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玉掛け特別教育はオンラインで受けられる?学科と実技の受け方【2026年版】

玉掛け特別教育はオンラインで受けられる?学科と実技の受け方

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玉掛け特別教育(つり上げ荷重1t未満のクレーン等の玉掛け業務)は、学科5時間については条件を満たせばオンラインで受講できます。ただし実技4時間は、講師と同じ場所で対面により行う必要があるため、オンラインだけでは修了できません。また、1t以上の玉掛けに必要な「玉掛け技能講習」は特別教育とは別の制度で、オンラインでは完結しません。

「社員に玉掛けの教育を受けさせたいが、会場まで行かせる時間がない」「Web講習で済ませられないか」というご相談は少なくありません。この記事では、玉掛け特別教育をオンラインで受ける場合に、どこまでがオンラインでよく、どこからが対面なのかを、法令と厚生労働省の通達をもとに整理します。玉掛け特別教育と技能講習の制度全体については、玉掛け特別教育と技能講習の違いで詳しく解説しています。

■ 結論:オンラインで受けられるのは学科だけ

玉掛け特別教育は、学科教育と実技教育の2つで構成されています。このうちオンラインで受けられるのは学科教育です。

根拠は、厚生労働省の通達「インターネット等を介したeラーニング等により行われる労働安全衛生法に基づく安全衛生教育等の実施について」です。令和8年9月2日付けで一部改正され、特別教育をeラーニング等で行う場合の条件が示されています。

この通達の別表では、特別教育の実技について「講師と同一場所で対面により実施していること」とされています。つまり、玉掛けの実技をビデオ会議越しに見せたり、動画を視聴させたりするだけでは、実技教育を行ったことにはなりません。

▶ 玉掛け特別教育・オンライン受講の早見表

区分 時間 オンライン
学科教育 5時間以上 条件を満たせば可
実技教育 4時間以上 不可(講師と同じ場所で対面)
玉掛け技能講習(1t以上) 規程の時間 実技・修了試験は対面

特別教育の時間はクレーン取扱い業務等特別教育規程(昭和47年労働省告示第118号)第5条に定められています。次の章で、科目ごとに見ていきます。

■ 玉掛け特別教育が必要になる業務

玉掛け特別教育は、労働安全衛生法第59条第3項にもとづく「特別の教育」の一つです。同項は、危険または有害な業務に労働者をつかせるときは、事業者が特別の教育を行わなければならないと定めています。

対象業務は、労働安全衛生規則第36条第19号で「つり上げ荷重が一トン未満のクレーン、移動式クレーン又はデリツクの玉掛けの業務」と定められています。あわせて、クレーン等安全規則第222条第1項でも、この玉掛けの業務に労働者をつかせるときは特別の教育を行うよう定めています。

ここでいう「1t未満」は、つり上げる荷物の重さではなく、使うクレーン等の「つり上げ荷重」で判断します。軽い荷物でも、つり上げ荷重1t以上のクレーンで玉掛けをするなら、特別教育ではなく玉掛け技能講習の修了が必要です。

▶ 実施は事業者の義務

特別教育は「望ましい」ではなく、事業者の義務です。教育を行わずに対象業務につかせた場合、労働安全衛生法第119条第1号により、6か月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金の対象となります。

また、特別教育を行ったときは、受講者・科目等の記録を作成して3年間保存しなければなりません(労働安全衛生規則第38条)。外部の講習を利用した場合も、修了証の写しなどを社内で保管しておくと、記録の確認がしやすくなります。罰則の考え方は特別教育の罰則、記録の残し方は安全衛生教育の記録の保存で解説しています。

■ 学科5時間・実技4時間の中身とオンラインの可否

クレーン等安全規則第222条第2項は、玉掛け特別教育の科目を定めています。時間と範囲は、クレーン取扱い業務等特別教育規程第5条で次のとおり定められています。

▶ 学科教育(合計5時間以上)

  • クレーン等に関する知識:1時間(種類・型式、構造・機能、安全装置・ブレーキ)
  • クレーン等の玉掛けに必要な力学に関する知識:1時間(力の合成・分解、重心と物の安定、摩擦、重量と荷重など)
  • クレーン等の玉掛けの方法:2時間(玉掛用具の選定と使用、基本動作、合図)
  • 関係法令:1時間(安衛法・施行令・安衛則・クレーン則の関係条項)

学科はテキストを使った座学なので、通達の条件を満たせばオンラインで行えます。力学や玉掛用具の選び方は、図や写真を画面で共有しながら説明できるため、オンラインでも理解しやすい分野です。

▶ 実技教育(合計4時間以上)

  • クレーン等の玉掛け:3時間(形状や材質の異なる物の重量の目測、玉掛用具の選定、玉掛けの方法)
  • クレーン等の運転のための合図:1時間(手や小旗などを使った合図の方法)

実技では、実際に荷の重さを目測し、ワイヤロープやスリングなどの玉掛用具を選んで掛ける作業を行います。合図も、クレーンの運転者に正しく伝わるかを確かめながら身につける内容です。こうした内容は、講師がその場で手元を見て指導する必要があるため、通達でも対面が求められています。

実技を行うには、クレーン等と玉掛用具、作業できる場所を用意する必要があります。自社の設備を使えるかどうかも含めて、事前に確認しておくと日程を組みやすくなります。

▶ 教育の一部を省略できる場合

労働安全衛生規則第37条により、科目の全部または一部について十分な知識・技能があると認められる労働者は、その科目を省略できます。ただし、「オンラインで学科を受けたから実技は省略できる」という意味ではありません。省略できるかどうかは個別の判断になるため、迷う場合は所轄の労働基準監督署にご確認ください。

■ 学科をオンラインで受けるときの条件

通達では、特別教育をeラーニング等で行う場合、法定の科目の範囲・教育時間・講師の要件を満たし、教本等の教材を使うことが求められています。そのうえで、受講者が受講した事実を適切に確認する必要があるとされています。

▶ 通達の別表で示されている主な条件

  • 特別教育規程の範囲と時間を満たし、時間が担保できること
  • 講師が十分な知識または経験を有することが確認できること
  • 受講者からの質問を受け付けて回答できる体制があること
  • 実技教育は講師と同一場所で対面により実施していること

▶ 受講時間の確認方法

通達では、受講の事実と教育時間を実施者が担保する方法の例として、ビデオ会議ツール等でリアルタイムに受講状況を確認する方法、動画の再生記録やパソコンの操作記録で確認する方法などが挙げられています。

リアルタイムのビデオ会議で行う講習は、講師が受講者の様子を見ながら進められ、その場で質問もできます。「動画を流しっぱなしにして終わり」にならないよう、受講時間をどう確認しているかは、講習を選ぶときの判断材料になります。

▶ 受講する側で準備しておくこと

  • カメラ・マイク付きのパソコンやタブレット(通信が安定する環境)
  • 5時間集中できる場所(現場の休憩所などは騒音に注意)
  • 受講者の人数と端末の台数(受講の形は申込み時に確認)

オンラインで受けられる特別教育の全体像は、特別教育はオンラインで受けられる?学科と実技の条件でまとめています。

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■ 1t以上なら玉掛け技能講習:オンラインでは完結しない

つり上げ荷重1t以上のクレーン、移動式クレーン、デリックの玉掛けは、特別教育ではなく「就業制限業務」です。労働安全衛生法第61条第1項と施行令第20条第16号により、技能講習の修了者など資格のある人でなければ、その業務につかせることはできません。

クレーン等安全規則第221条では、この業務につける人として、玉掛け技能講習を修了した者などが定められています。無資格の人を業務につかせた事業者は、労働安全衛生法第119条第1号により6か月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金の対象です。また、資格のない人がその業務を行うことも第61条第2項で禁じられており、違反した本人は第120条第1号により50万円以下の罰金の対象となります。

▶ 技能講習の実技・修了試験は対面が条件

玉掛け技能講習は、学科講習と実技講習で行われます(クレーン等安全規則第246条)。eラーニング通達の別表では、技能講習について次のように示されています。

  • 実技講習は講師と同一場所で対面により実施すること
  • 修了試験は登録教習機関の監視者と同一場所で対面により実施すること
  • 登録教習機関が設定した会場に集合して実施すること

このため、玉掛け技能講習を自宅や事務所からのオンライン受講だけで修了することはできません。また、就業制限業務に係る技能講習の修了証は資格を証する書面を携帯する義務があるため、デジタルでの発行は認められていないと通達に明記されています。

▶ 特別教育と技能講習、どちらを受けるべきか

項目 特別教育 技能講習
対象 つり上げ荷重1t未満 つり上げ荷重1t以上
根拠 安衛則36条19号 施行令20条16号
実施者 事業者(外部委託可) 登録教習機関
オンライン 学科のみ可 完結しない

現場で使うクレーンが1t未満だけなら特別教育で足ります。将来1t以上のクレーンでも玉掛けをする可能性があるなら、最初から技能講習を検討するのが現実的です。特別教育を修了しても、1t以上の玉掛けはできない点に注意してください。境目の考え方は特別教育と技能講習の違いでも解説しています。

■ オンライン受講を選ぶときの注意点

▶ 「全部オンラインで修了」という案内に注意

玉掛け特別教育には実技があるため、学科だけを受けて修了とすることはできません。講習の案内を見るときは、実技をいつ・どこで・誰が行うのかが示されているかを確認してください。

▶ 学科と実技の両方の記録を残す

学科をオンラインで受け、実技を別の日に行う場合でも、特別教育としての記録は両方そろって初めて意味を持ちます。受講者名・科目・時間・実施日・講師がわかる形で保管しておくと、監督署の調査や元請からの確認にも対応しやすくなります。

▶ 現場の設備で実技ができるかを確認する

実技では、クレーン等と玉掛用具を使い、合図の練習も行います。自社の敷地や設備を使えるか、安全に作業できる広さがあるかは、講習を申し込む前に整理しておくとスムーズです。

■ 産業技能センターの玉掛け特別教育

産業技能センターでは、多くの特別教育を1名8,000円〜(税込・教材費・修了証発行費込み。人数・地域・実技の準備などにより変わる場合があり、正確な金額はお見積もりでご案内します)でご案内しています。玉掛け特別教育の料金は、人数・受講方法に応じてお見積もりでご案内します。

  • オンライン講習:学科はGoogle Meetを使い、1名から受講できます。実技の進め方を含め、受講方法はお問い合わせの際にご案内します。
  • 出張講習:関東1都6県は5名様から、交通費・宿泊費・出張基本費なしで伺います。遠方は20名様以上が目安です。遠方で少人数の場合は、オンライン講習をご案内しています。
  • 会場講習:定期の受付は現在停止しています。

お申込みは、お問い合わせ→お見積もり→お見積もりのご確認後、お振込みをもって講習日を確定する流れです。人数の変更は講習日の3日前まで承ります。

まずは受講予定の人数、使っているクレーンのつり上げ荷重、ご希望の時期をお知らせください。お問い合わせフォームからも受け付けています。

■ よくある質問

▶ Q. 玉掛け特別教育はWeb講習だけで修了できますか?

A. できません。学科5時間はオンラインで受けられますが、実技4時間は講師と同じ場所で対面により行う必要があります(eラーニング通達・令和8年9月2日一部改正)。

▶ Q. 玉掛け特別教育の学科と実技は別の日に受けてもいいですか?

A. 法令上、学科と実技を同じ日に行うことまでは定められていません。日程の組み方は講習機関によって異なるため、申込み時にご相談ください。

▶ Q. 玉掛け技能講習もオンラインで受けられますか?

A. オンラインでは完結しません。通達では、技能講習の実技講習は講師と、修了試験は登録教習機関の監視者と、それぞれ同一場所で対面により行うこととされています。

▶ Q. 玉掛け特別教育を受ければ、1t以上のクレーンで玉掛けできますか?

A. できません。つり上げ荷重1t以上のクレーン等の玉掛けは就業制限業務で、玉掛け技能講習の修了などが必要です(安衛法第61条第1項、施行令第20条第16号、クレーン則第221条)。

▶ Q. 玉掛け特別教育の修了証に有効期限はありますか?

A. 法令上、特別教育の修了に有効期限は定められていません。ただし、知識や技能を保つための再教育を検討する企業もあります。詳しくは特別教育の有効期限をご覧ください。

■ まとめ

  • 玉掛け特別教育は、つり上げ荷重1t未満のクレーン等の玉掛け業務に必要な教育です(安衛則第36条第19号、クレーン則第222条)。
  • 時間は学科5時間以上・実技4時間以上です(クレーン取扱い業務等特別教育規程第5条)。
  • 学科は通達の条件を満たせばオンライン可、実技は講師と同じ場所で対面が必要です。
  • 1t以上の玉掛けは玉掛け技能講習の修了など(職業訓練の修了者なども含む)の資格が必要で、技能講習の実技講習・修了試験は対面のためオンラインでは完結しません。
  • 教育を行わずに業務につかせると、6か月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金の対象です(安衛法第119条第1号)。

■ 講習のお申込み・ご相談

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■ 参考情報・公式リソース

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