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アーク溶接特別教育とは|21時間・10,000円〜・罰則【2026年版】

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アーク溶接特別教育とは、アーク溶接機を用いて行う金属の溶接・溶断等の業務に労働者を就かせるとき、事業者が行わなければならない特別教育です(労働安全衛生規則 第36条第3号、労働安全衛生法 第59条第3項)。内容は学科11時間以上・実技10時間以上の合計21時間以上と告示で定められており、教育を行わずに業務に就かせると、6か月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金の対象になります(労働安全衛生法 第119条第1号)。

この記事では、誰が受講する必要があるか、21時間の科目、罰則と記録の保存、2021年4月から強化された溶接ヒュームの規制の要点、受講の段取りを、条文・告示・厚生労働省の資料にもとづいて整理します。溶接に関わる資格全体の比較は溶接資格の種類一覧で解説しています。

ご不明点はよくある質問、個別のご相談は問い合わせページからどうぞ。

■ この記事でわかること

  • アーク溶接特別教育が義務になる業務と根拠条文
  • 学科11時間・実技10時間(合計21時間以上)の科目と範囲
  • 受けさせないときの罰則と、記録の保存義務
  • 溶接ヒュームの規制(特化則)で事業者が行う措置の要点
  • 受講料(10,000円〜)と受講方法、申込みの流れ

■ アーク溶接特別教育の早見表

項目内容
教育の種類特別教育(事業者が行う教育。国家試験の免許・技能講習ではない)
根拠条文労働安全衛生法 第59条第3項/労働安全衛生規則 第36条第3号
対象となる業務アーク溶接機を用いて行う金属の溶接、溶断等の業務
カリキュラムの根拠安全衛生特別教育規程(昭和47年労働省告示第92号)第4条
学科4科目・11時間以上
実技アーク溶接装置の取扱い・作業の方法 10時間以上
合計21時間以上
有効期限法令上の定めなし
記録受講者・科目等の記録を作成し3年間保存(労働安全衛生規則 第38条)
罰則6か月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金(労働安全衛生法 第119条第1号)・両罰規定(同法 第122条)
あわせて確認する規制溶接ヒューム(特定化学物質障害予防規則。2021年4月1日施行)
当センターの受講料1名あたり10,000円〜(税込・教材費・修了証発行費込み)

■ アーク溶接特別教育の義務と対象者

労働安全衛生法 第59条第3項は、危険または有害な業務で厚生労働省令が定めるものに労働者を就かせるとき、事業者に特別の教育を義務づけています。アーク溶接は、その業務を定めた労働安全衛生規則 第36条の第3号に掲げられています。

▶ アーク溶接特別教育が必要なのは誰?

結論として、アーク溶接機で金属の溶接・溶断等を行う業務に就く労働者が対象です(労働安全衛生規則 第36条第3号)。条文は「アーク溶接機を用いて行う金属の溶接、溶断等(以下「アーク溶接等」という。)の業務」と定めており、業種による限定はありません。製造業の工場だけでなく、建設現場での鉄骨・設備工事、設備保全、農機や車両の整備などでアーク溶接機を使う場合も対象になります。

▶ 半自動溶接・TIG溶接・溶断だけでも必要?

結論として、アーク溶接機を用いる業務であれば溶接方法による区別はなく、溶断等の業務も含まれます(労働安全衛生規則 第36条第3号)。条文の要件は「アーク溶接機を用いて行う」ことで、被覆アーク溶接・半自動溶接・TIG溶接といった方法の名前では分けていません。判断に迷う設備(自動機・ロボットなど)を使う場合は、作業者がどの操作を担うかを整理し、所轄の労働基準監督署に確認しましょう。

▶ アルバイト・派遣・外国人労働者も対象?

結論として、雇用形態や国籍にかかわらず、アーク溶接等の業務に就かせる労働者には特別教育が必要です。派遣労働者の場合、特別教育を行うのは派遣先の事業者です。

【実務ポイント】
アーク溶接特別教育は「事業者が労働者に行う教育」です。可燃性ガスと酸素を用いる溶接・溶断・加熱の業務(ガス溶接)は就業制限業務で、ガス溶接技能講習の修了などが必要です(労働安全衛生法施行令 第20条第10号)。特別教育と技能講習の区分は特別教育と技能講習の違い、JIS溶接技能者評価試験などを含む全体像は溶接資格の種類一覧で整理しています。

■ カリキュラム(学科11時間・実技10時間)

アーク溶接特別教育は、学科4科目・合計11時間以上と、実技10時間以上で行います(安全衛生特別教育規程 第4条)。

区分科目範囲時間
学科アーク溶接等に関する知識アーク溶接等の基礎理論/電気に関する基礎知識1時間以上
学科アーク溶接装置に関する基礎知識直流アーク溶接機/交流アーク溶接機/交流アーク溶接機用自動電撃防止装置/溶接棒等及び溶接棒等のホルダー/配線3時間以上
学科アーク溶接等の作業の方法に関する知識作業前の点検整備/溶接、溶断等の方法/溶接部の点検/作業後の処置/災害防止6時間以上
学科関係法令法、令及び安衛則中の関係条項1時間以上
実技アーク溶接装置の取扱い及びアーク溶接等の作業の方法アーク溶接装置の取扱い/アーク溶接等の作業の方法10時間以上
合計21時間以上(学科11時間・実技10時間)

▶ 経験者は科目を省略できる?

結論として、十分な知識・技能があると認められる労働者は、その科目を省略できます(労働安全衛生規則 第37条)。ただし、どの経歴・受講歴なら省略できるかは個別の判断になります。省略する場合は根拠となる経歴や受講歴の記録を残し、迷うときは所轄の労働基準監督署に確認しましょう。

■ 受けさせないとどうなる?罰則と記録の保存

▶ 特別教育を行わずに溶接させた場合の罰則は?

結論として、6か月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金の対象です(労働安全衛生法 第59条第3項違反、第119条第1号)。両罰規定(同法 第122条)により、違反した行為者だけでなく法人にも罰金刑が科されることがあります。

▶ 修了後に事業者がしておくことは?

結論として、受講者・科目等の記録を作成し、3年間保存する義務があります(労働安全衛生規則 第38条)。外部の講習を利用した場合も、修了証の写しや受講記録を社内で管理しておくと、元請や監督署からの確認にすぐ対応できます。修了証に法令上の有効期限はありませんが、紛失時の対応は特別教育の修了証の再発行で解説しています。

【違反リスク】
労働災害の発生時や労働基準監督署の調査で特別教育の未実施が確認されると、罰則の対象になるほか、是正勧告を受けることがあります。新しく溶接作業を担当させる人がいる場合は、配置の前に受講を済ませておきましょう。

溶接作業を任せる人の特別教育が配置までに間に合うか不安なら、お電話でご相談ください。
📞 042-497-8840 に電話して相談する(相談無料・年中無休・7:00〜21:00)
作業内容をうかがい、必要な教育と受講方法をご案内します。

■ 溶接ヒュームの規制(特化則)の要点

特別教育とは別に、アーク溶接を行う事業場では溶接ヒューム対策も必要です。2020年(令和2年)4月22日公布の改正(令和2年厚生労働省令第89号)で、溶接ヒュームが特定化学物質(管理第2類物質)に加わり、2021年(令和3年)4月1日から順次、金属アーク溶接等作業に特定化学物質障害予防規則(特化則)の措置が適用されています。

▶ 事業者が行う主な措置は?

結論として、呼吸用保護具の使用、特定化学物質作業主任者の選任、特殊健康診断などが必要で、屋内で継続して行う作業では換気とばく露の測定も求められます(特化則 第38条の21ほか)。厚生労働省のリーフレットでは、次のように整理されています。

措置内容対象・時期
全体換気等全体換気装置、またはプッシュプル型換気装置・局所排気装置などで換気(特化則 第38条の21第1項)屋内作業場で継続して行う作業/2021年4月1日〜
個人ばく露測定作業者の呼吸域で溶接ヒューム中のマンガン濃度を測定(第38条の21第2項)。結果に応じて換気風量の増加などを行い、効果を確認屋内作業場で継続して行う作業/金属アーク溶接等作業の方法を新たに採用・変更するとき(既存の作業は2022年3月31日までに実施)
呼吸用保護具有効な呼吸用保護具を使用(第38条の21第5項)。屋内で継続して行う作業では、測定結果から求めた要求防護係数を上回る保護具を選ぶ屋内・屋外とも(要求防護係数による選択は2022年4月1日〜)
フィットテスト面体を有する呼吸用保護具の装着の確認を1年以内ごとに1回屋内作業場で継続して行う作業/2023年4月1日から適用
作業主任者特定化学物質及び四アルキル鉛等作業主任者技能講習の修了者から選任(特化則 第27条)。2024年1月1日からは、金属アーク溶接等作業主任者限定技能講習の修了者から「金属アーク溶接等作業主任者」を選任することもできる(同条第2項)屋内・屋外とも(2022年3月31日までは経過措置)
特殊健康診断雇入れ・配置換え時と、その後6か月以内ごとに1回(特化則 第39条〜第42条)。別途じん肺健康診断も必要常時従事する労働者
掃除作業を行う屋内作業場の床等を、粉じんが飛散しない方法で毎日1回以上(第38条の21第9項)屋内作業場

【注意】
屋内作業場の判定(建屋の側面の半分以上が壁などで覆われている場所など)や、測定・保護具の選び方には細かな基準があります。自社の作業場がどの措置の対象になるかは、厚生労働省のリーフレット・施行通達で確認し、判断に迷う場合は所轄の労働基準監督署に相談しましょう。作業主任者の教育については特化則作業主任者能力向上教育で解説しています。

▶ 粉じん作業特別教育も必要?

結論として、金属をアーク溶接する作業は粉じん作業(粉じん障害防止規則 別表第1第20号の2)ですが、粉じん作業特別教育が義務となる「特定粉じん作業」には含まれていません。一方で、第10次粉じん障害防止総合対策(2023〜2027年度)にもとづく労働局の資料では、アーク溶接作業について「特別教育に準じた教育」の実施が示されています。粉じん作業特別教育の対象は粉じん作業に係る特別教育をご覧ください。

■ アーク溶接特別教育の受け方・費用

▶ 社内で実施してもよい?

結論として、特別教育は事業者が行う教育なので、告示の科目・時間を満たせば社内で実施することもできます(安全衛生特別教育規程 第4条)。ただし、実技10時間以上の設備・時間の確保や、講師の手配、記録の作成まで自社で行う必要があります。人数や日程に合わせて外部の講習を利用する方法もあります。

▶ 当センターでの受講料と受講方法は?

当センターのアーク溶接等特別教育は、1名あたり10,000円〜(税込・教材費・修了証発行費込み)です。実技を伴うため、受講方法は対面の講習のみで、5名様以上で承ります(オンライン講習の対象外です)。出張講習(関東1都6県は5名様から、遠方は20名様以上が目安)のほか、人数に応じて会場での開催もご相談いただけます。関東1都6県の出張講習は交通費・宿泊費・出張基本費がかかりません。少人数の出張や遠方の場合は料金が上がる場合があります。

科目ごとの対応形式・実技の実施方法はお問い合わせください。人数・受講方法ごとの概算は料金シミュレーターで確認できます。

ステップ内容
① お問い合わせ電話・メール・フォームで、受講人数・作業内容・希望時期をお知らせください
② お見積もり受講方法と日程の案を添えてお見積もりをお送りします
③ お振込みお見積もり内容をご確認のうえ、お振込みください
④ 講習日確定講習日が確定します(人数変更は3日前まで、前日のキャンセルは原則不可)

■ よくある質問

▶ Q. アーク溶接特別教育は「資格」や「免許」ですか?

国家試験の免許や技能講習ではなく、事業者が労働者に行う特別教育です(労働安全衛生法 第59条第3項)。修了すると、アーク溶接等の業務に就くことができます。

▶ Q. 何時間受ければよいですか?

学科11時間以上・実技10時間以上の合計21時間以上です(安全衛生特別教育規程 第4条)。当センターでの日程の組み方はお問い合わせ時にご案内します。

▶ Q. 修了証に有効期限はありますか?

法令に有効期限の定めはありません。事業者には、特別教育の記録を3年間保存する義務があります(労働安全衛生規則 第38条)。

▶ Q. ガス溶接もこの特別教育で行えますか?

行えません。可燃性ガスと酸素を用いる金属の溶接・溶断・加熱の業務は就業制限業務で、ガス溶接技能講習の修了などが必要です(労働安全衛生法施行令 第20条第10号)。

▶ Q. 特別教育を受ければ溶接ヒューム対策も足りますか?

足りません。溶接ヒュームについては、特化則にもとづく呼吸用保護具の使用、特定化学物質作業主任者の選任、特殊健康診断などが別に必要です(特化則 第27条・第38条の21ほか)。

■ 溶接作業者を配置する前のチェックリスト

  • アーク溶接機で溶接・溶断等を行う人(応援・派遣・アルバイトを含む)を洗い出した
  • 対象者全員が学科11時間・実技10時間以上の特別教育を修了している
  • 科目を省略した人について、根拠となる経歴・受講歴を記録した
  • 特別教育の記録を3年間保存する方法を決めた
  • ガス溶接・溶断を行う人は、ガス溶接技能講習などを修了している
  • 有効な呼吸用保護具を支給し、屋内で継続して行う作業では測定・フィットテストを実施している
  • 特定化学物質作業主任者(または金属アーク溶接等作業主任者)を選任し、特殊健康診断の実施計画がある

■ まとめ

アーク溶接特別教育は、アーク溶接機を用いて金属の溶接・溶断等を行う業務に労働者を就かせるときに必要な特別教育で、学科11時間以上・実技10時間以上の合計21時間以上と定められています(労働安全衛生規則 第36条第3号、安全衛生特別教育規程 第4条)。行わずに就かせると、6か月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金の対象です。

あわせて、溶接ヒュームについては2021年4月から特化則の措置が適用されています。対象者の洗い出しと受講計画、保護具・作業主任者・健康診断の準備を一緒に進めておきましょう。製造業で必要な教育の全体像は製造業で必要な資格・特別教育一覧で確認できます。

■ 講習のお申込み・ご相談

アーク溶接等特別教育のお申込み・ご相談は、受講方法の案内ページまたは問い合わせページから受け付けています。お問い合わせ後、お見積もり・お振込みを経て講習日が確定します。メールでのご相談は contact@sanginoucenter.com でも承ります。

受講人数や日程が決まっていない段階でも、お見積もり・日程のご相談を承ります。
📞 042-497-8840 に電話して相談する(相談無料・年中無休・7:00〜21:00)
5名様以上の対面講習(出張または会場)として、日程と開催場所をご提案します。

■ 参考情報・公式リソース

サイト名概要リンク
e-Gov法令検索|労働安全衛生規則第36条第3号・第37条・第38条の条文公式サイト
e-Gov法令検索|労働安全衛生法第59条・第119条・第122条の条文公式サイト
厚生労働省|安全衛生特別教育規程第4条 アーク溶接等の業務に係る特別教育の科目・範囲・時間公式サイト
厚生労働省|塩基性酸化マンガン及び溶接ヒュームに係る規制の追加特化則等の改正(令和2年4月公布)の概要・省令・通達・Q&A公式サイト
厚生労働省|屋内作業場で継続して金属アーク溶接等作業を行う場合のリーフレット換気・測定・呼吸用保護具・フィットテスト・作業主任者・健康診断公式サイト
厚生労働省|屋外作業場等で金属アーク溶接等作業を行う場合のリーフレット屋外・毎回場所が変わる作業で必要な措置公式サイト
厚生労働省|特化則等の再改正の施行通達(基発0126第2号)フィットテストの適用を2023年4月1日とした改正公式サイト
厚生労働省|職場のあんぜんサイト安全衛生・労働災害の情報公式サイト
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