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労働者死傷病報告の書き方|記入例・休業4日以上と4日未満の違い・電子申請と略図

労働者死傷病報告の書き方(記入例・休業4日以上と4日未満・電子申請・略図)

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労働者死傷病報告は、労働者が労働災害などで死亡したり休業したりしたときに、会社(事業者)が労働基準監督署長に出す報告です(労働安全衛生規則 第97条)。休業4日以上(または死亡)は「遅滞なく」1件ごとに、休業1〜3日は3か月(四半期)ごとの期限までに報告します。2025年(令和7年)1月1日から、報告は原則として電子申請になりました(電子申請が難しい場合は、当分の間、書面でも可)。

「現場でけが人が出て、初めて死傷病報告を書くことになった」という総務・安全担当の方に向けて、安衛則の条文(e-Gov法令検索で2026年11月に確認)と厚生労働省の案内をもとに、記入例、4日以上と4日未満の違い、電子申請の流れ、略図の書き方を整理しました。

■ この記事でわかること

  • 休業4日以上と4日未満の違い(提出のタイミング・様式・期限)
  • 2025年1月からの電子申請と、書面で出す場合の注意(旧様式第23号・第24号は使えない)
  • 項目ごとの書き方と記入例(災害発生状況の5つの欄の埋め方)
  • 略図(現場の見取り図)の書き方
  • 派遣労働者・建設現場・外国人労働者の場合の注意と、報告しない場合の罰則

■ 労働者死傷病報告とは

労働安全衛生規則 第97条は、労働者が労働災害その他就業中または事業場内(附属建設物内を含む)における負傷、窒息または急性中毒によって死亡または休業したとき、事業者が所轄の労働基準監督署長に報告するよう定めています。この規定は、行政が事業者に報告をさせることができるとする労働安全衛生法 第100条第1項を受けたものです。

確認すること内容
だれが出す原則として被災した労働者を雇っている事業者。派遣労働者の場合は派遣先と派遣元の両方(下で説明)
どこへ出す所轄の労働基準監督署長。建設現場などで、会社の事務所と現場の地域が違うときは、現場を管轄する労働基準監督署に提出します(厚生労働省「よくある質問」)。ふつうの出張先での災害などは扱いが違うことがあるので、迷ったら監督署に確認しましょう
対象労働災害、または就業中・事業場内での負傷・窒息・急性中毒で、死亡または休業したとき
出し方原則として電子申請(安衛則 第97条)。電子申請が難しい場合は、当分の間、書面でも可(じん肺法施行規則等の一部を改正する省令〔令和6年厚生労働省令第45号〕附則 第3条・第4条)

労災保険の給付の請求(療養補償給付・休業補償給付など)とは別の手続きです。労災保険の請求をしても、死傷病報告を出したことにはなりません。

■ 休業4日以上と4日未満の違い

いちばん大きな違いは、出すタイミングです。休業が4日以上なら災害ごとにすぐ、4日未満なら四半期ごとの期限までに、その期間の災害を報告します。

死亡・休業4日以上休業4日未満(1〜3日)
根拠安衛則 第97条第1項安衛則 第97条第2項
期限遅滞なく(災害ごとに)1〜3月分→4月末日/4〜6月分→7月末日/7〜9月分→10月末日/10〜12月分→翌年1月末日
書面の様式名労働者死傷病報告(死亡及び休業4日以上)労働者死傷病報告(休業4日未満)
主な違い休業見込期間または死亡日時を書く休業見込期間の代わりに休業日数を書く。そのほかの項目(略図を含む)は4日以上と同じ

▶ 休業しなかった場合は?

安衛則 第97条の対象は「死亡し、又は休業したとき」です。けがをしても休業がなかった(通院しながら働いた)場合は、同条の報告の対象になりません。ただし、火災・爆発やクレーンの倒壊など一定の事故は、けが人や休業の有無にかかわらず事故報告(安衛則 第96条)が必要です。また、休業日数が後から増えることもあるので、災害の記録(発生日時・状況・休業の有無)は社内に残しておきましょう。

▶ 「4日」の数え方は?

休業日数の数え方(災害の当日を含めるかなど)で迷うときは、提出先の労働基準監督署に確認するのが確実です。なお、労災保険の休業補償給付の「待期期間(3日)」とは別の話なので、混同しないようにしましょう。

■ 2025年1月から電子申請が原則に

令和7年(2025年)1月1日から、労働者死傷病報告は電子情報処理組織(電子申請)で報告することが原則になりました(安衛則 第97条)。あわせて報告の項目も見直され、選択式の項目が増えています。厚生労働省は、報告書を作成・提出するための労働安全衛生法関係の届出・申請等帳票印刷に係る入力支援サービスを用意しており、ここで入力した内容をe-Govから電子申請できます。

▶ 主な変更点

  • 事業の種類:日本標準産業分類(細分類)から選ぶ
  • 職種:日本標準職業分類(小分類)から選ぶ
  • 傷病名・傷病部位:選択式
  • 災害発生状況及び原因:5つの欄に分けて書く(下の記入例を参照)
  • 外国人労働者の国籍・地域と在留資格:選択式
  • 略図:画像データとして添付する(手書きの図を撮影したものでも可)

▶ 書面(紙)で出す場合の注意

電子申請が難しい場合(パソコンがないなど)は、当分の間、書面での報告もできます(前出の改正省令附則 第3条・第4条、厚生労働省の案内)。ただし、使えるのは2025年1月からの新しい様式だけです。以前の様式第23号(休業4日以上)・様式第24号(休業4日未満)は、2025年1月1日からは使えません。様式は厚生労働省の労働者死傷病報告の電子申請のページから確認できます。

■ 記入例(項目ごとの書き方)

安衛則 第97条第1項で報告する項目と、書き方のポイントです。記入例は、倉庫で脚立から転落した架空の事例です(会社名・人物は実在しません)。

項目書き方のポイント記入例(架空)
労働保険番号労災保険の番号。建設業の下請の労働者は、元方事業者の番号を書く(自社の番号)
事業の種類日本標準産業分類の細分類(4桁)から、事業の実態に合うものを選ぶ倉庫業のうち該当する細分類
事業場の名称・所在地・電話番号被災者が所属する事業場○○物流株式会社 △△センター
常時使用する労働者の数事業場の人数45人
建設工事の名称建設工事の作業で被災した場合該当なし
構内下請・建設の請負の場合構内の請負人の労働者なら、その事業場(構内)の名称。建設の請負人の労働者なら、元方事業者の事業場の名称該当なし
派遣労働者の場合派遣先・派遣元のどちらかの別と、派遣先の事業場の名称・郵便番号該当なし
被災者の氏名・生年月日・年齢・性別本人確認書類どおりに(本人の情報)
職種・経験期間職種は日本標準職業分類の小分類(3桁)から選ぶ。経験期間はその職種での経験(書面は様式の備考に従って書く)倉庫作業に当たる小分類/2年
傷病名・傷病部位診断書などで確認して、選択肢から選ぶ骨折/手首にあたる部位
休業見込期間(または死亡日時)医師の見立てなどをもとに30日
国籍・地域、在留資格外国人労働者の場合のみ(特別永住者などを除く)該当なし
発生日時・発生場所の所在地日時は時刻まで令和8年10月15日 14時20分頃
災害発生状況及び原因5つの欄に分けて、事実を短く書く(次の表)—
報告年月日・事業者と報告者の職氏名報告する日と、代表者・担当者(提出日・職氏名)

▶ 災害発生状況及び原因の5つの欄

新しい様式では、発生状況を次の5つに分けて書きます。「どこで・何をしていて・何に・どんな危ない状態があって・どうなったか」の順に、推測や言い訳を入れずに事実だけを書くのがコツです。

欄記入例(架空)
どのような場所で倉庫1階の資材置き場で
どのような作業をしているときに棚の上段(高さ約2m)から段ボール箱を下ろす作業中に
どのような物又は環境によって高さ約1.2mの脚立によって
どのような不安全な又は有害な状態があって脚立の開き止めが掛けられておらず、天板に乗って作業していたため、脚立が傾き
どのような災害が発生したか床に転落し、右手をついて右手首を骨折した

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■ 略図の書き方

略図は、災害が起きた場所の様子がひと目でわかる見取り図です。電子申請では画像データとして添付します。手書きで描いてスマートフォンで撮影したものでもかまいません(厚生労働省のリーフレット)。上手な絵である必要はなく、次の点が読み取れることを目安にしましょう。

  • 上から見た配置:通路・棚・機械・出入口の位置
  • 被災者の位置と動き:立っていた場所、倒れた・落ちた方向を矢印で
  • 原因になった物:脚立・フォークリフト・開口部など。名前を書き添える
  • 寸法:高さ・距離などの大まかな数字(例:棚の高さ約2m、脚立1.2m)
  • 方位や目印:現場を知らない人が読んでも場所がわかるように

写真を撮れる場合は、災害の直後に現場の写真を残しておくと、略図づくりと再発防止の両方に役立ちます。

■ 派遣・建設現場・外国人労働者の場合

  • 派遣労働者:派遣先と派遣元の両方が、それぞれ労働基準監督署に提出します。派遣先は、報告したあと遅滞なく、その内容を派遣元に報告しなければなりません(労働者派遣法施行規則 第42条)。報告には派遣先・派遣元の別と、派遣先の事業場の名称・郵便番号を書きます(安衛則 第97条第1項第7号)。
  • 建設業の下請の労働者:報告するのは被災者を雇っている事業者です。労働保険番号は元方事業者の番号を書き、元方事業者の事業場名も書きます(同項第1号・第6号)。
  • 外国人労働者:国籍・地域と在留資格の区分を選んで報告します(同項第10号)。

■ 報告しない・うその報告をした場合の罰則

労働災害の発生を隠すために、故意に死傷病報告を出さなかったり、うその内容で出したりすることは、いわゆる「労災かくし」と呼ばれます。労働安全衛生法 第100条第1項の報告をしなかったり、虚偽の報告をしたりした者は、50万円以下の罰金の対象です(同法 第120条第5号)。両罰規定により、行為者だけでなく会社(法人)も罰金の対象になります(同法 第122条)。

■ 再発防止は教育から

死傷病報告を出して終わりにせず、同じ災害を繰り返さない手を打つことが大切です。安全委員会・衛生委員会がある事業場では、労働災害の原因と再発防止対策は委員会で調査審議する事項です(労働安全衛生法 第17条第1項第2号・第18条第1項第3号)。

■ よくある質問

▶ Q. 休業しなかった場合も労働者死傷病報告は必要ですか?

労働安全衛生規則 第97条の対象は、労働者が死亡または休業したときです。休業がなかった場合は、同条による報告の対象になりません。ただし、火災・爆発など一定の事故は、休業の有無にかかわらず事故報告(安衛則 第96条)が必要です。

▶ Q. 休業4日未満の報告の期限はいつですか?

1〜3月分は4月末日、4〜6月分は7月末日、7〜9月分は10月末日、10〜12月分は翌年1月末日までです(労働安全衛生規則 第97条第2項)。

▶ Q. 紙の様式第23号はまだ使えますか?

使えません。旧様式(様式第23号・第24号)は2025年1月1日からは使えません。電子申請が難しい場合は当分の間書面でも報告できますが、2025年1月からの新しい様式を使います。

▶ Q. 略図は手書きでもいいですか?

はい。電子申請では略図を画像データとして添付し、手書きの図を撮影したものでもかまいません(厚生労働省のリーフレット)。

▶ Q. 派遣労働者がけがをしたら、どちらが報告しますか?

派遣先と派遣元の両方が、それぞれ労働基準監督署に提出します。派遣先は、報告したあと遅滞なく、その内容を派遣元に報告します(労働者派遣法施行規則 第42条)。

▶ Q. 報告しないとどうなりますか?

報告をしない、または虚偽の報告をした場合は、50万円以下の罰金の対象です(労働安全衛生法 第120条第5号)。両罰規定により会社も罰金の対象になります(同法 第122条)。

■ まとめ

  • 労働者死傷病報告は、労働災害などで労働者が死亡・休業したときに事業者が出す報告(安衛則 第97条)。
  • 死亡・休業4日以上は遅滞なく1件ごと、休業1〜3日は四半期ごとに、その翌月末までに報告する。
  • 2025年1月から電子申請が原則。電子申請が難しい場合は当分の間書面も可能だが、旧様式第23号・第24号は使えない。
  • 災害発生状況は5つの欄に分けて事実を書く。略図は手書きを撮影した画像でもよい。
  • 報告しない・虚偽の報告は50万円以下の罰金(法 第120条第5号)。会社も対象(法 第122条)。

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■ 参考(一次情報・2026年11月3日確認)

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