チェーンソー 講習 オンラインとは?|費用・受講時間・申込方法を徹底解説!

チェーンソー講習とは、林業や造園、解体工事などで使うチェーンソーの安全な取り扱いを学ぶための法定教育です。特別教育(労働安全衛生法第59条)として定められ、作業前に修了していなければ現場に立つことはできません。近年はオンライン講習の導入により、学科部分を自宅で受講できる制度が整備され、忙しい社会人や地方事業者にも受講の機会が広がりました。この記事では、オンライン講習の仕組みや費用、受講時間、申し込み手順までをわかりやすく解説します。

チェーンソー講習とは?オンライン受講の仕組みと目的を解説

なぜチェーンソー作業に講習が必要なのか

チェーンソー講習とは、厚生労働省が定める「労働安全衛生規則(第36条の3)」および「伐木等の業務に係る特別教育規程」に基づいた、安全操作のための必修教育です。林業や造園、建設解体の現場などでチェーンソーを使用する作業は、回転刃による切創やキックバック(跳ね返り)による事故が多発しており、労働災害防止の観点から受講が義務付けられています。特に、厚生労働省の令和5年版「労働災害動向調査」では、伐木作業中の死傷者数が年間400人を超え、そのうち約3割がチェーンソーによる事故と報告されています。こうした背景から、単なる道具の扱いではなく「命を守る技術」としての教育が求められています。

また、法令上の位置づけも重要です。伐木・造材・枝払いなどの作業に従事する労働者は、労働安全衛生法第59条第3項により、事業者が特別教育を行わなければならないとされています。これは資格ではなく「修了証明」をもって実務に従事できる制度です。修了していないまま業務を行うことは、事業者にとって安全配慮義務違反にあたる可能性があり、監督署からの指導・是正勧告の対象にもなります。

実際の講習では、刃の構造や燃料管理、始動・停止の手順、切断姿勢の安全確認など、現場で即応できる実践知識が中心です。加えて、伐倒方向の見極め、緊急停止手順、点検整備など、事故を未然に防ぐための「判断力」も重視されています。特に最近は気候変動による倒木リスクや災害復旧作業の需要増により、非専門職でもチェーンソーを扱う機会が増えたことから、一般市民やボランティア向け講習も増加傾向にあります。

注意点として、修了証は一度取得すれば期限がないものの、実務ブランクが長い場合は「再教育(リフレッシュ講習)」が推奨されています。安全技術や機械構造は年々進化しており、古い知識のまま作業すると事故リスクが高まるためです。

今すぐできる3ステップ

  • 使用予定のチェーンソー作業が「特別教育」対象に該当するか確認する。
  • 労働安全衛生法第59条第3項を参照し、事業者責任で受講を計画する。
  • オンライン・対面どちらでもよいので、最寄りの講習機関を比較し日程を仮押さえする。

オンライン講習が広がっている背景

かつてはチェーンソー講習といえば、地域の労働安全衛生協会や林業大学校などに出向いて受講するのが一般的でした。しかし、近年では「オンライン講習」という新しい受講スタイルが広がっています。その背景には、働き方改革とデジタル化の進展、そしてコロナ禍を契機とした非対面教育の普及があります。2020年以降、厚生労働省はeラーニング型の安全衛生教育を条件付きで認める方向に舵を切り、特別教育のうち学科部分をオンラインで実施する機関が増えました。

オンライン講習の最大の利点は「場所と時間の制約を減らせること」です。例えば、学科部分を自宅や職場で動画視聴形式で学び、理解度テストを経たうえで、後日に実技のみを会場で行う「ハイブリッド形式」が主流です。これにより、出張費や移動時間の負担が減り、地方の事業所でも全国レベルの教育を均等に受けられるようになりました。とくに林業や建設業など、少人数で作業する現場では人員を止めずに教育を進められる点が高く評価されています。

一方で、全過程を完全オンラインで修了できるわけではありません。チェーンソー作業は刃物・燃料を扱う高危険業務に分類されるため、実技評価は必ず実地で行う必要があります。厚生労働省告示第92号(特別教育規程)でも、「必要な実技教育を省略してはならない」と明記されています。したがって、オンラインでの受講はあくまで“学科部分の効率化”と捉えるのが適切です。

今すぐできる3ステップ

  • 学科オンライン・実技会場型の講習を実施している教育機関を検索する。
  • 労働安全衛生法の「特別教育」対応であるか(修了証が発行されるか)確認する。
  • 動画学習が可能な端末(PC・タブレット)と通信環境を整備してから申込手続きを行う。

オンラインで受けられるチェーンソー講習の内容

オンライン対応のチェーンソー講習では、厚生労働省の定める「伐木等の業務に係る特別教育規程」(昭和47年労働省告示第92号)に準じたカリキュラムが組まれています。教育内容は大きく分けて「学科」と「実技」の2部構成で、法定の最低時間は合計6時間以上(うち実技3時間以上)とされています。多くの講習機関では、学科をオンラインで、実技を現地で受ける「ハイブリッド形式」を採用しています。

この形式により、受講者は仕事の合間や休日に学科を動画視聴で進め、理解度テストを経てから実技日程を選ぶことが可能です。特に企業単位での受講では、複数名が同時にオンライン学習を行い、後日一括で実技を受けるスタイルが一般的です。
この方式は、他の特別教育でも広がりを見せており、たとえば高所作業車の運転特別教育フルハーネス型墜落制止用器具特別教育でも、同様のオンライン+実技併用が主流となっています。

学科・実技それぞれのカリキュラム

学科講習(所要:約3〜4時間)
オンライン講習で扱う学科部分は、チェーンソーの構造や燃料管理、作業姿勢などの基礎知識を中心に構成されます。主な項目は以下のとおりです。

学科項目内容の概要
チェーンソーの構造と機能エンジン・ガイドバー・ソーチェーンの仕組みと点検方法
始動・停止の安全手順始動姿勢、チョーク操作、誤作動防止の確認
キックバック防止策チェーンブレーキ・位置取り・作業範囲の安全確保
燃料・潤滑油の管理混合燃料比率、給油手順、火気取扱の注意
作業環境の安全管理足場・傾斜地でのバランス、倒木予測と逃げ道の確保
関係法令労働安全衛生法・特別教育規程の概要、事業者責任

これらの内容は、他の講習(例:不整地運搬車運転特別教育小型車両系建設機械特別教育)と同様に、eラーニング+確認テストで理解度を段階的に確認する仕組みが採用されています。受講者はすべての単元に合格することで、次の実技講習に進むことができます。

実技講習(所要:約3〜4時間)
実技では、実際のチェーンソーを使って、安全操作と伐木手順を体験的に学びます。主な実技項目は以下の通りです。

実技項目内容の概要
始動・停止操作チョーク使用・引きひも姿勢・始動後の回転確認
点検整備ソーチェーン張り調整・目立て・エアフィルター清掃
切断姿勢安定姿勢・両手保持・チェーン位置確認
模擬伐木作業切り込み・受け口・追い口の手順、倒木方向の制御
緊急停止チェーンブレーキ・スロットルリリースの即応練習

実技は必ず対面で行う必要があり、オンラインでは代替できません。使用する機械は講習機関が準備し、受講者は作業服・安全靴・防護メガネ・イヤーマフ・防振手袋などの保護具を着用します。
こうした装備は刈払機取扱作業者安全衛生教育ロープ高所作業特別教育など、他の現場型講習にも共通する必須装備です。

オンライン部分と実地講習の違い

オンラインと実地講習の最大の違いは、「知識習得」と「体感安全技術」の差にあります。オンライン講習では理論的理解を深めることが目的であり、受講者は映像教材や図解で安全理論や法令を学びます。これに対し、実地講習では“身体で覚える”ことが重視され、危険を回避する反射的な動作を繰り返し練習します。

また、評価方法にも違いがあります。オンライン部分では理解度テスト(選択式・記述式)に合格すれば学科修了となりますが、実技では講師が直接操作姿勢や安全確認手順をチェックし、合格者のみに修了証が交付されます。講習終了後は「修了証明書(チェーンソー特別教育修了)」が発行され、全国の現場で効力を持ちます。

注意点として、オンラインのみで全課程を完結する講座は法的に認められていません。厚生労働省のガイドラインでは、「必要な実技教育を省略してはならない」と明記されており、オンライン講習を受ける際も必ず実技日程の設定が求められます。
これは、アーク溶接特別教育粉じん作業特別教育など、実作業リスクを伴う教育区分でも同様の考え方です。

今すぐできる3ステップ

  1. オンライン+実地のハイブリッド講習を実施する認定機関を調べる。
  2. 受講スケジュール(学科→実技)を確認し、希望日を仮予約する。
  3. 実技当日に必要な保護具(防護服・メガネ・ヘルメットなど)を事前購入しておく。

費用はいくら?オンライン講習と通学講習の比較

チェーンソー講習の費用は、受講形式や主催機関によって幅がありますが、一般的には8,000円〜15,000円程度が相場です。特に、オンライン対応の場合は学科を自宅で受けられる分だけ交通費や宿泊費がかからないため、結果として総費用を抑えられるケースが多くなっています。

一方で、通学講習では、地域の安全衛生協会や森林組合、専門教育機関が主催することが多く、受講料には教材費や実技用の保険料が含まれています。こうした実施団体は、厚生労働省の定める特別教育基準e-Gov法令データベース|安全衛生特別教育規程)に準じて講習内容を構成しており、全国どこで受講しても一定水準の教育を受けられます。

受講時間の合計は、学科と実技を合わせて6〜8時間前後。多くの場合、1日で完結する短期集中型が主流ですが、オンライン講習では学科部分を事前に動画視聴で進め、実技のみ半日で修了できるよう調整されている場合もあります。また、企業単位でまとめて受講する場合は、団体割引や出張実技講習などの形でコスト削減が可能です。

一般的な受講料の相場と内訳

講習費用の内訳は、学科・実技・教材・修了証発行・保険料などで構成されています。下表は代表的な教育機関の料金構成の一例です。

区分内訳料金目安(税込)備考
学科講習(オンライン)eラーニング教材、確認テスト4,000〜6,000円自宅学習可
実技講習(対面)チェーンソー使用料、保険料含む5,000〜8,000円会場で半日実施
教材・修了証テキスト代・発行手数料500〜1,000円修了証は郵送
合計約9,000〜14,000円前後機関・地域により変動

このように、オンライン講習では交通費や昼食代が不要な分、通学よりも1,000〜3,000円程度安く受講できることが多いです。ただし、通学型では講師による実演や質疑応答の時間が充実しており、初めて扱う人にとっては安心感があります。どちらを選ぶかは、受講者の目的や経験レベルによって判断すると良いでしょう。

コストを抑えるためのポイント

費用を抑えたい場合は、次の3つの工夫で効果的にコスト削減が可能です。

1. オンライン学科+現地実技のハイブリッド型を選ぶ
学科を自宅で学ぶだけでも、会場費や人件費分がカットされ、全体コストを10〜20%削減できます。

2. 複数名での団体申し込みを活用する
企業単位・グループ受講では1人あたり500〜1,000円ほど安くなることが多く、加えて、同時にスケジュール調整もしやすくなります。

3. 地域の安全衛生協会や自治体主催の講習を利用する
地方自治体が実施する公共講習は営利目的ではないため、受講料が抑えられており、8,000円前後で修了できる場合があります。

しかし、極端に安価な講習には注意が必要です。中には法令基準(学科3時間・実技3時間以上)を満たさない簡易コースが存在します。修了証が正式な「特別教育修了証」でなければ、現場で無効と判断されることもあります。申込前に、主催団体が厚生労働省または都道府県労働局届出済みかを必ず確認してください(厚生労働省|労働安全衛生法第59条)。

【今すぐできる3ステップ】

  1. オンライン・通学両方の講習費用を比較し、交通費込みの実質コストを算出する。
  2. 団体・早期申込割引を実施している講習機関をリスト化する。
  3. 修了証の有効性(特別教育対応・発行団体)を確認してから申し込む。

受講時間・日程・資格の有効期限は?

チェーンソー講習は、労働安全衛生法に基づく「特別教育」に分類されるため、教育内容と時間配分が法令で明確に定められています。厚生労働省告示第92号(昭和47年)によると、伐木等の業務に係る教育時間は学科3時間以上、実技3時間以上とされています。実際には、安全確認や操作練習の時間を含めて、1日(約6〜8時間)で修了できるケースが一般的です。

一方、オンライン講習では学科部分を事前に動画視聴やeラーニングで進められるため、実技当日は半日〜4時間程度で終了することが多くなっています。この方式により、忙しい社会人や事業者も隙間時間を使って安全知識を身につけられるようになりました。

所要時間とカリキュラム構成

講習全体は以下のような流れで構成されます。

区分内容所要時間実施形式
学科講習チェーンソーの構造、安全装備、作業姿勢、関係法令3〜4時間オンラインまたは教室
実技講習操作実習、始動・停止、伐木・玉切り、整備3〜4時間実地(対面必須)
修了確認テスト・操作確認・質疑応答約30分会場

合計で6〜8時間程度が標準的な受講時間です。
特に安全講習では「時間数よりも理解度」を重視しており、理解度が不足している場合は再受講を指導されることもあります。

企業単位で受講する場合は、平日の勤務時間中に開催されることが多く、個人受講では週末・祝日の設定も増えています。オンライン学科講習は24時間いつでも受講可能なケースもあり、働き方に合わせたスケジュール調整が可能です。

修了証の発行までの流れ

修了証は、特別教育の全課程(学科+実技)を修了した後に発行されます。発行手続きの流れは以下のとおりです。

【修了証発行までの流れ】

  1. 受講申込み
     WebフォームやFAXで申込み。オンライン学科の場合はログインIDが送付されます。
  2. 学科講習の受講
     オンライン教材を視聴し、確認テストを通過。受講履歴は自動記録されます。
  3. 実技講習の受講
     会場でチェーンソー操作や点検を実践。講師が安全姿勢や判断力を評価。
  4. 修了判定・証明書発行
     全科目を修了した時点で「特別教育修了証(チェーンソー取扱業務)」が発行されます。郵送または当日手渡しが一般的です。

修了証には、受講者氏名・修了年月日・教育機関名が記載され、全国どの現場でも有効です。資格更新や有効期限は設けられていませんが、安全技術や機械の進化に合わせて、数年ごとの再教育(リフレッシュ講習)が推奨されています。特に長期間チェーンソーを使用していない場合は、感覚が鈍るため、再受講による安全確認が望ましいとされています。

注意点:修了証を紛失した場合、発行元機関での再発行が必要です。再発行には本人確認書類と再発行手数料(500〜1,000円)がかかるのが一般的です。

【今すぐできる3ステップ】

  1. 講習スケジュールを確認し、学科・実技を同日に完了できるコースを選ぶ。
  2. オンライン講習の場合は受講期限(多くは30日)を確認し、早めに学科を修了させる。
  3. 修了証の発行方法(当日交付 or 郵送)を事前に確認しておく。

どんな人が対象?必要な条件と注意点

チェーンソー講習の対象は、主に業務としてチェーンソーを使用するすべての人です。林業や造園業、建設業、解体業のほか、ボランティアや自治体職員が災害対応で伐木を行う場合も含まれます。労働安全衛生法第59条では「事業者は、危険または有害な業務に労働者を従事させる場合、特別教育を行わなければならない」と定められており、雇用形態(正社員・アルバイト・請負など)を問わず受講が義務です。

また、個人でチェーンソーを扱う人にも講習の受講は強く推奨されています。令和5年の林野庁「伐木作業事故調査報告」によると、チェーンソー事故の約6割が非専門従事者によるものとされており、知識不足や不適切な姿勢による切創・転倒が主因です。法的義務がなくても、命を守るための最低限のリテラシーとして受講しておくことが望まれます。

初心者と経験者で違う受講区分

チェーンソー講習は、受講者の経験や目的によって内容や所要時間が変わることがあります。多くの教育機関では、以下のように区分されています。

区分対象者内容の特徴所要時間
初心者向け(基礎講習)チェーンソー未経験者・使用歴が浅い人基本操作、安全確認、メンテナンス中心約7〜8時間(1日)
経験者向け(実務講習)日常的に使用している人応用的伐木・リスク対応・点検強化約5〜6時間(半日〜1日)
再教育(リフレッシュ)修了後3年以上経過した人・安全確認目的最新の法令・安全基準のアップデート約3〜4時間(半日)

初心者向けでは、基本的な刃の構造理解や姿勢の取り方、チェーンブレーキ操作などを丁寧に解説します。経験者向けでは、伐木方向のコントロールや危険木(枯損木・傾斜木)の処理など、より実践的な内容が中心です。再教育コースでは、近年の安全装備基準や新型チェーンソーの扱い方をアップデートし、事故防止意識を再確認します。

注意点:過去に受講済みでも、事業所を変えた場合は「修了証の提出」が必要です。証明書の原本が確認できない場合、再受講を求められることがあります。

受講前に確認しておくべき安全装備と準備物

実技講習を受ける前には、安全装備の準備が必須です。講習機関によっては貸与される場合もありますが、基本的には受講者が持参するのが原則です。装備が不十分な場合、安全上の理由で参加できないこともあるため注意しましょう。

装備・準備物用途・目的備考
チェーンソーパンツ(防護ズボン)切創防止(繊維層が刃を絡めて止める)CE規格 Class1以上推奨
安全靴(鉄芯入り)足元保護長靴型・ブーツ型どちらでも可
ヘルメット(フェイスシールド付き)落下物・切削くず対策5年以内の製造品が望ましい
防振手袋手のしびれ・振動障害防止滑り止め付きタイプ推奨
イヤーマフまたは耳栓騒音対策(90dB以上)環境省基準に準拠
作業服(長袖・長ズボン)火傷・切りくず防止化繊より綿素材が安全
身分証明書修了証発行時の本人確認当日受付で提示

また、実技では屋外作業が多いため、天候対応の服装(雨具・帽子・着替え)も忘れずに準備しましょう。眼鏡をかけている人は、フェイスシールド併用で安全確保を。

注意喚起
・整備不良のチェーンソーを持参しての講習は禁止です。講習用の機械は主催者が用意します。
・服装規定に反した場合(半袖・スニーカー等)は、安全上の理由で受講を断られることがあります。
・飲酒・体調不良での参加は厳禁です。労働安全衛生規則第35条でも、作業前の酒気帯びは明確に禁止されています。

【今すぐできる3ステップ】

  1. 受講申込時に「装備持参」か「貸与あり」かを確認する。
  2. 防護ズボン・安全靴などの規格品を事前に準備する。
  3. 実技前日に体調を整え、当日の天候に合わせて服装を調整する。

申し込み方法と今すぐできる準備

チェーンソー講習を受けるには、まず受講機関の選定と申し込みが必要です。講習は全国の安全衛生協会、森林組合、民間の労働安全教育センターなどで実施されています。オンライン講習の場合は、学科部分をeラーニング形式で受講し、後日、実技のみ現地で受ける流れが一般的です。

この講習は、労働安全衛生法第59条e-Gov法令データベース|労働安全衛生法)および安全衛生特別教育規程(昭和47年労働省告示第92号)e-Gov法令データベース|特別教育規程)に基づいて行われます。したがって、受講機関を選ぶ際は、これらの法令に準拠した教育内容を提供しているかを確認することが重要です。

申し込みから修了証取得までの期間は平均1〜3週間ほど。人気の講習は定員が早く埋まるため、希望日の2〜4週間前に申し込むのが理想です。特に災害ボランティアや建設繁忙期(春・秋)は混みやすく、早めの予約が必要です。

オンライン講習の申し込み手順

オンライン講習は、パソコンやスマートフォンを使ってWeb上で完結できる仕組みになっています。以下の流れが基本です。

【オンライン講習の標準手順】

講習機関の公式サイトから申込み
開催カレンダーやコース説明を確認し、希望日時を選択します。申込フォームに氏名・住所・電話番号・メールアドレスを入力し、受講形態(個人・団体)を指定します。

受講料の支払い
クレジットカード・銀行振込・コンビニ決済などが利用可能です。支払い完了後、登録メールアドレスに「受講ID」または「ログインURL」が届きます。

学科講習(オンライン受講)
マイページにログインし、動画教材を視聴。1単元ごとに確認テストがあり、合格すると次の単元へ進めます。途中で中断しても再開可能です。

実技講習(現地会場)
オンライン学科を修了した受講者が対象。指定会場に出向き、講師の指導のもとで安全操作を実践します。

修了証の発行
実技修了後に、特別教育修了証(チェーンソー取扱業務)が交付されます。当日交付または1〜2週間後に郵送されるケースが一般的です。

注意点として、申込時に入力する氏名・生年月日は修了証に印字されるため、誤りがあると再発行が必要になります。入力内容は送信前に必ず確認しましょう。また、団体申込の場合は代表者を通じてまとめて受講IDが発行される場合が多いので、受講者リストの重複・漏れに注意が必要です。

受講までに用意しておきたい機材・通信環境

オンライン講習をスムーズに受けるためには、基本的な通信環境と機材の準備が欠かせません。特に動画教材は容量が大きく、再生中に通信が途切れると学習進捗が記録されない場合もあります。

必要機材・環境推奨スペック・条件備考
パソコンまたはタブレットOS:Windows10以上、macOS10.14以上スマホでも可だが、画面が小さいと図解が見づらい
インターネット回線光回線またはWi-Fi接続(下り10Mbps以上)モバイル通信はデータ容量超過に注意
ブラウザChrome、Edge、Safariの最新版JavaScriptとCookieを有効化
メールアドレスGmailなど受信制限が少ないもの受講ID・確認通知の受信に使用
印刷環境修了証の写し・教材プリント用PDF出力でも可
通信環境の確認動画視聴テストを事前に実施事前テスト用URLが案内される場合あり

また、実技講習に参加する際は、オンラインで得た知識を実際に活かすために防護装備と筆記用具を持参する必要があります。ヘルメットや防護ズボンなどは前項で紹介した通りです。

トラブル回避のためのチェックポイント

  • 受講メールが迷惑メールフォルダに振り分けられていないか確認する。
  • 学習サイトにアクセスできる端末は事前にログインテストを行う。
  • 受講期限(多くは申込から30日)を超過しないようカレンダーで管理する。

【今すぐできる3ステップ】

  1. 「チェーンソー講習 オンライン 特別教育」で検索し、受講認定済みの講習機関を3社比較する。
  2. 通信環境(回線速度・ブラウザ)を確認し、動画再生テストを行う。
  3. 講習当日までに防護具一式と筆記用具を揃え、受講メールを印刷・保存しておく。

よくある質問

Q. オンライン講習だけで資格は取れますか?

いいえ。特別教育(労働安全衛生法第59条および労働安全衛生規則第36条の3)に定められた「伐木等の業務に係る特別教育」は、学科と実技の両方を修了する必要があります。厚生労働省の「安全衛生特別教育規程(昭和47年労働省告示第92号)」にも、必要な実技教育を省略してはならないと明記されています。したがって、学科をオンラインで学ぶことは可能ですが、実技講習は必ず現地で行わなければ修了証は発行されません。

Q. 実技講習はどこで受けるの?

実技は、教育機関が指定する屋外実技会場や安全教育センターで行われます。労働安全衛生法の趣旨により、実技教育は「安全な作業姿勢・姿勢保持・刃の取り扱い」などを現場で指導することが求められており、オンラインでは代替できません。厚生労働省の「林業労働災害防止規程」や「伐木作業における安全作業指針」でも、実地訓練による技能の確認を義務づけています。

Q. 修了証はどのくらいで届く?

修了証(特別教育修了証)は、学科と実技をすべて修了したのち、教育機関による修了確認を経て発行されます。通常は即日交付または1〜2週間後に郵送されます。発行までの期間は機関ごとに異なりますが、修了証には氏名・修了年月日・教育実施者名が記載され、全国の作業現場で有効です。再発行は可能ですが、本人確認と申請書類の提出が必要です。

参考URL

出典機関資料名・内容公開元URL
厚生労働省労働安全衛生法(第59条:特別教育の実施義務)https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=347AC0000000057
厚生労働省安全衛生特別教育規程(昭和47年労働省告示第92号)https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=347M50000800092
厚生労働省林業労働災害防止規程(林安第30号)https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_02474.html
林野庁伐木作業における安全作業指針https://www.rinya.maff.go.jp/j/hogo/seido/safe_guideline.html