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安全標語・スローガン例文100選|業種別・季節別と作り方のコツ

安全標語・スローガン例文100選|業種別・季節別と作り方のコツ

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安全標語とは、職場の労働災害を防ぐために、働く人に取ってほしい行動や持ってほしい意識を、短く覚えやすい言葉にまとめたものです。朝礼での唱和や詰所・通路への掲示、安全大会での表彰などに使われ、厚生労働省と中央労働災害防止協会が主唱する全国安全週間の実施要綱でも、実施者が行う事項の一つに「標語の掲示」が挙げられています。

この記事では、そのまま掲示に使える安全標語・安全スローガンの例文を、テーマ別(墜落・挟まれ・熱中症・KY・整理整頓・声かけ・保護具・交通)、業種別(建設・製造・物流・林業・事務)、季節別に合計100例まとめました。例文はすべてこの記事のために書き下ろしたものです。あわせて、五七五の作り方のコツ、全国安全週間・全国労働衛生週間に合わせた掲示の段取り、社内で標語を募集するときの進め方も整理します。

ご不明点はよくある質問、個別のご相談は問い合わせページからどうぞ。

■ この記事でわかること

  • 安全標語・安全スローガンの意味と、使い分けの考え方
  • テーマ別・業種別・季節別の安全標語の例文(オリジナル100例)
  • 伝わる安全標語の作り方(五七五・行動を入れる・否定より行動)
  • 全国安全週間(7月)・全国労働衛生週間(10月)に合わせた掲示と活用の段取り
  • 社内で安全標語を募集・選考・表彰するときの進め方とFAQ

■ 安全標語の例文早見表(テーマ別に入れたい言葉)

標語を選ぶ・作るときは、まず「その職場で一番起きてほしくない災害」を決め、その災害を防ぐ具体的な動作を言葉に入れます。テーマごとに、標語に入れると伝わりやすい言葉を一覧にしました。

テーマ想定する場面標語に入れたい動作・言葉この記事の例文
墜落・転落足場・脚立・はしご・開口部フックを掛ける・手すりを確かめる・両手をあける6例
挟まれ・巻き込まれ機械の清掃・詰まり取り・車両の後退止める・電源を切る・札を掛ける6例
熱中症屋外作業・高温の屋内作業時間を決めて飲む・休憩を工程に入れる・日陰へ6例
KY(危険予知)作業前ミーティング危険を一つに絞る・指差す・その場でやる6例
整理整頓通路・作業台・倉庫置かない・戻す・拭く6例
声かけ合図・新人指導・交代時「いいですか」・引き継ぐ・ありがとう6例
保護具ヘルメット・保護めがね・マスク・安全靴あご紐を締める・目の前に・すき間を確かめる6例
交通(通勤・運転)通勤・社用車・構内走行余裕を持つ・止まって見る・降りて見る6例

業種別(建設・製造・物流・林業・事務)は業種別の安全標語、季節ごとの例文は季節別の安全標語にまとめています。

■ 安全標語・安全スローガンとは

安全標語と安全スローガンは、どちらも職場の安全を呼びかける短い言葉です。法令で文言や掲示方法が決められたものではなく、事業場ごとの自主的な安全活動の一つとして作られ、掲示・唱和されています。

▶ 安全標語と安全スローガンの違い

結論として、明確な使い分けの決まりはなく、ほぼ同じ意味で使われています。実務では、事業場全体の年間の方針を示す言葉を「安全スローガン」、現場の一つひとつの行動を呼びかける言葉を「安全標語」と分けておくと、掲示する場所や差し替えの時期を決めやすくなります。

区分この記事での整理掲示する場所の例差し替えの目安
安全スローガン年間の安全衛生方針・目標を一文で示す言葉事業場の入口・朝礼会場・安全衛生計画の表紙年度ごと
安全標語その作業・その場所で取ってほしい具体的な行動機械の横・足場の昇降口・通路・休憩所月ごと・季節ごと・作業が変わったとき

▶ 安全標語を掲示する目的

結論として、安全標語の目的は、作業の直前に「やるべき一つの動作」を思い出してもらうことです。標語は、教育や手順書で教えた内容のうち、慣れで抜けやすい動作を短い言葉で目に入れる、手順書の見出しの役割を持ちます。

一方で、標語を掲げるだけで災害が減るわけではありません。標語に書いた行動を、KY活動や手順書、作業前の点検とつなげて初めて効果が出ます。KY活動の進め方はKY活動(危険予知活動)の進め方、ヒヤリハットの集め方と事例はヒヤリハットの事例と報告の書き方で解説しています。

■ テーマ別の安全標語の例文(48例)

例文はすべてこの記事のオリジナルです。社内掲示・朝礼・安全大会に自由にお使いください。設備名・作業名に置き換えると、より伝わります。

▶ 墜落・転落防止の安全標語

結論として、墜落・転落の標語は「移る前」「降りる時」など動作のタイミングを入れると伝わります。高さ2m以上で作業床を設けることが困難な箇所でフルハーネス型墜落制止用器具を用いて行う作業は特別教育の対象です(労働安全衛生規則 第36条第41号)。

標語込めた行動・使いどころ
「フック掛け 確かめてから 一歩出る」移動の前にフックが掛かっているかを目と手で確認する
「掛け替えは 一本残して もう一本」2本のランヤードを交互に掛け替え、外れている時間をつくらない
「開口部 ふたと手すりで 先回り」開口部は作業を始める前に塞ぐ・囲う
「脚立では 天板乗らず 正面向き」脚立の天板に乗らず、脚立に正対して昇降する
「はしごでは 荷物は持たずに 両手あけ」荷物は荷揚げロープや運搬具を使い、昇降中は両手でつかまる
「降りる時 最後の一段 見て踏んで」「あと一段」の踏み外しを防ぐ。トラックの荷台や階段にも使える

フルハーネスの使い方や特別教育の内容はフルハーネス型墜落制止用器具特別教育で解説しています。

▶ 挟まれ・巻き込まれ防止の安全標語

結論として、挟まれ・巻き込まれの標語は「止める・切る・札を掛ける」の順番を言葉にするのが基本です。

標語込めた行動・使いどころ
「詰まり取り 電源切って 札掛けて」詰まり取り・清掃の前に電源を切り、「操作禁止」の札を掛ける
「止めてから 手を出す約束 例外なし」「急ぎだから」「少しだから」を例外にしない
「「ちょっとだけ」 止めずに出す手が はさまれる」慣れた作業者ほど危ない「ちょっとだけ」を言い当てる
「回る軸 袖と手袋 近づけず」回転部に袖口・手袋・タオルを近づけない
「点検中 スイッチ前に 人と札」点検中に他の人が誤って起動しないよう、操作盤に人と札を置く
「バックする 車と壁の 間に立たず」後退する車両と壁・荷の間に入らない。誘導は車両の側方から

▶ 熱中症予防の安全標語

結論として、熱中症の標語は「のどが渇く前に」「時間を決めて」など、自覚症状に頼らない行動を入れます。2025年6月1日から、熱中症を生ずるおそれのある作業(WBGT28度以上または気温31度以上の環境で、連続1時間以上または1日4時間を超えて行われることが見込まれる作業)について、報告体制と、症状の悪化を防ぐ措置の内容・手順をあらかじめ定めて周知することが事業者の義務になりました(労働安全衛生規則 第612条の2)。

標語込めた行動・使いどころ
「のどよりも 先に時計で 水を飲む」のどの渇きを待たず、時間を決めて水分・塩分をとる
「暑さ指数 朝に見てから 段取りを」その日のWBGT(暑さ指数)を確認してから作業と休憩の計画を立てる
「様子が変 気づいた人が すぐ日陰」「いつもと違う」に気づいたら、本人の申告を待たずに涼しい場所へ
「一人きり させない暑さの 昼下がり」暑い時間帯の単独作業を避け、互いに様子を見られる配置にする
「休憩も 工程表に 書いておく」休憩を「空いたら取るもの」でなく、計画に入れておく
「寝不足と 朝食抜きは 暑さの味方」前日からの体調管理を呼びかける。朝礼の声かけにも使える

熱中症の報告体制・教育の内容は熱中症予防安全衛生教育で解説しています。

▶ KY(危険予知)の安全標語

結論として、KYの標語は「書いて終わり」にしないための言葉を選びます。危険を一つに絞る、指差して声に出す、作業が変わったらやり直す、の3点が入れやすい要素です。

標語込めた行動・使いどころ
「今日の危険 ひとつに絞って 指差して」危険を並べるだけでなく、その日の重点を一つ決めて指差し確認する
「KYで 話した対策 その場でやる」対策を話し合ったら、作業前にその場で実行する
「手順が変われば KYも やり直し」午後の段取り替え・作業場所の変更時にKYをやり直す
「書くだけの KYよりも 言うKY」KYシートの記入より、全員が声に出す時間を大切にする
「新人の 気づきもひとつ KYに」経験の浅い人の「これは危なくないですか」を拾う
「ヒヤリした 昨日の話を 今朝のKY」前日のヒヤリハットをその日のKYの題材にする

▶ 整理整頓(5S)の安全標語

結論として、整理整頓の標語は「置かない・戻す・拭く」のように、誰が見ても同じ動作になる言葉を使います。

標語込めた行動・使いどころ
「通路には 置かない・出さない・はみ出さない」通路・白線の内側に物を置かない
「使ったら 戻すところまで 作業です」工具・台車を元の場所に戻すまでを一つの作業にする
「床の線 越えて置いたら つまずく元」区画線をはみ出した仮置きが、つまずき・接触の原因になる
「片付けは 明日の段取り 一つ目」終業時の片付けを、翌日の作業準備として位置づける
「探す時間 なくせば減らせる 急ぎ足」整頓で探し物を減らし、急ぎによる事故を減らす
「こぼれ油 見つけた人が 拭く決まり」油・水のこぼれは、見つけた人がすぐ拭くか表示する

▶ 声かけ・コミュニケーションの安全標語

結論として、声かけの標語は、実際に口にしてほしい一言をそのまま入れると使われやすくなります。

標語込めた行動・使いどころ
「動かす前 「いいですか」の 一声を」機械の起動・つり荷の移動・車両の発進の前に周囲に声をかける
「新人に 「わかった?」よりも 「やってみて」」説明の後は、本人にやってもらって理解を確かめる
「気づいたら 先輩後輩 関係なし」危ないと思ったら、立場に関係なく声をかける
「指摘には まず「ありがとう」 次に直す」注意を受けた側の受け止め方を言葉にし、言いやすい職場にする
「合図者を 一人に決めて 声そろえ」クレーン作業などで合図する人を一人に決め、合図を統一する
「交代時 危ない所も 引き継いで」交代・引継ぎのときに、作業内容だけでなく注意箇所も伝える

▶ 保護具着用の安全標語

結論として、保護具の標語は「着ける」だけでなく「正しく着ける」動作まで入れます。着けていても効かない状態を言い当てるのがコツです。

標語込めた行動・使いどころ
「あご紐を 締めてはじめて ヘルメット」あご紐を締めていないヘルメットは、転倒・墜落時に脱げる
「保護めがね 額じゃなくて 目の前に」おでこに上げた保護めがねは目を守らない
「耳栓も 今日の装備の ひとつです」騒音のある作業場では耳栓・イヤーマフも装備に含める
「すき間ない? マスクをつけたら 手で確認」防じん・防毒マスクを着けたら、顔との密着を確かめる
「安全靴 かかと踏まずに ひもを締め」かかとを踏んだ安全靴は、つまずき・踏み抜きの原因になる
「つける前 ひび・傷・汚れ 見ておこう」保護具は使用前に点検し、傷んだものは交換する

保護具の選定や管理の進め方は保護具着用管理責任者教育で解説しています。

▶ 交通安全(通勤・社用車・構内)の安全標語

結論として、職場の交通安全標語は、通勤・社用車・構内走行のどれを対象にするかを決めて作ります。急ぎ・疲れ・ながら運転の3つが入れやすいテーマです。

標語込めた行動・使いどころ
「出る前の 五分の余裕が ブレーキに」出発時刻に余裕を持ち、急ぎの運転を防ぐ
「交差点 止まって見てから もう一度」一時停止後にもう一度左右を確認する
「スマホ置き ハンドル握る 帰り道」運転中は携帯電話を操作しない
「疲れた日の 帰り道こそ ゆっくりと」残業・夜勤明けの帰宅運転に注意を呼びかける
「構内は 人が先です 徐行です」工場・倉庫の構内では歩行者を優先し、速度を落とす
「バックの前 降りて見るのが 一番早い」後退前に車を降りて後方を確認する

標語づくりとあわせて、職場の安全衛生教育の進め方に悩んだら、お電話でご相談ください。
📞 042-497-8840 に電話して相談する(相談無料・年中無休・7:00〜21:00)
作業内容をうかがい、必要な教育と受講方法をご案内します。

■ 業種別の安全標語の例文(30例)

業種ごとに起きやすい災害は異なります。自社の業種の例文に設備名・作業名を入れて書き換えてください。

▶ 建設業の安全標語

結論として、建設業の標語は、足場・重機・つり荷・掘削など「その日の作業」と結びつく言葉を入れると朝礼で使いやすくなります。

標語込めた行動・使いどころ
「朝一番 足場の手すり 手で確かめ」始業前に足場の手すり・幅木の外れを点検する
「旋回の 範囲に入らず 合図待つ」重機の旋回範囲に立ち入らず、合図者の指示を待つ
「つり荷の下 くぐらず回る ひと手間を」つり荷の下に入らず、遠回りでも外側を通る
「掘った穴 のり面見てから 中に入る」掘削箇所に入る前に、のり面の亀裂・湧水を確認する
「元請も 協力会社も 同じ朝礼」混在作業の現場で、危険情報を全員で共有する
「片付けて 鍵を掛けたら 今日の完了」終業時の片付け・重機のキー管理までを作業に含める

建設現場で必要な特別教育の一覧は建設業で必要な特別教育にまとめています。

▶ 製造業の安全標語

結論として、製造業の標語は、機械の停止・安全装置・段取り替えなど、慣れによって省略されやすい手順を言葉にします。

標語込めた行動・使いどころ
「止めて切り 札を掛けたら 修理する」修理・清掃の前の停止・電源遮断・表示の順番を守る
「音が違う そう思ったら まず止める」異音・異臭・振動に気づいたら、まず機械を止めて報告する
「慣れた手順 慣れた頃こそ 見直して」作業に慣れた時期ほど、手順書と実際の作業を照らし合わせる
「安全カバー 外したままで 動かさない」点検で外したカバー・安全装置を戻してから起動する
「刃物には 手を近づけず 治具使う」刃物・プレスの危険域に手を入れず、治具や押し棒を使う
「段取り替え 試運転まで 声かけて」段取り替え後の試運転は、周囲に声をかけてから行う

▶ 物流業(運送・倉庫)の安全標語

結論として、物流業の標語は、荷台からの転落、フォークリフトとの接触、荷崩れの3つを軸にすると、ドライバーと倉庫作業者の両方に届きます。

標語込めた行動・使いどころ
「降りる時 フォークは下げて キーを抜く」運転席を離れるときはフォークを最も低い位置に下げ、キーを抜く
「荷台から 飛び降りないで 三点支持」荷台の昇降は手すり・ステップを使い、両手両足のうち3点で体を支える
「積む前に 崩れる向きを 考える」積み付けの前に、荷が崩れる方向と人の位置を確認する
「死角あり いると思って 一旦停止」棚の角・出入口では人がいる前提で一時停止する
「昇降板 動かす前に 足元見て」テールゲートリフターを操作する前に、足やかかとの位置を確かめる
「急ぐ日ほど 荷締めの確認 手を抜かず」出発前のラッシングベルト・ラップ巻きの確認を省かない

フォークリフトの運転に必要な資格はフォークリフトの運転業務特別教育で解説しています。

▶ 林業の安全標語

結論として、林業の標語は、伐倒前の退避、かかり木の処理、チェーンソーのキックバックなど、一瞬の判断が重大災害につながる場面を選びます。

標語込めた行動・使いどころ
「倒す前 逃げ道ふたつ 先に刈る」伐倒の前に退避する方向を決め、足元のやぶを払っておく
「かかり木は 一人で抱えず 道具と声」かかり木は一人で無理に処理せず、道具と応援を使う
「キックバック バーの先端 当てないで」ガイドバーの先端上部を木や枝に当てない
「伐倒の 合図は大きく 返事を待つ」周囲の作業者の返事を確かめてから伐倒する
「斜面では 下にいないか 声で確かめ」斜面の下方に人がいないことを声で確認する
「蜂・マダニ 山の危険も 朝礼で」虫刺され・マダニなど林内の危険も朝礼で共有する

チェーンソー作業の特別教育はチェーンソーによる伐木等特別教育で解説しています。

▶ 事務・サービス業の安全標語

結論として、事務所や店舗の標語は、転倒・腰痛・つまずきなど身近な災害を題材にします。

標語込めた行動・使いどころ
「床を這う コードはまとめて カバー掛け」通路を横切る配線をまとめ、カバーで覆う
「濡れた床 「走るな」よりも すぐ拭こう」雨の日の入口・バックヤードの水濡れをすぐ拭く
「段ボール 腰を落として 膝で持つ」荷物は膝を曲げて体に近づけて持ち上げる
「キャスター椅子 乗れば一瞬 転ぶ台」高い所の物を取るときは、椅子でなく踏み台を使う
「引き出しは 開けたら閉める すぐ閉める」開いたままの引き出し・扉へのつまずき・衝突を防ぐ
「画面から ときどき離れて 目と肩を」パソコン作業の合間に目と肩を休める

■ 季節別の安全標語の例文(12例)

季節によって増える災害に合わせて標語を差し替えると、掲示物が「見慣れた風景」になるのを防げます。

季節増えやすい場面標語の例(オリジナル)
春(4〜5月)新人・異動者の配置、強風「新しい 仲間にはまず 危ない所」
「異動した その日の作業は 初めて扱い」
「春の風 シートと資材を 縛り直す」
夏(6〜9月)熱中症、雷、汗での保護具の外し「梅雨明けは 暑さに慣れるまで 軽めから」
「雷鳴は 高所作業の 中止合図」
「汗かいた 日ほど保護具を 外さない」
秋(10〜11月)日没の早まり、台風、落ち葉での転倒「日が短い 点灯早めに 帰り道」
「台風前 足場と資材を 見て回る」
「落ち葉道 山も構内も 足元を」
冬(12〜2月)凍結での転倒、暖房器具の換気、年末の急ぎ「凍る朝 鉄板・階段 一歩ずつ」
「締め切った 部屋のヒーター 換気して」
「年末の 急ぎ仕事も 手順どおり」

夏の標語は、暑熱順化(体が暑さに慣れること)ができていない梅雨明け直後や休み明けに掲示すると効果的です。冬は、締め切った室内やテント内で燃焼式の暖房器具・発電機を使う場面で、一酸化炭素中毒への注意も呼びかけてください。

■ 面白い・印象に残る安全標語の例文(4例)

結論として、「面白い」標語は、ふざけるのではなく、思わず自分のことだと気づく言い回しにすると現場に残ります。災害の被害者を笑いの対象にしない、特定の人や国籍・年齢をからかわない、の2点は必ず守ってください。

標語込めた行動・使いどころ
「近道を 選んだ日ほど 遠回り」近道・省略が、結果としてケガや手戻りにつながる
「「たぶん大丈夫」 その「たぶん」が 一番危ない」確認しないまま進める判断を言い当てる
「ヘルメット 髪型よりも あご紐を」あご紐を緩めがちな心理を軽い言い回しで突く
「事故はいつも 「まさか」の顔して やってくる」「自分は大丈夫」という思い込みに気づかせる

■ 年間の安全スローガンの例文(6例)

年度の安全衛生計画や安全大会で掲げる「安全スローガン」は、具体的な動作よりも、職場全体で目指す姿を示す言葉にします。重点目標(例:墜落災害ゼロ、熱中症ゼロ)と組み合わせて掲げると、各職場の標語とのつながりがわかりやすくなります。

標語込めた行動・使いどころ
「決めたことを 決めたとおりに 全員で」手順・ルールの遵守を年間の柱にする年に
「気づく・言う・直す 三つがそろう 強い現場」ヒヤリハット報告と改善を重点にする年に
「昨日より ひとつ安全 積み重ね」小さな改善の継続を呼びかける
「ベテランの 技と新人の 気づきを安全に」世代の違う作業者が混在する職場に
「繁忙期 削っていいのは 手順以外」納期が厳しい時期・繁忙期の重点に
「「いってきます」の 顔のまま 「ただいま」を」通勤災害・健康管理を含めた全体の目標に

■ 伝わる安全標語の作り方のコツ

良い安全標語は、読んだ人が次の行動を一つ思い浮かべられる言葉です。作るとき・選ぶときは次の5つを確認してください。

▶ 五七五のリズムで作る

結論として、五七五(または七五調)にすると、朝礼で唱和しやすく覚えやすくなります。ただし字数合わせのために意味がぼやけるなら、字余りでも行動がはっきりした言葉を優先してください。

▶ 具体的な行動を一つだけ入れる

結論として、一つの標語に入れる行動は一つに絞ります。「確認・点検・整理整頓・声かけ」を全部入れると、どれも記憶に残りません。標語の題材は、その職場のヒヤリハットや災害事例から選ぶと、現場の実感に合った言葉になります。

▶ 「するな」より「こうする」で書く

結論として、禁止だけを書くより、代わりに取ってほしい行動を書くほうが現場で実行されます。「走るな」より「すぐ拭く」、「無理するな」より「休憩を工程に入れる」のように、言い換えを考えます。

▶ 場面とタイミングを入れる

結論として、「移る前」「降りる時」「動かす前」のようにタイミングを入れると、その瞬間に思い出されやすくなります。

▶ 作ったら声に出して確かめる

結論として、完成した標語は朝礼で一度読み上げて、言いにくくないか、意味を取り違えないかを確かめます。外国人労働者や新人が多い職場では、難しい漢字を避ける、ふりがなを付けるなどの配慮も有効です。

次の表は、ありがちな標語を、この5つのコツで書き直した例です。

よくある書き方書き直した例直したポイント
「安全第一 みんなで守ろう ルールと命」「止めてから 手を出す約束 例外なし」守るルールを一つの動作に絞った
「油断するな 気を引き締めて 作業せよ」「フック掛け 確かめてから 一歩出る」心構えでなく、確かめる動作とタイミングを入れた
「走るな 慌てるな 急ぐな」「濡れた床 『走るな』よりも すぐ拭こう」禁止の代わりに取ってほしい行動を書いた
「熱中症に 気をつけよう」「のどよりも 先に時計で 水を飲む」「気をつける」の中身を具体的にした

【注意】
他社のポスターや過去の入賞作品の標語を、そのまま、または一部だけ変えて社内募集に応募するケースがあります。短い標語にも作者がいるため、社内募集では「自作・未発表のものに限る」と募集要項に書き、審査の段階でインターネット検索により同じ文言がないか確かめておくと安心です。

■ 全国安全週間・全国労働衛生週間と安全標語

安全標語を掲示・募集するタイミングとして多いのが、毎年7月の全国安全週間と10月の全国労働衛生週間です。どちらも厚生労働省と中央労働災害防止協会が主唱し、建設業労働災害防止協会、陸上貨物運送事業労働災害防止協会、港湾貨物運送事業労働災害防止協会、林業・木材製造業労働災害防止協会が協賛しています(令和8年度の各実施要綱)。

行事本週間準備期間実施要綱に挙げられた掲示に関する事項
全国安全週間7月1日〜7日6月1日〜30日安全旗の掲揚、標語の掲示、講演会等の開催、安全関係資料の配布等
全国労働衛生週間10月1日〜7日9月1日〜30日労働衛生旗の掲揚及びスローガン等の掲示/作文・写真・標語等の掲示

▶ 令和8年度(2026年度)の全国スローガン

結論として、令和8年度の全国安全週間のスローガンは「多様な人材 全員参加 みんなで育てる安全職場」です(厚生労働省「令和8年度『全国安全週間』を7月に実施」)。全国安全週間は昭和3年に始まり、令和8年度で第99回です。

令和8年度の全国労働衛生週間のスローガンは「ひとりひとりが貴重な人材 心も体も健やかに みんな生き生き健康職場」です(厚生労働省「令和8年度『全国労働衛生週間』を10月に実施」)。今回で第77回となります。

令和8年度の全国スローガンは、いずれも厚生労働省が一般から募集した作品をもとに決められました。全国スローガンを事業場の入口に、自社の標語を各作業場所に、と役割を分けて掲示すると、全国の重点と自社の重点の両方を伝えられます。

▶ 掲示と差し替えの年間スケジュール

結論として、全国の週間に合わせて自社の標語を差し替えるなら、準備期間の前月に社内募集を始めると間に合います。次の年間スケジュールを目安にしてください。

時期やること
4月新年度の安全スローガンを掲示。新人・異動者向けの標語を職場に追加
5月全国安全週間に向けた社内標語の募集を開始
6月(準備期間)選考・表彰。入賞作を掲示し、職場巡視・設備点検を実施
7月1日〜7日全国安全週間。朝礼で入賞標語を唱和、安全大会・講習会を開催
8月全国労働衛生週間に向けた健康・衛生テーマの標語を募集
9月(準備期間)選考・掲示。健康診断結果の確認、作業環境の点検
10月1日〜7日全国労働衛生週間。衛生テーマの標語・スローガンを掲示
12月〜1月年末の繁忙期・冬季の標語に差し替え。年間の振り返り

職場の労働衛生(健康管理・メンタルヘルス)を教育で補いたい場合はメンタルヘルス安全衛生教育もあわせてご覧ください。

■ 安全標語の掲示・活用の仕方

掲げる場所と使う場面を決めておくと、貼ったまま忘れられることを防げます。

▶ 掲示する場所の選び方

結論として、標語は「その行動が必要な場所の、目の高さ」に掲示します。墜落の標語は足場の昇降口、挟まれの標語は機械の操作盤の横、交通の標語は駐車場の出口、というように、場所と標語の内容を合わせてください。

  • 事業場の入口・朝礼会場:年間スローガン、全国週間のスローガン
  • 作業場所(昇降口・操作盤・通路の分岐):その場所の行動に合わせた標語
  • 休憩所・更衣室:熱中症・健康管理・交通安全の標語
  • 社用車・フォークリフトの近く:運転・構内走行の標語

▶ 朝礼・安全大会での使い方

結論として、標語は掲示するだけでなく、朝礼で唱和し、その日の作業と結びつけて一言説明すると定着します。たとえば「今日は開口部の近くで作業するので、『開口部 ふたと手すりで 先回り』を意識しましょう」と、標語とその日の作業をつなげます。

安全大会では、入賞作の表彰とあわせて、作者に標語に込めた場面を話してもらうと、他の作業者にも具体的な場面が伝わります。職長・安全衛生推進者が標語を使って指導する方法は、安全衛生推進者能力向上教育の内容とも重なります。

▶ 外国人労働者・新人にも伝わる工夫

結論として、外国人労働者や新人が多い職場では、ふりがな・やさしい日本語・イラストを添えると標語が伝わりやすくなります。標語の内容は、雇入れ時の教育で教えた手順と同じ言葉を使うと理解が深まります。雇入れ時の教育の内容は雇入れ時安全衛生教育で解説しています。

■ 社内で安全標語を募集する進め方

社内募集は、作業者が自分の職場の危険を考えるきっかけになります。応募数より、応募作から現場の危険を拾うことを目的にしてください。

▶ 募集から表彰までの手順

結論として、社内募集は「テーマを決める→募集→選考→表彰・掲示→振り返り」の5段階で進めます。

段階やること担当者が決めておくこと
① テーマを決める直近の災害・ヒヤリハットから重点テーマを1〜2個選ぶテーマ、対象者(協力会社・派遣労働者を含めるか)
② 募集募集要項を掲示・配布し、応募箱・フォームを用意締切、1人あたりの応募数、自作・未発表に限ること
③ 選考安全衛生委員会・職長などで選考審査基準、審査する人、同じ文言がないかの確認
④ 表彰・掲示安全週間・安全大会で表彰し、職場に掲示賞の種類、掲示場所、社内報などへの掲載
⑤ 振り返り応募作に書かれた危険を、対策や手順書の見直しにつなげる改善の担当者、次回のテーマ

▶ 審査基準の例

結論として、審査基準は「行動がわかる・自社の職場に合う・覚えやすい」の3つを軸にすると、選考がぶれにくくなります。

審査の観点見るポイント
行動がわかる読んだ人が、次に取る行動を一つ思い浮かべられるか
自社の職場に合う自社の設備・作業・起きている災害と結びついているか
覚えやすい唱和しやすいリズムか、言いにくい言葉がないか
前向きな表現禁止や脅しだけでなく、取るべき行動を示しているか
オリジナル既存の標語・入賞作と同じ文言や、ほぼ同じ言い回しでないか

▶ 募集要項に書いておくことのチェックリスト

結論として、募集要項にはテーマ・締切・応募資格・応募作の扱いの4点を必ず書きます。後から迷いやすい点を、次のチェックリストで確認してください。

  • テーマ(例:墜落・転落防止、熱中症予防)と、テーマ外の応募を受け付けるか
  • 応募資格(正社員だけか、パート・派遣労働者・協力会社の作業者も含めるか)
  • 締切と応募方法(応募箱・メール・フォーム)、1人あたりの応募数
  • 自作・未発表の作品に限ること
  • 入賞作の掲示・社内報・ポスター・ホームページへの掲載に使うこと
  • 審査する人・発表日・賞の内容

■ 安全標語に関するよくある質問

▶ Q. 安全標語の掲示は法律で義務づけられていますか

A. 安全標語の掲示そのものを義務づける法令の規定はなく、各事業場が自主的に行う安全活動です。全国安全週間・全国労働衛生週間の実施要綱には、実施者(各事業場等)が行う事項として標語・スローガンの掲示が挙げられていますが、これは主唱者(厚生労働省・中央労働災害防止協会)が示す取組の内容で、法令上の義務とは異なります。なお、作業主任者の氏名と行わせる事項の周知(労働安全衛生規則 第18条)のように、法令で掲示等による周知が求められる事項は別にあります。

▶ Q. 他社や全国の入賞作品の標語をそのまま使ってもよいですか

A. 全国スローガンを掲示する場合は、「令和8年度全国安全週間スローガン」のように出典を添えると、自社で作った標語と区別できます。社内募集では、他の作品をそのまま応募することを防ぐため、募集要項で自作・未発表に限ると定めておきます。

▶ Q. 安全標語は五七五でないといけませんか

A. 五七五でなくてもかまいません。五七五は唱和しやすく覚えやすいので多く使われますが、伝えたい行動がはっきりしていることのほうが大切です。

▶ Q. 標語はどのくらいの頻度で差し替えればよいですか

A. 年間スローガンは年度ごと、作業場所の標語は月ごと・季節ごと・作業内容が変わったときを目安に差し替えます。

▶ Q. 交通安全の標語を職場の安全活動に入れてもよいですか

A. 入れてかまいません。通勤中の事故は通勤災害として労災保険の給付対象になる場合があり(労働者災害補償保険法 第7条第1項第3号)、社用車での業務中の事故は労働災害になり得ます。車を使う人が多い職場では、交通安全を重点テーマの一つにしてください。

▶ Q. 標語を掲示しても現場の行動が変わりません

A. 標語を、KY活動・ヒヤリハット報告・手順書の見直しとつなげてください。朝礼でその日の作業と標語を結びつけて話す、標語に書いた行動を職場巡視で確認する、といった運用で定着しやすくなります。危険の洗い出しを仕組みにしたい場合はリスクアセスメント担当者研修も参考になります。

■ まとめ

安全標語とは、職場の労働災害を防ぐために取ってほしい行動を、短く覚えやすい言葉にまとめたものです。伝わる標語にするには、五七五のリズムで、具体的な行動を一つ、禁止より「こうする」の形で、場面とタイミングを入れて書きます。この記事の100例はすべてオリジナルなので、自社の設備名・作業名に置き換えてお使いください。

掲示の時期は、全国安全週間(7月1日〜7日、準備期間6月)と全国労働衛生週間(10月1日〜7日、準備期間9月)に合わせると、社内募集・表彰・唱和を年間の行事として回しやすくなります。標語は、KY活動やヒヤリハット報告と組み合わせて、現場の行動につなげてください。

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■ 参考情報・公式リソース

サイト名概要リンク
厚生労働省|令和8年度「全国安全週間」を7月に実施令和8年度のスローガン、期間(7月1日〜7日、準備期間6月)公式サイト
厚生労働省|令和8年度「全国労働衛生週間」を10月に実施令和8年度のスローガン、期間(10月1日〜7日、準備期間9月)公式サイト
静岡労働局|令和8年度全国安全週間実施要綱主唱者・協賛者、実施者が実施する事項公式サイト
徳島労働局|令和8年度全国労働衛生週間実施要綱主唱者・協賛者、実施者が実施する事項公式サイト
厚生労働省|令和8年度全国安全週間のスローガンを募集しますスローガン募集の要項、過去のスローガン公式サイト
厚生労働省|職場のあんぜんサイト労働災害事例・安全衛生情報公式サイト
中央労働災害防止協会(中災防)全国安全週間・全国労働衛生週間の主唱団体公式サイト
e-Gov法令検索|労働安全衛生規則第36条第41号(フルハーネス特別教育)、第612条の2(熱中症)公式サイト
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