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特別教育と技能講習の違い|1t・5t・10mの境目【2026年版】

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特別教育とは、労働安全衛生規則 第36条に定める危険・有害な業務に労働者を就かせるとき、事業者が自ら(または外部に委託して)行う教育です(労働安全衛生法 第59条第3項)。技能講習とは、労働安全衛生法施行令 第20条の「就業制限業務」に就くための資格で、都道府県労働局長の登録を受けた教習機関が行い、修了者には技能講習修了証が交付されます(労働安全衛生法 第61条第1項・第76条)。

同じ機械でも、荷重や作業床の高さで必要な教育が分かれます。たとえばフォークリフトは最大荷重1t未満なら特別教育、1t以上なら技能講習の修了が必要です。どちらも受けさせずに業務に就かせると、事業者は6か月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金の対象になります(労働安全衛生法 第119条第1号)。この記事では、特別教育・技能講習・免許の違いを比較表と機械別の早見表で整理し、自社の作業にどれが必要かを判断する手順まで解説します。

ご不明点はよくある質問、個別のご相談は問い合わせページからどうぞ。

■ この記事でわかること

  • 特別教育・技能講習・免許の違い(根拠条文・実施者・修了証・罰則)
  • フォークリフト1t・クレーン5t・移動式クレーン1t/5t・高所作業車10m・車両系建設機械3tなど、機械別の境目
  • 特別教育を社内で行う場合の条件と、記録の3年保存
  • 自社の作業にどの教育・資格が必要かを判断する手順
  • 当センターで受けられる教育と、受けられない資格

■ 特別教育と技能講習の違い【比較表】

特別教育と技能講習のいちばん大きな違いは、「誰が行うか」と「対象になる業務の範囲」です。特別教育は事業者が行う教育で、技能講習は登録教習機関で受ける国の資格制度です。免許もあわせて比較すると、次のとおりです。

項目特別教育技能講習免許
根拠条文労働安全衛生法 第59条第3項/労働安全衛生規則 第36条労働安全衛生法 第61条第1項・第76条/施行令 第20条労働安全衛生法 第61条第1項・第72条/施行令 第20条
対象業務安衛則第36条に定める危険・有害業務(例:最大荷重1t未満のフォークリフトの運転)就業制限業務のうち技能講習で就ける業務(例:最大荷重1t以上のフォークリフトの運転)就業制限業務のうち免許が必要な業務(例:つり上げ荷重5t以上のクレーンの運転)
実施する者事業者(社内実施・外部委託のどちらも可)都道府県労働局長の登録を受けた教習機関(登録教習機関)免許試験に合格した者などに、都道府県労働局長が免許証を交付
社内での実施可能不可(登録教習機関で受講)不可(免許試験の受験など)
修了・資格の証明法令で定められた修了証の様式はない(実施した会社・機関が任意で発行)技能講習修了証(交付が義務)免許証
資格証の携帯第61条第3項の携帯義務の対象外業務に従事するときは携帯が義務(第61条第3項)業務に従事するときは携帯が義務(第61条第3項)
事業者の記録受講者・科目等の記録を3年間保存(安衛則 第38条)修了証は本人が携帯免許証は本人が携帯
事業者の罰則未実施で業務に就かせると、6か月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金(第119条第1号)資格のない者を業務に就かせると、6か月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金(第119条第1号)資格のない者を業務に就かせると、6か月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金(第119条第1号)

罰則はいずれも労働安全衛生法 第122条の両罰規定により、違反した個人に加えて法人にも罰金刑が科されます。

■ 機械別:特別教育・技能講習・免許の境目早見表

同じ種類の機械でも、最大荷重・つり上げ荷重・作業床の高さ・機体重量などの数値によって、必要な教育・資格が変わります。安衛則第36条(特別教育)と施行令第20条(就業制限業務。就業に必要な資格の種類は安衛則第41条・別表第3)の区分を、代表的な機械で並べると次のとおりです。

機械・業務境目の基準特別教育(安衛則 第36条)技能講習・免許(施行令 第20条)
フォークリフトの運転最大荷重1t未満(第5号)1t以上:フォークリフト運転技能講習(第11号)
ショベルローダー・フォークローダーの運転最大荷重1t未満(第5号の2)1t以上:ショベルローダー等運転技能講習(第13号)
不整地運搬車の運転最大積載量1t未満(第5号の3)1t以上:不整地運搬車運転技能講習(第14号)
車両系建設機械(整地・運搬・積込み用、掘削用、基礎工事用、解体用)の運転機体重量3t未満(第9号)3t以上:用途ごとの運転技能講習(第12号)
高所作業車の運転作業床の高さ10m未満(第10号の5)10m以上:高所作業車運転技能講習(第15号)
クレーン(移動式クレーンを除く)の運転つり上げ荷重5t未満のクレーン/5t以上の跨線テルハ(第15号)5t以上:クレーン・デリック運転士免許。床上操作式クレーンは床上操作式クレーン運転技能講習の修了でも可(第6号)
移動式クレーンの運転つり上げ荷重1t未満(第16号)1t以上5t未満:小型移動式クレーン運転技能講習(免許でも可)/5t以上:移動式クレーン運転士免許(第7号)
デリックの運転つり上げ荷重5t未満(第17号)5t以上:クレーン・デリック運転士免許(第8号)
クレーン・移動式クレーン・デリックの玉掛けつり上げ荷重1t未満(第19号)1t以上:玉掛け技能講習(第16号)

フォークリフト・ショベルローダー等・不整地運搬車・車両系建設機械・高所作業車・移動式クレーンの特別教育は、いずれも「道路上を走行させる運転を除く」業務です。公道を走行させる場合は、道路交通法の運転免許が別に必要です。

【実務ポイント】
境目の数値は「未満」と「以上」で分かれます。最大荷重がちょうど1tのフォークリフトは1t以上に当たるため、技能講習の修了が必要です。機械の銘板や仕様書で、最大荷重・つり上げ荷重・作業床の高さ・機体重量を確認してから必要な教育を決めましょう。

フォークリフトの区分と取得の流れはフォークリフト資格の取り方、高所作業車は高所作業車特別教育、クレーンは床上操作式クレーン運転特別教育で詳しく解説しています。

■ 特別教育とは:事業者が行う教育

特別教育は、危険・有害な業務に労働者を就かせる前に、その業務の安全・衛生のために事業者が行う教育です(労働安全衛生法 第59条第3項)。対象業務は労働安全衛生規則 第36条に列挙され、科目と時間は安全衛生特別教育規程などの告示で決められています。

▶ 特別教育は社内で実施できる?

結論として、特別教育は社内で実施できます。通達(昭和48年3月19日基発第145号)で、事業者が自ら行っても外部の講師に委託してもよいとされています。講師に法令上の資格要件はありませんが、同じ通達で、教える科目について十分な知識・経験を持つ人でなければならないとされています。

▶ 特別教育の時間は何時間?

特別教育の時間は業務ごとに告示で決まっています。安全衛生特別教育規程(昭和47年労働省告示第92号)に定める代表的な業務の時間は次のとおりです(合計は各科目の時間を足したもの)。

特別教育学科実技根拠
フォークリフト(最大荷重1t未満)6時間6時間安全衛生特別教育規程 第7条
小型車両系建設機械(整地・運搬・積込み用及び掘削用、機体重量3t未満)7時間6時間安全衛生特別教育規程 第11条
高所作業車(作業床の高さ10m未満)6時間3時間安全衛生特別教育規程 第13条

技能講習の修了者など、科目について十分な知識・技能を持っていると認められる労働者は、その科目を省略できます(労働安全衛生規則 第37条)。

▶ 特別教育の修了証に決まった様式はある?

結論として、特別教育の修了証に法令で定められた様式はありません。厚生労働省は、特別教育の修了証は実施した会社または機関が任意で発行するもので、再交付は交付を受けた会社・機関に問い合わせるよう案内しています。法令上の義務は修了証ではなく、事業者が受講者・科目等の記録を作成して3年間保存することです(労働安全衛生規則 第38条)。

記録の作り方と保存方法は安全衛生教育の記録保存、修了の有効期限の考え方は特別教育の有効期限で解説しています。

■ 技能講習とは:登録教習機関で受ける資格

技能講習は、施行令第20条の就業制限業務に就くため、または作業主任者に選任されるための資格です(労働安全衛生法 第61条第1項・第14条・第76条第1項)。都道府県労働局長の登録を受けた教習機関が、区分ごとに学科講習・実技講習で行います。

▶ 技能講習は誰が実施する?

結論として、技能講習は都道府県労働局長の登録を受けた教習機関(登録教習機関)が実施します(労働安全衛生法 第61条第1項・第77条)。特別教育と違い、登録を受けていない事業者が社内で講習を行っても、技能講習の修了にはなりません。受講料や日程は教習機関ごとに異なるため、各機関の案内で確認してください。

▶ 技能講習修了証は携帯が必要?

結論として、就業制限業務に従事するときは、技能講習修了証などの資格を証する書面の携帯が必要です(労働安全衛生法 第61条第3項)。技能講習を行った機関は、修了者に技能講習修了証を交付しなければならないと定められています(同法 第76条第2項)。

■ 免許とは:試験に合格して交付を受ける資格

免許は、免許試験に合格した者などに対し、都道府県労働局長が免許証を交付して与える資格です(労働安全衛生法 第72条第1項)。つり上げ荷重5t以上のクレーンやデリック、5t以上の移動式クレーンの運転などが免許の対象です(施行令 第20条第6号〜第8号)。免許試験は、厚生労働大臣が指定する指定試験機関(公益財団法人 安全衛生技術試験協会)が実施しています。

移動式クレーン(つり上げ荷重1t以上5t未満)や床上操作式クレーン(つり上げ荷重5t以上)のように、免許のほか技能講習の修了でも就ける業務もあります(施行令 第20条第6号・第7号、労働安全衛生規則 第41条・別表第3)。

■ 特別教育・技能講習の罰則

特別教育を行わずに業務に就かせることも、資格のない労働者を就業制限業務に就かせることも、事業者は同じ罰則の対象です。

違反の内容違反する条文罰則
特別教育を行わずに、安衛則第36条の業務に就かせた労働安全衛生法 第59条第3項6か月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金(第119条第1号)
技能講習の修了者・免許を受けた者などでない者を、就業制限業務に就かせた労働安全衛生法 第61条第1項6か月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金(第119条第1号)
上記の違反を法人の従業者が業務に関して行った労働安全衛生法 第122条(両罰規定)行為者に加えて、法人にも罰金刑

【違反リスク】
2025年6月1日の改正刑法の施行により、労働安全衛生法の罰則は「拘禁刑」の表記になっています。労働基準監督署は、無資格の労働者に玉掛けや解体用機械の運転をさせた事案などを、労働安全衛生法 第61条違反の疑いで送検しています。修了の確認は、作業に就かせる前に行いましょう。

違反事例と是正の進め方は特別教育を受けさせない場合の罰則で詳しく解説しています。

使っている機械が特別教育で足りるのか技能講習が必要なのか迷ったら、お電話でご相談ください。
📞 042-497-8840 に電話して相談する(相談無料・年中無休・7:00〜21:00)
作業内容をうかがい、必要な教育と受講方法をご案内します。

■ どちらが必要か判断する手順

自社の作業に特別教育と技能講習のどちらが必要かは、次の順で確認すると迷いません。

  1. 作業で使う機械・業務を洗い出す(フォークリフト、クレーン、玉掛け、高所作業車など)
  2. 銘板・仕様書で、最大荷重・つり上げ荷重・作業床の高さ・機体重量を確認する
  3. 施行令第20条の就業制限業務に当たれば、技能講習または免許が必要(登録教習機関・免許試験へ)
  4. 当たらず安衛則第36条の業務に当たれば、特別教育を行う(社内実施または外部委託)
  5. 特別教育の記録を作成して3年間保存し、技能講習修了証・免許証は写しで受講状況を管理する

■ 作業前のチェックリスト

  • 機械ごとの荷重・高さ・重量の数値を記録した
  • 1t・5t・10m・3tなどの境目の「以上」「未満」を確認した
  • 就業制限業務の担当者は、技能講習修了証または免許証を携帯している
  • 特別教育の受講者・科目等の記録を作成し、3年間保存する体制がある
  • 公道を走行させる場合は、道路交通法の運転免許も確認した
  • 新しく配属・入場する作業員の修了状況を、作業に就かせる前に確認する手順がある

■ よくある質問

▶ Q. 特別教育と技能講習の違いを一言でいうと?

特別教育は事業者が行う教育(労働安全衛生法 第59条第3項)、技能講習は登録教習機関で修了する就業制限業務の資格(同法 第61条第1項)です。どちらが必要かは、機械の荷重・高さなどの数値で決まります。

▶ Q. 1t以上のフォークリフトを特別教育だけで運転できますか?

できません。最大荷重1t以上のフォークリフトの運転は就業制限業務で、フォークリフト運転技能講習の修了などが必要です(施行令 第20条第11号)。特別教育で就けるのは1t未満の運転です(労働安全衛生規則 第36条第5号)。

▶ Q. 技能講習の修了者に、同じ機械の特別教育は必要ですか?

技能講習の修了者など、科目について十分な知識・技能があると認められる労働者は、特別教育の科目を省略できます(労働安全衛生規則 第37条)。省略の範囲は、修了している講習の内容と業務を照らし合わせて判断します。

▶ Q. 特別教育の修了証をなくしたらどこに頼めばいい?

特別教育の修了証は実施した会社・機関が任意で発行するものなので、交付を受けた会社・機関に問い合わせます。労働局や労働基準監督署では再交付していません。

▶ Q. 産業技能センターで技能講習や免許は取れますか?

取れません。当センターが行っているのは特別教育と安全衛生教育で、技能講習・免許試験は実施していません。技能講習は都道府県労働局長の登録教習機関で、免許試験は安全衛生技術試験協会で受けてください。

■ 当センターで受けられる教育

株式会社産業技能センターは、労働安全衛生規則 第36条の特別教育と、安全衛生教育を実施しています。技能講習・免許(試験)は実施していないため、1t以上のフォークリフトや5t以上のクレーンなど就業制限業務の資格が必要な場合は、登録教習機関または免許試験をご利用ください。

  • 料金:1名あたり8,000円〜(税込・教材費・修了証発行費込み)。講習の種類や人数・地域によって変わるため、料金シミュレーターで概算を確認できます
  • 受講方法:オンライン(1名から)/出張講習(関東1都6県は5名様から。関東1都6県は交通費・宿泊費・出張基本費なし)
  • 実技を伴う特別教育の、科目ごとの対応形式・実技の実施方法はお問い合わせください
  • 修了者には修了証を発行します(料金に修了証発行費を含みます)。記録の3年保存は事業者の義務です

■ まとめ

特別教育は事業者が行う教育(労働安全衛生法 第59条第3項・労働安全衛生規則 第36条)で、社内でも実施でき、記録を3年間保存します。技能講習は就業制限業務に就くための資格で、登録教習機関が行い、修了証の携帯が必要です(同法 第61条・第76条)。

どちらが必要かは、フォークリフト1t、クレーン5t、移動式クレーン1t・5t、高所作業車10m、車両系建設機械3tなどの境目で決まります。まず機械の数値を確認し、作業に就かせる前に教育・資格をそろえましょう。

■ 講習のお申込み・ご相談

特別教育・安全衛生教育のお申込み・ご相談は、受講方法の案内ページまたは問い合わせページから受け付けています。お問い合わせ後、お見積もり・お振込みを経て講習日が確定します。

受講人数や日程が決まっていない段階でも、お見積もり・日程のご相談を承ります。
📞 042-497-8840 に電話して相談する(相談無料・年中無休・7:00〜21:00)
オンライン(1名から)と出張講習(関東1都6県は5名様から)から、作業内容に合った受講方法をご提案します。

■ 参考情報・公式リソース

サイト名概要リンク
e-Gov法令検索|労働安全衛生法第14条・第59条・第61条・第72条・第76条・第77条・第119条・第122条の条文公式サイト
e-Gov法令検索|労働安全衛生法施行令第20条(就業制限に係る業務)の条文公式サイト
e-Gov法令検索|労働安全衛生規則第36条〜第38条(特別教育)・第41条(就業制限についての資格)の条文公式サイト
厚生労働省|安全衛生特別教育規程フォークリフト・小型車両系建設機械・高所作業車などの特別教育の科目と時間公式サイト
厚生労働省|職場のあんぜんサイト「特別教育」特別教育の根拠・実施責任・科目の省略・記録の保存公式サイト
厚生労働省|職場のあんぜんサイト「就業制限」就業制限業務と免許・技能講習、資格証の携帯公式サイト
厚生労働省|よくある質問「特別教育の修了証を再交付してほしい」特別教育の修了証は実施した会社・機関が任意で発行公式サイト
奈良労働局|作業主任者・就業制限業務等一覧表就業制限業務ごとの免許・技能講習の区分公式サイト
公益財団法人 安全衛生技術試験協会クレーン・デリック運転士などの免許試験公式サイト
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