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特殊伐採に必要な資格|チェーンソー・高所作業車・ロープ・クレーンの早見表

特殊伐採に必要な資格|チェーンソー・高所作業車・ロープ・クレーンの早見表

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特殊伐採とは、住宅の庭や電線の近く、建物に囲まれた場所など、木をそのまま倒せない場所で、木に登ったり高所作業車やクレーンを使ったりして上から少しずつ切り下ろす伐採のことです。法令上の用語ではないため、「特殊伐採の資格」という国家資格はありません。必要な資格は、使う道具・機械ごとに決まります。

この記事では、チェーンソー・高所作業車・ロープ・フルハーネス・クレーン・玉掛けなど、特殊伐採で必要になる特別教育・技能講習・免許を早見表にまとめ、伐木作業の安全ルール(労働安全衛生規則 第477条〜第485条)も整理しました。法令の条文は2026年11月4日にe-Gov法令検索で確認しています。

よくあるご質問はよくある問い合わせ、個別のご相談はお問い合わせページからどうぞ。

■ この記事でわかること

  • 特殊伐採に「専用の国家資格」がない理由と、資格の決まり方
  • チェーンソー・高所作業車・ロープ・フルハーネス・クレーン・玉掛けの資格早見表
  • 木に登る作業とロープ高所作業特別教育の関係(判断のしかた)
  • 伐木作業の安全ルール(受け口・かかり木・合図・立入禁止・保護衣)
  • 資格がないまま作業させたときの罰則と、会社としての準備

■ 特殊伐採に必要な資格の早見表

使う道具・作業必要な資格・教育根拠時間
チェーンソーで伐木・かかり木の処理・造材伐木等の業務に係る特別教育安衛則 第36条第8号学科9時間・実技9時間(計18時間以上)
高所作業車(作業床10m未満)高所作業車運転特別教育安衛則 第36条第10号の5学科6時間・実技3時間(計9時間以上)
高所作業車(作業床10m以上)高所作業車運転技能講習安衛法施行令 第20条第15号登録教習機関の講習
ロープで身体を保持して行う高所作業ロープ高所作業特別教育(該当する場合)安衛則 第36条第40号学科4時間・実技3時間(計7時間以上)
高さ2m以上・作業床なしでフルハーネスを使う作業フルハーネス型墜落制止用器具の特別教育安衛則 第36条第41号学科4.5時間・実技1.5時間(計6時間以上)
移動式クレーン(つり上げ荷重1t未満)移動式クレーン運転特別教育安衛則 第36条第16号学科9時間・実技4時間(計13時間以上)
移動式クレーン(1t以上5t未満)小型移動式クレーン運転技能講習(または免許)安衛法施行令 第20条第7号、クレーン則 第68条学科13時間・実技7時間(計20時間)
移動式クレーン(5t以上)移動式クレーン運転士免許同上—
玉掛け(つり上げ荷重1t未満)玉掛け特別教育安衛則 第36条第19号学科5時間・実技4時間(計9時間以上)
玉掛け(つり上げ荷重1t以上)玉掛け技能講習安衛法施行令 第20条第16号学科12時間・実技7時間(計19時間)

時間は保有資格などで一部省略できる場合があります。それぞれの詳しい内容は、表の下の各章と関連記事で解説しています。

■ 特殊伐採とは?資格が「道具ごと」に決まる理由

結論として、労働安全衛生法は「特殊伐採」という作業名ではなく、チェーンソーの使用、高所作業車の運転、クレーンの運転、玉掛けといった業務ごとに特別教育・技能講習・免許を定めています。そのため、同じ特殊伐採でも、木に登るのか、高所作業車を使うのか、クレーンで吊り下ろすのかで必要な資格が変わります。

現場で使う道具と機械を書き出し、上の早見表で1つずつ確認するのが確実です。林業・造園業の資格全体は林業・造園業の資格・特別教育一覧にまとめています。

■ チェーンソー:伐木等の特別教育(18時間)

結論として、チェーンソーを使って立木の伐木、かかり木の処理、造材を行う業務に就かせるときは、事業者が特別教育を行わなければなりません(労働安全衛生法 第59条第3項、労働安全衛生規則 第36条第8号)。林業に限らず、造園業・建設業など、伐木作業を行うすべての業種が対象です。

以前は木の太さ(胸高直径70cm以上かどうか)などで教育が分かれていましたが、2019年(平成31年)2月12日公布の改正で統合され、2020年(令和2年)8月1日からは太さに関係なく学科9時間・実技9時間(計18時間以上)の教育になりました。科目の詳細と改正前に受講した人の扱いはチェーンソー特別教育とは|18時間の内容・費用をご覧ください。

■ 高所作業車:10m未満は特別教育、10m以上は技能講習

結論として、高所作業車の運転(道路上の走行を除く)は、作業床の高さで必要な資格が分かれます。10m未満は特別教育(労働安全衛生規則 第36条第10号の5)、10m以上は技能講習の修了が必要です(労働安全衛生法施行令 第20条第15号)。

また、作業床が垂直にしか昇降しない構造のものを除き、作業床の上の労働者には要求性能墜落制止用器具等を使わせなければなりません(同規則 第194条の22)。厚生労働省の質疑応答集では、高所作業車のバスケット内の作業は原則として作業床上の作業とされ、フルハーネス特別教育は原則不要とされています。ただし、高さ6.75mを超える箇所ではフルハーネス型の墜落制止用器具を使う義務があります(同質疑応答集)。詳しくは高所作業車の資格|10m未満・10m以上の違いと取り方で解説しています。

■ 木に登る作業:ロープ高所作業・フルハーネスの特別教育

▶ ロープ高所作業特別教育(第36条第40号)

結論として、ロープ高所作業とは、高さ2m以上で作業床を設けることが困難な場所で、上方の支持物にロープを緊結してつり下げた昇降器具を使い、その昇降器具で身体を保持しながら行う作業(40度未満の斜面での作業を除く)です(労働安全衛生規則 第36条第40号)。施行通達や厚生労働省のページでは、ビルの外装清掃やのり面保護工事などが例に挙げられています。

【注意】
樹上での伐採(ツリークライミングなど)がロープ高所作業に当たるかどうかは、当センターが確認した範囲の通達・厚生労働省の資料では示されていません。ロープのかけ方や身体の保持のしかたで判断が分かれるため、作業方法を決めたら、事前に所轄の労働基準監督署に確認してください。ロープ高所作業に当たる場合は、特別教育のほか、ライフラインの設置(労働安全衛生規則 第539条の2)、作業場所の調査と記録(第539条の4)、作業計画(第539条の5)、作業指揮者(第539条の6)、作業開始前の点検(第539条の9)なども必要です。

▶ フルハーネス型墜落制止用器具の特別教育(第36条第41号)

結論として、高さ2m以上で作業床を設けることが困難な場所で、フルハーネス型の墜落制止用器具を使って作業させるときは、特別教育(学科4.5時間・実技1.5時間の計6時間以上)が必要です(労働安全衛生規則 第36条第41号。ロープ高所作業に当たる業務は第40号の教育が対象)。木に登って作業する場合は、作業床を設けられないことが多く、対象になるかを必ず確認してください。詳しくはフルハーネス特別教育|対象・6時間・費用とロープ高所作業特別教育|7時間の科目・対象で解説しています。

■ クレーンで吊り下ろす:移動式クレーンと玉掛け

結論として、切った幹や枝をクレーンで吊り下ろす場合は、クレーンを運転する人と荷を掛け外しする人(玉掛け)の両方に資格が必要です。運転は、つり上げ荷重1t未満が特別教育(労働安全衛生規則 第36条第16号)、1t以上5t未満が小型移動式クレーン運転技能講習(または免許)、5t以上が移動式クレーン運転士免許です(労働安全衛生法施行令 第20条第7号、クレーン等安全規則 第68条)。

玉掛けは、つり上げ荷重1t未満のクレーン等なら特別教育(同規則 第36条第19号)、1t以上なら技能講習の修了が必要です(同令 第20条第16号)。資格はつる荷の重さではなく、クレーンの「つり上げ荷重」で決まる点に注意してください。詳しくは小型移動式クレーン技能講習と1t未満特別教育の違い、玉掛け特別教育と技能講習の違いをご覧ください。

■ 伐木作業の安全ルール(安衛則 第477条〜第485条)

結論として、資格のほかに、伐木作業では次のルールを守る必要があります。2019年の改正(2019年8月1日施行)で強化された内容も含みます。

ルール内容根拠
伐倒前の準備退避場所をあらかじめ選び、かん木・枝条・つるなど危険のもとを取り除く。胸高直径20cm以上の立木は、伐根直径の4分の1以上の深さの受け口と、適当な深さの追い口を作り、原則として切り残しを確保する安衛則 第477条
造材時の転落・滑落防止転落・滑落のおそれがある木材は、くい止め・歯止めなどの措置をする安衛則 第480条
かかり木の処理かかり木は速やかに処理する(困難なときは、処理する人以外の立入禁止と表示をしたうえで遅滞なく処理)。かかられている立木を伐倒すること、かかり木に別の立木を倒してぶつけること(浴びせ倒し)は禁止安衛則 第478条
伐倒の合図一定の合図を定めて周知し、危険がある場合は合図をして他の作業者の避難を確認してから伐倒する安衛則 第479条
立入禁止伐倒する立木を中心に、その立木の高さの2倍を半径とする円の内側に、伐倒作業をする人以外の作業従事者が立ち入ることを禁止する。木材の転落・滑落の危険がある下方への立入りも禁止安衛則 第481条第1項・第2項
悪天候時の作業中止強風・大雨・大雪などで危険が予想されるときは作業を行わせない安衛則 第483条
保護帽造林等の作業では保護帽を着用させる安衛則 第484条
下肢の切創防止用保護衣チェーンソーで伐木・造材を行うときは、防護ズボンなどの保護衣を着用させる(労働者にも着用義務)安衛則 第485条

住宅地では、立木をそのまま伐倒できないため、少しずつ切り下ろす方法やクレーンでの吊り下ろしを選ぶことが多くなります。どの作業にどの立入禁止の規定が当てはまるかは作業方法で変わりますが、敷地が狭いことを理由に必要な立入禁止を省くことはできません。作業計画と合図を事前に決めておきましょう。

【違反リスク】
特別教育を行わずに対象業務に就かせると、労働安全衛生法 第59条第3項の違反として、6か月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金の対象になります(同法 第119条第1号)。技能講習・免許が必要な業務(就業制限業務)に資格のない人を就かせた場合も、同法 第61条第1項の違反として同じ罰則の対象です。法人も罰金の対象になります(同法 第122条)。

伐採の現場で、作業員の特別教育が足りているか不安なら、お電話でご相談ください。
📞 042-497-8840 に電話して相談する(相談無料・年中無休・7:00〜21:00)
使う道具・機械と人数をうかがい、必要な特別教育と受講の段取りをご案内します。

■ 刈払機・民間資格の位置づけ

結論として、刈払機の安全衛生教育は、通達(平成12年2月16日 基発第66号)にもとづく教育で、労働安全衛生規則 第36条の特別教育ではありません。とはいえ、伐採現場の下草刈りなどで刈払機を使う人には受けさせておくと安心です。詳しくは刈払機取扱作業者安全衛生教育とはをご覧ください。

また、アーボリスト®などの民間資格は、樹上作業の技術を身につける目安にはなりますが、労働安全衛生法の特別教育・技能講習・免許の代わりにはなりません。

■ よくある質問

▶ Q. 特殊伐採の資格(国家資格・免許)はありますか?

結論として、「特殊伐採」という名前の国家資格や免許はありません。特殊伐採は法令上の用語ではなく、作業に使う道具・機械ごとに、チェーンソーの特別教育、高所作業車の特別教育・技能講習、クレーン・玉掛けの資格などが必要になります。

▶ Q. チェーンソーで木を切るだけなら資格はいりませんか?

結論として、業務としてチェーンソーで立木の伐木・かかり木の処理・造材を行わせるなら、事業者は特別教育(学科9時間・実技9時間の計18時間以上)を行わなければなりません(労働安全衛生規則 第36条第8号)。木の太さで分かれていた教育の区分は、2020年8月1日に1つに統合されました。

▶ Q. 木に登ってロープで作業する場合、ロープ高所作業特別教育は必要ですか?

結論として、樹上での伐採がロープ高所作業(労働安全衛生規則 第36条第40号)に当たるかは、確認した範囲の通達・厚生労働省の資料では示されていません。作業方法によって判断が分かれるため、事前に所轄の労働基準監督署に確認してください。高さ2m以上で作業床を設けられない場所でフルハーネスを使う場合は、フルハーネス特別教育(同条第41号)の対象になります(ロープ高所作業に当たる場合は第40号の教育)。

▶ Q. 高所作業車で伐採するときに必要な資格は何ですか?

結論として、作業床の高さが10m未満の高所作業車は特別教育(同規則 第36条第10号の5)、10m以上は技能講習の修了(労働安全衛生法施行令 第20条第15号)が必要です。チェーンソーで伐木・造材などを行う場合は、伐木等の特別教育も必要です。

▶ Q. アーボリストなどの民間資格だけで作業できますか?

結論として、民間の資格は技術を身につける目安にはなりますが、労働安全衛生法の特別教育・技能講習・免許の代わりにはなりません。法令で必要な教育・資格は別に確認してください。

■ 作業前のチェックリスト

  • 使う道具・機械(チェーンソー・高所作業車・クレーンなど)を書き出した
  • チェーンソーで立木の伐木・かかり木の処理・造材を行う人が、伐木等の特別教育(18時間)を受けている
  • 高所作業車の作業床の高さに合った資格(10m未満は特別教育、10m以上は技能講習)がある
  • 木に登る作業がロープ高所作業・フルハーネス作業に当たるかを確認した
  • クレーンの運転と玉掛けに、つり上げ荷重に合った資格がある
  • 退避場所・合図・立入禁止範囲(立木の高さの2倍)を決めた
  • 保護帽と下肢の切創防止用保護衣を用意した

■ まとめ

  • 「特殊伐採」の国家資格はない。資格は使う道具・機械ごとに決まる。
  • チェーンソーで伐木・かかり木の処理・造材をするなら特別教育(計18時間以上)が必要(安衛則 第36条第8号)。
  • 高所作業車は作業床10m未満が特別教育、10m以上が技能講習。クレーン・玉掛けはつり上げ荷重で資格が変わる。
  • 樹上作業がロープ高所作業に当たるかは確認した範囲の資料で示されていないため、所轄の労働基準監督署に確認する。
  • 受け口・かかり木・合図・立入禁止・保護衣など、伐木作業の安全ルール(安衛則 第477条〜第485条)も守る。

■ 講習のお申込み・ご相談

産業技能センターでは、伐採の現場で必要になる特別教育を行っています。チェーンソーによる伐木等特別教育は出張講習のみで、5名様以上・1名様13,000円〜(税込・教材費・修了証発行費込み)です。高所作業車(10m未満)・フルハーネス・ロープ高所作業などの特別教育は1名様8,000円〜で、オンライン講習(1名様から)と出張講習(関東1都6県は5名様から)に対応しています。日程や実技の進め方は、お申込みの前にご相談ください。技能講習・免許は登録教習機関などでお申し込みください。

伐採の現場に必要な教育をまとめて手配したいなら、お電話でご相談ください。
📞 042-497-8840 に電話して相談する(相談無料・年中無休・7:00〜21:00)
作業内容と人数をうかがい、受講できる教育と日程の組み方をご案内します。

■ 参考(一次情報・2026年11月4日確認)

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