151条の67(昇降設備):最大積載量2トン以上の貨物自動車で荷の積み卸しを行うときは、床面と荷台との間などを安全に昇降するための設備を設けなければならない
  • 安衛則第151条の74(保護帽の着用):最大積載量5トン以上の車、2トン以上5トン未満で荷台の側面が開放・開閉できる車、2トン以上5トン未満でテールゲートリフターが設置された車(リフターを使用するときに限る)での積み卸しでは、保護帽を着用させなければならない

「講師役はいるけれど、資料づくりや6時間の段取りまで手が回らない」というご担当者は少なくありません。
📞 042-497-8840 に電話して相談する(相談無料・年中無休・7:00〜21:00)
人数・拠点・日程をうかがい、社内実施と外部講習のどちらが合うかを一緒に整理します。

■ 実技2時間の進め方

実技は「テールゲートリフターの操作の方法」を2時間以上です。社内実施で最も差が出やすいのがこの部分です。

▶ 準備するもの

  • 実際に業務で使うテールゲートリフター付きの貨物自動車(停車場所は平坦で、周囲に通行がない場所)
  • 業務で扱う台車・ロールボックスパレットと、重さのわかる練習用の荷
  • 受講者全員分の保護帽、安全靴などの保護具
  • リフターの取扱説明書と点検表

▶ 実技で確認したいポイント

  • 作業前点検(操作スイッチ、昇降板、ストッパー、油漏れなど)
  • 昇降板の展開・格納の手順
  • 台車を載せたときのストッパーのかけ方と、立ち位置
  • 昇降中に昇降板の上や下に人がいないことの確認
  • 異常時の停止操作

受講者が多い場合、1台の車両を全員で順番に使うと、1人あたりの操作時間が短くなりがちです。受講者全員が実際に操作できる人数で班を分けるか、車両を増やすと、内容の濃い実技になります。

■ 修了証と記録の残し方(3年保存)

▶ 法律上の義務は「記録の作成と3年保存」

安衛則第38条は、事業者は特別教育を行ったときは「受講者、科目等の記録を作成して、これを三年間保存しておかなければならない」と定めています。義務とされているのはこの記録です。

一方、「修了証を発行しなければならない」という定めは、確認した条文の中にはありません。ただし、受講者が別の現場や取引先で受講を証明する場面は多いため、社内で実施した場合も修了証を発行しておくと実務上便利です。

▶ 記録に残しておきたい項目

  • 教育の名称(テールゲートリフターの操作の業務に係る特別教育)
  • 実施日・時間・場所
  • 受講者の氏名(所属)
  • 科目ごとの実施時間(学科3科目・実技)
  • 講師の氏名と、講師に選んだ理由(経験年数など)
  • 科目を省略・短縮した場合はその根拠
  • 使用した資料・車両

保存の方法や電子保存の考え方は安全衛生教育の記録の保存でまとめています。

▶ 修了証に入れる項目の例

修了証に決まった様式はありません。受講者氏名、教育の名称、科目と時間、修了日、事業者名、講師名を入れておくと、第三者が見ても内容がわかります。

■ 社内実施のチェックリスト

準備から記録まで、次の順で確認すると漏れが出にくくなります。

  • □ リフターを操作して荷を積み卸す人(対象者)を洗い出した
  • □ 省略・短縮の対象者がいるか、従事歴・受講歴を確認した
  • □ 科目ごとの講師を決め、講師が内容を説明できることを確認した
  • □ 告示の科目・範囲を満たす資料を用意した
  • □ 学科4時間・実技2時間(教育そのものの時間)を所定労働時間内に確保した
  • □ 実技用の車両・台車・荷・保護具と、安全な実施場所を確保した
  • □ 出席と各科目の実施時間を記録する様式を用意した
  • □ 修了証を発行するか決め、様式を用意した
  • □ 記録を3年間保存する場所と担当者を決めた

■ 講師や時間が確保できないときの外部講習

次のような場合は、外部講習を利用したほうが確実なことがあります。

  • 告示の範囲を説明できる講師が社内にいない
  • 資料づくりや記録様式の整備に時間を割けない
  • 拠点が分散していて、日程をそろえるのが難しい
  • 新しく入る人が少しずつ出て、そのたびに6時間を組めない

外部講習を選ぶときは、告示の科目・時間を満たしているか、修了証が発行されるか、実技をどこでどのように行うか、受講後に会社として残す記録(修了証の写しなど)を確認しておくと安心です。

たとえば、学科は外部の講習を利用し、実技は自社で行う、あるいは講師を自社に呼ぶ出張講習を利用する、といった組み合わせが考えられます。どの形が合うかは人数と拠点の場所で変わります。当センターをご利用の場合、実技の進め方はご相談ください。

■ 産業技能センターのテールゲートリフター特別教育講習

産業技能センターでは、法人のお客様向けにテールゲートリフター特別教育の講習を行っています。

  • 料金:1名8,000円〜(税込・教材費・修了証発行費込み。人数・地域・実技の準備などにより変わる場合があり、正確な金額はお見積もりでご案内します)
  • オンライン講習:学科はGoogle Meetで1名から受講できます
  • 出張講習:関東1都6県は5名様から。交通費・宿泊費・出張基本費はかかりません。遠方は20名様以上が目安です
  • 実技の進め方を含め、受講方法はお問い合わせの際にご案内します

お申込みの流れは、お問い合わせ、お見積もり、お見積もりのご確認後のお振込みをもって講習日の確定となります。人数の変更は講習日の3日前まで承ります。

「社内でやるか外部に頼むか決めかねている」という段階でのご相談も歓迎です。お問い合わせフォームからもお気軽にどうぞ。

■ よくある質問

▶ Q. テールゲートリフター特別教育は社内で行っても有効ですか?

A. 有効です。特別教育は事業者が行う教育で、企業内・企業外どちらで行っても事業者の責任で実施するものとされています。告示の科目・時間を満たし、安衛則第38条の記録を3年間保存してください。

▶ Q. 講師に資格は必要ですか?

A. 法令上の資格要件は定められていません。ただし、教育科目について十分な知識と経験を持つ人である必要があります。科目ごとに講師を分担する方法もあります。

▶ Q. 厚生労働省のテキストPDFは無料でありますか?

A. 告示の原文、厚生労働省のリーフレット、荷役作業の安全対策ガイドラインなどは無料で読めますが、テールゲートリフター特別教育専用のテキストとして厚生労働省が公開しているものは確認できませんでした。告示の範囲を満たせば、自社で作った資料でも構いません。

▶ Q. 社内で実施した場合、修了証は必要ですか?

A. 法令上の義務は修了証の発行ではなく、受講者・科目等の記録の作成と3年間の保存です。ただし受講を証明する場面が多いため、修了証も発行しておくと実務上便利です。

▶ Q. 教育の内容と時間はどう決まっていますか?

A. 安全衛生特別教育規程第7条の4で、学科(リフターに関する知識1.5時間、作業に関する知識2時間、関係法令0.5時間)と実技(操作の方法2時間)の計6時間以上と決まっています。一定の経験者などには短縮・省略の特例があります(示されている特例では関係法令は省略の対象外です)。

■ まとめ

  • テールゲートリフター特別教育は安衛法第59条第3項・安衛則第36条第5号の4にもとづく事業者の義務で、社内で実施できる
  • 講師に法定の資格要件はないが、科目について十分な知識と経験を持つ人が担当する
  • 内容は告示第7条の4のとおり、学科4時間・実技2時間以上。示されている特例では関係法令は省略の対象外
  • 修了証の発行よりも、受講者・科目等の記録を作成し3年間保存することが法令上の義務
  • 講師・資料・時間の確保が難しいときは、外部講習や出張講習との組み合わせも検討する

■ 講習のお申込み・ご相談

社内実施の準備に不安がある、人数や拠点の都合で日程が組めない、そんなときはご相談ください。
📞 042-497-8840 に電話して相談する(相談無料・年中無休・7:00〜21:00)
ご状況に合わせて、受講方法とお見積もりをご案内します。

■ 参考情報・公式リソース

  • 労働安全衛生法 第59条第3項、第119条第1号(e-Gov法令検索)
  • 労働安全衛生規則 第36条第5号の4、第37条、第38条、第39条、第151条の67、第151条の74(e-Gov法令検索)
  • 安全衛生特別教育規程 第7条の4(令和5年3月28日 厚生労働省告示第104号、令和6年2月1日適用)(労働政策研究・研修機構 告示掲載ページ)
  • 施行通達「貨物自動車における荷役作業時の墜落・転落防止対策の充実に係る労働安全衛生規則の一部を改正する省令及び安全衛生特別教育規程の一部を改正する件の施行について」(令和5年3月28日 基発0328第5号)
  • 厚生労働省 事務連絡「貨物自動車の昇降設備の設置、保護帽の着用等について(問答)」(令和5年8月1日)(京都労働局掲載PDF)
  • 厚生労働省リーフレット「トラックでの荷役作業時における安全対策が強化されます。」(厚生労働省PDF)
  • 職場のあんぜんサイト 安全衛生キーワード「特別教育」(職場のあんぜんサイト)
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