ショベルローダー等の運転の業務に係る特別教育とは、最大荷重1トン未満のショベルローダーまたはフォークローダーを構内で運転させる前に、事業者が労働者に行う法定の教育です(労働安全衛生法 第59条第3項、労働安全衛生規則 第36条第5号の2)。時間は学科6時間以上・実技6時間以上の合計12時間以上で、科目と範囲は安全衛生特別教育規程 第7条の2で定められています。最大荷重1トン以上の機械は特別教育では足りず、ショベルローダー等運転技能講習の修了などが必要です(労働安全衛生法 第61条第1項、同法施行令 第20条第13号)。
現場で特に迷いやすいのが、見た目の似た「ホイールローダー(トラクター・ショベル)」や「フォークリフト」との区分です。ショベルローダー等は労働安全衛生規則上、フォークリフトとも車両系建設機械とも別の機械として扱われ、必要な教育・資格も別々です。この記事では、安全衛生担当者・現場責任者に向けて、機械ごとの区分の見分け方、特別教育の科目、社内で受けさせる段取り、罰則、修了後の作業ルールと点検までを一次情報にもとづいて整理します。
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■ この記事でわかること
- ショベルローダー等特別教育が必要になる機械・人と、根拠条文
- ショベルローダー・フォークリフト・ホイールローダーの資格区分の違い
- 学科4科目・実技2科目の中身(安全衛生特別教育規程 第7条の2の範囲)
- 会社で受けさせるときの段取り、記録の3年保存、未実施の罰則
- 修了後に事業者が守る作業ルール・定期自主検査と、2026年4月のリース関係の改正
■ ショベルローダー等特別教育(1トン未満)の早見表
| 項目 | 内容 | 根拠 |
|---|---|---|
| 正式名称 | ショベルローダー等の運転の業務に係る特別教育 | 安全衛生特別教育規程 第7条の2 |
| 対象業務 | 最大荷重1トン未満のショベルローダーまたはフォークローダーの運転(道路上を走行させる運転を除く) | 労働安全衛生規則 第36条第5号の2 |
| 実施する人 | 事業者(社内で実施、または外部の講習機関を利用) | 労働安全衛生法 第59条第3項 |
| 時間 | 学科6時間以上・実技6時間以上(合計12時間以上) | 安全衛生特別教育規程 第7条の2 |
| 記録 | 受講者・科目などの記録を作成し3年間保存 | 労働安全衛生規則 第38条 |
| 未実施の罰則 | 6か月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金(法人にも罰金刑) | 労働安全衛生法 第119条第1号・第122条 |
| 1トン以上の場合 | 就業制限業務。ショベルローダー等運転技能講習の修了などが必要 | 労働安全衛生法 第61条第1項、同法施行令 第20条第13号 |
| 修了後のルール | 作業計画・制限速度・接触防止・離席時の措置・定期自主検査など | 労働安全衛生規則 第151条の3以下・第151条の27〜第151条の35 |
■ ショベルローダー・フォークリフト・ホイールローダーの資格区分
前方にバケットやフォークを付けた車両は見た目が似ていますが、法令上は「ショベルローダー等」「フォークリフト」「車両系建設機械(トラクター・ショベル)」の3つに分かれ、必要な教育・資格の基準(最大荷重か機体重量か)も異なります。まず全体像を表で確認しましょう。
| 機械 | 判断の基準 | 特別教育で運転できる範囲 | 技能講習などが必要な範囲 |
|---|---|---|---|
| ショベルローダー・フォークローダー | 最大荷重 | 1トン未満(労働安全衛生規則 第36条第5号の2) | 1トン以上:ショベルローダー等運転技能講習(施行令 第20条第13号) |
| フォークリフト | 最大荷重 | 1トン未満(労働安全衛生規則 第36条第5号) | 1トン以上:フォークリフト運転技能講習(施行令 第20条第11号) |
| トラクター・ショベル(ホイールローダー)など整地・運搬・積込み用機械 | 機体重量 | 3トン未満(労働安全衛生規則 第36条第9号) | 3トン以上:車両系建設機械(整地・運搬・積込み用及び掘削用)運転技能講習など(施行令 第20条第12号) |
▶ ショベルローダー・フォークローダーとは
結論として、ショベルローダーはバケットでバラ物を、フォークローダーはフォークで材木などを荷役する2輪駆動の車両が原則です。厚生労働省の委託事業で作成された補助テキスト(中央労働災害防止協会「ショベルローダー等運転士テキスト」の抜粋版)では、ショベルローダーを「原則として車体前方に備えたショベル(バケット)をリフトアームにより上下させてバラ物荷役を行う2輪駆動の車両」、フォークローダーを「原則として車体前方に備えたフォークをリフトアームにより上下させて材木等の荷役を行う2輪駆動の車両」と説明しています。
▶ ホイールローダーは車両系建設機械として別の資格が必要
結論として、ホイールローダー(トラクター・ショベル)は車両系建設機械で、ショベルローダー等特別教育では運転させられません。トラクター・ショベルは労働安全衛生法施行令 別表第7第1号の「整地・運搬・積込み用機械」に含まれ、機体重量3トン未満なら小型車両系建設機械の特別教育(労働安全衛生規則 第36条第9号)、3トン以上なら技能講習の修了などが必要です(施行令 第20条第12号)。前述の補助テキストも、ホイールローダーは4輪駆動であることが特徴で「車両系建設機械運転技能講習」が必要な別の機械だと説明しています。3トン未満の教育は小型車両系建設機械の運転特別教育で解説しています。
【例外規定】
同じテキストでは、「4輪駆動であっても互換性のないフォークを備えたものはフォークローダーとしての適用を受ける」とされています。駆動方式だけで判断せず、取り付けている作業装置にも注意が必要です。
▶ フォークリフトの特別教育とは別の教育
結論として、ショベルローダー等とフォークリフトは特別教育の号が分かれており、一方の修了でもう一方を運転させることはできません(労働安全衛生規則 第36条第5号・第5号の2)。告示の科目もそれぞれ別の条(安全衛生特別教育規程 第7条・第7条の2)に定められています。1トン未満のフォークリフトの教育はフォークリフトの運転の業務に係る特別教育をご覧ください。
▶ 区分に迷ったら銘板と取扱説明書で確認する
結論として、区分は通称ではなく、メーカーが示す機種区分と最大荷重(または機体重量)で確認します。同じ「ローダー」と呼ばれていても、ショベルローダーとトラクター・ショベルでは安定度の基準が違うと、前述のテキストでも注意されています。車両の銘板・取扱説明書で確認し、それでも判断できないときは、メーカー・販売店や所轄の労働基準監督署に確認してから教育を手配しましょう。
【実務ポイント】
同じ人がショベルローダーとフォークリフト、ホイールローダーを乗り分ける職場では、機械ごとに必要な教育・資格が異なります。車両の一覧に「区分」と「最大荷重・機体重量」の列を作り、運転者ごとの修了状況と照らし合わせておくと、資格の抜けを防げます。
■ 最大荷重1トン以上はショベルローダー等運転技能講習が必要
結論として、最大荷重1トン以上のショベルローダー・フォークローダーの運転は就業制限業務で、特別教育の修了では就かせられません。施行令 第20条第13号は「最大荷重(ショベルローダー又はフォークローダーの構造及び材料に応じて負荷させることができる最大の荷重をいう。)が一トン以上のショベルローダー又はフォークローダーの運転(道路上を走行させる運転を除く。)の業務」と定め、都道府県労働局長の登録を受けた機関が行うショベルローダー等運転技能講習の修了者などでなければ就かせることができません(労働安全衛生法 第61条第1項)。
技能講習のコースや時間は、保有している資格・免許によって変わります。詳細は各登録教習機関の案内で確認してください。特別教育と技能講習の制度上の違いは特別教育と技能講習の違いで整理しています。
【違反リスク】
資格のない人に1トン以上を運転させると、労働安全衛生法 第61条第1項の違反として、6か月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金の対象です(同法 第119条第1号)。資格のない人が自ら運転することも禁止されており(同法 第61条第2項)、違反は50万円以下の罰金の対象です(同法 第120条第1号)。
▶ 公道を走るには道路交通法の運転免許が別に必要
結論として、特別教育も技能講習も「道路上を走行させる運転を除く」構内の運転が対象です(労働安全衛生規則 第36条第5号の2、施行令 第20条第13号)。事業所間の移動などで公道を走行させる場合は、別に道路交通法の運転免許が必要です。必要な免許の区分は車両によって異なるため、車両の登録内容を確認してください。
■ ショベルローダー等特別教育の科目・範囲・時間(学科6時間・実技6時間)
結論として、学科4科目6時間以上と実技2科目6時間以上で行います(安全衛生特別教育規程 第7条の2)。安全衛生特別教育規程は昭和47年労働省告示第92号で、第7条の2は昭和52年労働省告示第117号で追加されました。告示では科目ごとに「範囲」も定められており、社内で実施する場合もこの範囲をすべて扱う必要があります。
| 区分 | 科目 | 範囲(告示の内容) | 時間 |
|---|---|---|---|
| 学科 | ショベルローダー等の走行に関する装置の構造及び取扱いの方法に関する知識 | 原動機/動力伝達装置/走行装置/操縦装置/制動装置/電気装置/警報装置/走行に関する附属装置の構造及び取扱い方法 | 2時間以上 |
| 学科 | ショベルローダー等の荷役に関する装置の構造及び取扱いの方法に関する知識 | 荷役装置/油圧装置/ヘッドガード/荷役に関する附属装置の構造及び取扱い方法 | 2時間以上 |
| 学科 | ショベルローダー等の運転に必要な力学に関する知識 | 力(合成・分解・つり合い・モーメント)/重量/重心及び物の安定/速度及び加速度/荷重/応力/材料の強さ | 1時間以上 |
| 学科 | 関係法令 | 労働安全衛生法・同法施行令・労働安全衛生規則中の関係条項 | 1時間以上 |
| 実技 | ショベルローダー等の走行の操作 | 基本操作/定められたコースによる基本走行及び応用走行 | 4時間以上 |
| 実技 | ショベルローダー等の荷役の操作 | 基本操作/定められた方法による荷の移動及び積重ね | 2時間以上 |
▶ 学科は装置の構造と「転倒・荷崩れの理由」を学ぶ
結論として、学科の中心は走行・荷役の装置の構造と、重心や物の安定などの力学です(安全衛生特別教育規程 第7条の2)。フォークリフトの科目と比べると、走行装置の範囲に操縦装置・電気装置・警報装置が明記されている点が特徴です。バケットに荷を満載したまま高く上げて走ると不安定になる理由など、事故につながる仕組みを理解することが目的です。
▶ 実技は走行4時間・荷役2時間以上
結論として、実技は走行の操作4時間以上、荷役の操作2時間以上です(安全衛生特別教育規程 第7条の2)。走行は「定められたコース」による基本走行・応用走行、荷役は「定められた方法」による荷の移動・積重ねが範囲です。社内で実技を行う場合は、実際に運転する1トン未満の車両と、歩行者の動線から区切った練習場所を用意しておくと進めやすくなります。
▶ 十分な知識・技能がある科目は省略できる
結論として、特別教育の科目について十分な知識・技能を有していると認められる労働者は、その科目を省略できます(労働安全衛生規則 第37条)。ただし「経験があるから」というだけで一律に省略せず、どの科目をなぜ省略したかを記録に残しておきましょう。判断に迷う場合は、所轄の労働基準監督署に確認してください。
■ 会社でショベルローダー等特別教育を受けさせる段取り
特別教育は事業者が行う教育なので、社内で講師を立てて実施することも、外部の講習機関に依頼することもできます。ショベルローダー等は区分の確認でつまずきやすいため、次の順で準備すると漏れが出にくくなります。
| ステップ | やること | 確認するポイント |
|---|---|---|
| ① 機械の区分確認 | 保有・リースしている車両を、ショベルローダー等・フォークリフト・車両系建設機械に分けて一覧にする | 銘板・取扱説明書で機種区分を確認したか |
| ② 荷重・重量の確認 | ショベルローダー等は最大荷重、車両系建設機械は機体重量を記入する | 1トン以上(建設機械は3トン以上)が混在していないか |
| ③ 対象者の洗い出し | 運転させる予定の人(新入社員・異動者・派遣労働者を含む)を一覧にする | 運転を始める前に教育が終わる日程か |
| ④ 実施方法の決定 | 社内実施か外部講習かを決める | 告示の科目・範囲・時間を満たせるか/実技の車両・コースを用意できるか |
| ⑤ 受講 | 学科6時間以上・実技6時間以上を実施する | 休憩を除いて時間を確保しているか |
| ⑥ 記録の保存 | 受講者・科目・実施日などの記録を作成する | 3年間保存(労働安全衛生規則 第38条) |
▶ 特別教育の記録は3年間保存する
結論として、特別教育を行ったときは、受講者・科目などの記録を作成して3年間保存しなければなりません(労働安全衛生規則 第38条)。外部講習を利用した場合も、修了証の写しと受講日・科目がわかる資料を社内で保管しておくと、監督署の調査や元請・取引先からの確認に対応しやすくなります。
▶ 派遣労働者の特別教育は派遣先が行う
結論として、派遣労働者にショベルローダー等を運転させる場合、特別教育は派遣先が実施します。厚生労働省・中央労働災害防止協会の「製造業における派遣労働者に係る安全衛生管理マニュアル」では、労働者派遣法 第45条による労働安全衛生法の適用の特例として、特別教育は派遣先、雇入れ時の安全衛生教育は派遣元が行う整理になっています。雇入れ時の教育は雇入れ時安全衛生教育とはをご覧ください。
▶ 当センターのショベルローダー等特別教育(1トン未満)
結論として、当センターでは1トン未満のショベルローダー等特別教育を1名8,000円〜(税込・教材費・修了証発行費込み)で承っています。少人数の出張や遠方での開催は、費用が上がる場合があります。受講人数や開催地に応じた費用は料金シミュレーターで概算を確認できます。
受講方法は、1名から受けられるオンライン講習と、事業所にうかがう出張講習(関東1都6県は5名様から、交通費・宿泊費・出張基本費なし。遠方は20名様以上が目安)です。科目ごとの対応形式・実技の実施方法はお問い合わせください。
■ ショベルローダー等特別教育を行わずに運転させた場合の罰則
結論として、特別教育を行わずに1トン未満のショベルローダー等を運転させることは、労働安全衛生法 第59条第3項の違反です。罰則は会社(事業者)と、違反行為をした担当者の両方に及び得ます。
【違反リスク】
特別教育の未実施(第59条第3項違反)は、6か月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金の対象です(労働安全衛生法 第119条第1号)。同法 第122条の両罰規定により、違反行為をした者のほか、法人にも罰金刑が科され得ます。具体的な適用は事案ごとに判断されるため、詳しくは所轄の労働基準監督署にご確認ください。会社としてのリスクは特別教育を受けさせないと会社はどうなる?でも解説しています。
【注意】
2027年4月1日に施行される改正労働安全衛生法(令和7年法律第33号)では、第59条に第4項が加わり、特別教育の対象が作業に従事する役員などにも広がります。施行が近づいたら、ショベルローダー等を運転する役員などの扱いもあわせて確認しましょう。
職場の機械がショベルローダーかホイールローダーか判断に迷うなら、お電話でご相談ください。
📞 042-497-8840 に電話して相談する(相談無料・年中無休・7:00〜21:00)
機械の種類と受講人数をうかがい、必要な教育と受講方法をご案内します。
■ 修了後に事業者が守るショベルローダー等の作業ルールと点検
特別教育を終えても、事業者の義務はそこで終わりません。ショベルローダー・フォークローダーはフォークリフトと同じく労働安全衛生規則の「車両系荷役運搬機械等」に含まれ、労働安全衛生規則 第151条の3以下の共通ルールと、第151条の27〜第151条の35のショベルローダー等の規定が適用されます。
| ルール | 事業者がすること | 根拠条文 |
|---|---|---|
| 作業計画 | 作業場所の広さ・地形、車両の種類・能力、荷の種類・形状に合った作業計画を定め、その計画で作業させる | 労働安全衛生規則 第151条の3 |
| 作業指揮者 | 作業の指揮者を定め、作業計画にもとづいて指揮させる | 労働安全衛生規則 第151条の4 |
| 制限速度 | 作業場所の地形・地盤などに応じた制限速度を定めて運転させる | 労働安全衛生規則 第151条の5 |
| 接触の防止 | 運転中の車両や荷に接触するおそれのある箇所に労働者を立ち入らせない(誘導者に誘導させる場合を除く) | 労働安全衛生規則 第151条の7 |
| 離席時の措置 | 運転位置から離れるときは、荷役装置を最低降下位置に置き、原動機を止めてブレーキを確実にかけるなど逸走を防ぐ措置を講じさせる | 労働安全衛生規則 第151条の11 |
| 搭乗の制限・用途外使用の制限 | 乗車席以外に労働者を乗せない/主たる用途以外に使わない(危険のおそれがない場合を除く) | 労働安全衛生規則 第151条の13・第151条の14 |
| ショベルローダー等の装備・使用 | 前照灯・後照灯、ヘッドガード、荷の積載、使用の制限の規定を守る | 労働安全衛生規則 第151条の27〜第151条の30 |
| 定期自主検査・点検 | 定期自主検査を行い記録を保存する/作業開始前に点検し、異常があれば補修する | 労働安全衛生規則 第151条の31〜第151条の35 |
▶ 定期自主検査は1年・1か月ごと、記録は3年保存
結論として、ショベルローダー等は1年を超えない期間ごと・1か月を超えない期間ごとに定期自主検査を行い、結果を記録して3年間保存します(労働安全衛生規則 第151条の31〜第151条の33。前述の補助テキストでも同じ内容を説明)。検査項目・検査方法・判定基準は、2023年3月31日に公示された「ショベルローダー等の定期自主検査指針」(自主検査指針公示第22号)で示されています。月次の検査では、制動装置・クラッチ・操縦装置・荷役装置・油圧装置(安全弁を含む)・ヘッドガードなどの異常の有無を確認します。
▶ 2026年4月からリース会社の措置義務の対象に追加
結論として、2026年4月1日から、ショベルローダー・フォークローダー・フォークリフトが、機械等貸与者(リース・レンタル会社など)が労働災害防止の措置を講じる対象機械に加わりました(労働安全衛生法 第33条第1項、同法施行令 第10条、令和7年政令第361号)。厚生労働省の審議会資料では、これらの機械が不特定の場所を自走し、運転に資格や特別教育が必要で、リースされることが多い点が追加の理由とされています。借りる側の事業者も、運転者の教育・資格の確認は自社の責任で行いましょう。
▶ 修了後の再教育は努力義務
結論として、特別教育の修了に法令上の有効期限はありませんが、事業者は危険・有害な業務に現に就いている人に安全衛生教育を行うよう努める必要があります(労働安全衛生法 第60条の2、努力義務)。運転に慣れた頃の思い込みによる事故を防ぐため、定期的な振り返りの機会を計画に入れておくと安心です。有効期限の考え方は特別教育に有効期限はある?で解説しています。
■ 安全衛生担当者向けチェックリスト
- 職場の車両を、ショベルローダー等・フォークリフト・車両系建設機械に区分した
- ショベルローダー等の最大荷重を、車両ごとに銘板・取扱説明書で確認した
- 1トン未満を運転する人は、運転を始める前にショベルローダー等特別教育を修了している
- 1トン以上を運転する人は、ショベルローダー等運転技能講習を修了している
- ホイールローダーを運転する人は、機体重量に応じた車両系建設機械の教育・資格を持っている
- 派遣労働者の特別教育を、派遣先として実施・確認した
- 特別教育の記録(受講者・科目など)を3年間保存している
- 作業計画・制限速度を定め、歩行者の立入りを制限している
- 定期自主検査(年次・月次)と作業開始前点検を行い、記録を3年間保存している
■ よくある質問
▶ Q. ショベルローダー等特別教育は社内で行ってもよいですか?
A. 行えます。特別教育は事業者が行う教育です(労働安全衛生法 第59条第3項)。社内で行う場合も、安全衛生特別教育規程 第7条の2の科目・範囲・時間を満たし、記録を3年間保存してください(労働安全衛生規則 第38条)。
▶ Q. 何時間かかりますか?
A. 学科6時間以上・実技6時間以上の合計12時間以上です(安全衛生特別教育規程 第7条の2)。十分な知識・技能があると認められる科目は省略できます(労働安全衛生規則 第37条)。
▶ Q. この特別教育でホイールローダーも運転できますか?
A. できません。ホイールローダー(トラクター・ショベル)は車両系建設機械で、機体重量3トン未満は小型車両系建設機械の特別教育(労働安全衛生規則 第36条第9号)、3トン以上は技能講習の修了などが必要です(施行令 第20条第12号)。
▶ Q. フォークリフトの特別教育を受けていれば運転できますか?
A. できません。フォークリフト(労働安全衛生規則 第36条第5号)とショベルローダー等(同 第5号の2)は別の業務で、教育の科目も別の条で定められています。フォークローダーもショベルローダー等に含まれます。
▶ Q. オンラインで受講できますか?
A. 当センターのオンライン講習は1名から受講できます。実技を伴う教育のため、科目ごとの対応形式・実技の実施方法はお問い合わせください。
▶ Q. 修了証に有効期限はありますか?
A. 法令上の有効期限の定めはありません。ただし、運転を続ける人への安全衛生教育は努力義務とされています(労働安全衛生法 第60条の2)。
■ まとめ
最大荷重1トン未満のショベルローダー・フォークローダーを運転させるには、事業者がショベルローダー等の運転の業務に係る特別教育(学科6時間以上・実技6時間以上)を行う必要があります(労働安全衛生法 第59条第3項、労働安全衛生規則 第36条第5号の2)。1トン以上は技能講習が必要で、フォークリフトやホイールローダーとは教育・資格が別です。
まず車両の区分と最大荷重を一覧にし、運転者ごとの修了状況と突き合わせることから始めましょう。修了後も、作業計画・接触防止・離席時の措置・定期自主検査といった労働安全衛生規則のルールを、事業者として守り続けることが求められます。
■ 関連する特別教育・安全衛生教育
■ 講習のお申込み・ご相談
1トン未満のショベルローダー等特別教育のお申込み・ご相談は、受講方法の案内ページまたは問い合わせページから受け付けています。お問い合わせ後、お見積もり、お振込みを経て講習日が確定します。
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■ 参考情報・公式リソース
| サイト名 | 概要 | リンク |
|---|---|---|
| e-Gov法令検索|労働安全衛生法 | 第33条・第59条・第60条の2・第61条・第119条・第120条・第122条の条文 | 公式サイト |
| e-Gov法令検索|労働安全衛生法施行令 | 第10条・第20条第11号〜第13号・別表第7の条文 | 公式サイト |
| e-Gov法令検索|労働安全衛生規則 | 第36条第5号の2・第37条・第38条・第151条の3以下・第151条の27〜第151条の35 | 公式サイト |
| 厚生労働省|安全衛生特別教育規程 | 第7条の2 ショベルローダー等の運転の業務に係る特別教育の科目・範囲・時間 | 公式サイト |
| 厚生労働省|ショベルローダー等運転士テキスト(対訳による抜粋版) | ショベルローダー・フォークローダーの定義、ホイールローダーとの違い、定期自主検査 | 公式サイト |
| 大阪労働局|技能講習開催予定一覧表 | ショベルローダー等運転技能講習の対象業務(最大荷重1トン以上) | 公式サイト |
| 岐阜労働局|フォークリフトの定期自主検査指針等の公表等について | ショベルローダー等の定期自主検査指針(第151条の31の自主検査、自主検査指針公示第22号) | 公式サイト |
| 厚生労働省|改正政令案の概要(安衛令第10条) | 機械等貸与者の措置の対象にフォークリフト・ショベルローダー・フォークローダーを追加(2026年4月1日施行) | 公式サイト |
| 茨城労働局|適正な機械の利用をお願いします。 | 車両系荷役運搬機械等にショベルローダー・フォークローダーが含まれることの説明 | 公式サイト |
| 厚生労働省|製造業における派遣労働者に係る安全衛生管理マニュアル | 特別教育は派遣先、雇入れ時教育は派遣元が実施する整理 | 公式サイト |
