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グリーンファイル(安全書類)とは|必要書類一覧・作業員名簿の書き方

グリーンファイル(安全書類)とは

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グリーンファイルとは、建設現場で下請業者が元請業者に提出する安全書類一式の通称です。「安全書類」「労務安全書類」とも呼ばれます。中身は、施工体制台帳・再下請負通知書・作業員名簿など建設業法に根拠がある書類と、工事安全衛生計画書・持込機械等の届・火気使用願など元請が現場の安全管理のために求める書類の組み合わせで、「グリーンファイル」という名前の書類が法令で決まっているわけではありません。

この記事では、建設会社(元請・下請)の担当者向けに、グリーンファイルの必要書類一覧、それぞれの法令上の根拠の有無、提出が義務になる場面、作業員名簿の書き方(資格・教育欄と修了証の確認)、一人親方の場合、個人情報の扱い、建設キャリアアップシステム(CCUS)との関係、保存期間、よくある不備を、建設業法・労働安全衛生法の条文と国土交通省の資料(いずれも2026年11月4日に確認)をもとに整理しました。

よくあるご質問はよくある問い合わせ、個別のご相談はお問い合わせページからどうぞ。

■ この記事でわかること

  • グリーンファイル(安全書類)とは何か。法令上の名称ではないこと、安全書類の電子提出サービス(クラウド型)との違い
  • 必要書類一覧と、法令に根拠がある書類・元請ルールの書類の区別
  • 提出が義務になる場面(施工体制台帳が必要な工事、再下請負通知)
  • 作業員名簿の書き方(法令上の6項目、資格・教育欄、修了証の確認、一人親方の場合)
  • 個人情報の扱い、CCUSとの関係、保存期間、書き方のよくある不備

■ グリーンファイル(安全書類)の早見表

書類位置づけ主な根拠
施工体制台帳元請(作成建設業者)が作成し現場に備え置く建設業法 第24条の8第1項、同法施行規則 第14条の2
再下請負通知書下請が再下請したとき元請に通知建設業法 第24条の8第2項、同法施行規則 第14条の4
施工体系図元請が作成し現場に掲示建設業法 第24条の8第4項、同法施行規則 第14条の6
作業員名簿施工体制台帳の一部(作業員に関する事項)同法施行規則 第14条の2第1項第2号チ・第4号チ
安全衛生責任者の選任・通報下請が選任し、統括安全衛生責任者を選任する元請に通報労働安全衛生法 第16条第1項・第2項
持込機械等の届元請ルールの書類(元請の機械配置計画・指導に関係)様式は法定なし(関連:労働安全衛生規則 第638条の3・第638条の4)
有機溶剤・特定化学物質等の持込使用届元請ルールの書類(容器の集積箇所の統一などに関係)様式は法定なし(関連:同規則 第641条)
工事安全衛生計画書・年間安全衛生計画元請ルールの書類様式は法定なし
火気使用願元請ルールの書類様式は法定なし
新規入場者調査票元請ルールの書類(新規入場者への周知に関係)様式は法定なし(関連:同規則 第642条の3)

※「様式は法定なし」は、その名前の書類の提出や様式を直接定めた条文が見当たらないという意味です。元請・下請が負う安全衛生上の義務(労働安全衛生法 第29条〜第31条など)を進めるための書類として使われています。

■ グリーンファイル(安全書類)とは

▶ 法令上の名称ではなく、安全書類一式の通称

結論として、「グリーンファイル」は建設業界の通称で、法令上の用語ではありません。建設業法や労働安全衛生法に「グリーンファイルを提出しなければならない」という条文はなく、法令に出てくるのは「施工体制台帳」「再下請負通知書」「施工体系図」などの個別の書類です。

そのため、同じ「グリーンファイル」でも、現場や元請によって求められる書類の範囲が違います。公共工事か民間工事か、下請契約の金額、元請の安全管理のルールによって、必要な書類が変わる点を押さえておきましょう。

▶ 全建統一様式とは

結論として、全建統一様式は、安全書類の様式として業界で広く使われている様式です。一般社団法人全国建設業協会が発行し、建設労務安全研究会が編集する『労務安全必携』に、令和6年10月改訂の「全建統一様式」が収録されています(建設労務安全研究会ウェブサイト)。

ただし、全建統一様式は法令で定めた様式ではありません。施工体制台帳・再下請負通知書・作業員名簿について、国土交通省は作成例を公表したうえで、法令上必要な記載事項が網羅されていれば作成例以外の様式でもよいとしています(国土交通省「施工体制台帳等の作成例」)。実務では元請が様式と版を指定することが多いので、指定に従うのが確実です。

■ グリーンファイルと電子提出サービスの違い

安全書類は、紙のファイルではなく、安全書類の電子提出サービス(クラウド型)で作成・提出する現場も増えています。グリーンファイルが書類一式の通称であるのに対し、電子提出サービスは書類を作って出すための手段です。この記事では特定のサービスの機能や料金は扱わず、電子化した場合の法令上の扱いだけを整理します。

▶ 電子で作成・提出しても中身と義務は同じ

結論として、安全書類をクラウド上で作成・提出するサービスは、グリーンファイルの「作り方・出し方」の一つで、書類の中身や法令上の義務が変わるわけではありません。建設業法施行規則は、施工体制台帳の記載事項を電子計算機のファイルなどに記録し、必要に応じて工事現場で紙面や画面に明確に表示できる場合は、台帳への記載に代えられるとしています(同規則 第14条の2第3項)。再下請負通知も、相手方の承諾を得れば電磁的方法で行えます(同規則 第14条の4第4項・第7項)。

紙で出すかクラウドで出すかは、元請の指定に従います。どちらの場合も、記載事項がそろっているか、資格・教育の情報が最新かを確認する作業は変わりません。

■ グリーンファイルの必要書類一覧

ここでは、グリーンファイルに含まれることが多い書類を、法令に根拠がある書類と元請ルール・慣行の書類に分けて整理します。どの書類が必要かは現場ごとに違うため、最終的には元請の指示を確認してください。

▶ 建設業法にもとづく書類

結論として、施工体制台帳・再下請負通知書・施工体系図と、その一部である作業員名簿は、建設業法に根拠があります。

書類誰が内容根拠
施工体制台帳元請(特定建設業者など)下請負人の名称・許可・工事内容・工期・技術者・健康保険等の加入状況・作業員に関する事項など建設業法 第24条の8第1項、同法施行規則 第14条の2
再下請負通知書再下請をした下請負人再下請先の名称・住所・許可番号・工事内容・工期・技術者・作業員に関する事項など。契約書面の写しを添付建設業法 第24条の8第2項、同法施行規則 第14条の4
施工体系図元請各下請負人の施工の分担関係(名称・代表者・許可番号・工事内容・工期・主任技術者など)建設業法 第24条の8第4項、同法施行規則 第14条の6
作業員名簿台帳の一部として作成氏名・生年月日・年齢、職種、社会保険、中退共、安全衛生教育、資格同法施行規則 第14条の2第1項第2号チ・第4号チ

元請は、施工体制台帳を作成することとなったとき、下請負人に対して、再下請をした場合は再下請負通知が必要なことと、通知書の提出場所を書面で通知し、現場にも掲示しなければなりません(建設業法施行規則 第14条の3第1項)。下請側は、この掲示や通知で提出先を確認できます。

国土交通省は「作業員名簿は、建設業法施行規則において、施工体制台帳の一部として作成が義務付けられております」と説明しています(国土交通省「作業員名簿(作成例)」)。なお、資材業者や警備業者など、建設工事の完成を請け負わない者は、施工体制台帳への記載義務の対象外とされています(国土交通省「施工体制台帳等の作成例」)。

▶ 労働安全衛生法の措置に関係する書類

結論として、安全衛生責任者の通報は労働安全衛生法に根拠があり、持込機械等の届や有機溶剤等の持込使用届は、元請(特定元方事業者)が講じる措置に関係する書類です。

建設業の元請(特定元方事業者)は、同じ場所で下請の作業従事者と混在して作業することによる労働災害を防ぐため、協議組織の設置・運営、作業間の連絡・調整、作業場所の巡視、下請が行う安全衛生教育への指導・援助、工程計画と機械・設備等の配置計画の作成などを行わなければなりません(労働安全衛生法 第30条第1項)。下請(関係請負人)も、元請が設ける協議組織に参加しなければなりません(労働安全衛生規則 第635条第2項)。

  • 安全衛生責任者の通報:統括安全衛生責任者を選任すべき現場で、下請が自ら仕事を行うときは安全衛生責任者を選任し、元請に遅滞なく通報しなければなりません(労働安全衛生法 第16条第1項・第2項)。詳しくは安全衛生責任者とはをご覧ください。
  • 持込機械等の届:元請は、工程表などの工程に関する計画と、主要な機械・設備・作業用の仮設建設物の配置に関する計画を作ります(労働安全衛生規則 第638条の3)。機体重量3トン以上の車両系建設機械や、つり上げ荷重3トン以上の移動式クレーンを使う作業では、下請が定める作業計画などが元請の計画に適合するよう指導します(同規則 第638条の4)。持込機械等の届は、この把握と指導のために求められることが多い書類です。
  • 有機溶剤・特定化学物質等の持込使用届:元請は、有機溶剤等を入れた容器などの集積箇所を統一的に定めて下請に周知し、元請・下請ともその箇所に集積しなければなりません(労働安全衛生規則 第641条)。持込使用届は、現場に持ち込む化学物質の種類や保管場所を元請が把握するために使われます。

▶ 元請ルール・慣行の書類

結論として、工事安全衛生計画書、年間安全衛生計画、火気使用願、新規入場者調査票などは、その名前の書類を提出させる条文が見当たらない、元請のルールにもとづく書類です。

法令で様式が決まっていないからといって、出さなくてよいわけではありません。元請との契約や現場のルールで提出を求められていれば、従う必要があります。また、これらの書類は、元請が労働安全衛生法上の措置(協議組織での調整、新規入場者への周知など)を進めるための材料にもなっています。提出を求められた理由がわからないときは、元請の安全担当に確認しましょう。

書類主な目的(一般的な使われ方)
工事安全衛生計画書その工事で下請が行う安全衛生の取組み(危険作業と対策、教育など)を元請と共有する
年間安全衛生計画会社として1年間に取り組む安全衛生の目標・計画を示す
火気使用願溶接・溶断などで火気を使う日時・場所・消火設備を元請が把握し、許可する
新規入場者調査票初めて現場に入る作業員の情報・資格・健康状態などを確認する

■ 提出は義務か(誰に何の義務があるか)

▶ 施工体制台帳が必要な工事

結論として、施工体制台帳の作成義務があるのは、特定建設業者が発注者から直接請け負い、下請契約の請負代金の総額が5,000万円以上(建築一式工事は8,000万円以上)になる工事です(建設業法 第24条の8第1項、同法施行令 第7条の4)。

公共工事では金額の要件がなく、下請契約を締結すれば、元請の建設業者は施工体制台帳を作成し、その写しを発注者に提出しなければなりません。施工体系図は、工事関係者が見やすい場所に加えて、公衆が見やすい場所にも掲示します(公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律 第15条第1項・第2項)。ただし、発注者が情報通信技術を利用して工事現場の施工体制を確認できる措置(国土交通省令で定めるもの)を講じている場合は、写しの提出は不要です(同条第2項ただし書)。

▶ 下請の義務:再下請負通知

結論として、施工体制台帳を作成する工事で、下請負人が請け負った工事をさらに他の建設業者に請け負わせたときは、元請に再下請負通知をしなければなりません(建設業法 第24条の8第2項)。通知は再下請のたびに遅滞なく、再下請負通知書で行い、再下請先との契約書面の写しを添付します(同法施行規則 第14条の4第2項・第3項)。公共工事以外では、写しのうち請負代金の額の部分は除けます。

通知事項には、再下請先の作業員に関する事項(作業員名簿の内容)も含まれます(同規則 第14条の4第1項第3号)。作業員名簿は、自社の作業員だけでなく、再下請先の作業員の分もそろえて元請に届ける必要がある点に注意しましょう。

▶ 台帳が不要な工事でも求められる理由

結論として、施工体制台帳の作成義務がない工事でも、元請が安全書類を求めることは珍しくありません。元請(特定元方事業者)は、金額にかかわらず、混在作業による労働災害を防ぐ措置を講じなければならず(労働安全衛生法 第30条第1項)、誰がどんな資格で、どの機械を使って作業するかを把握する必要があるからです。

なお、令和7年の労働安全衛生法改正により、元方事業者の指導(第29条第1項)や注文者の措置(第31条第1項)の対象は、令和8年4月1日から、労働者だけでなく一人親方などの個人事業者等を含む「作業従事者」に広がりました(令和7年5月14日付け基発0514第1号の説明資料・滋賀労働局)。特定元方事業者の措置を定める現行の第30条第1項も、「作業従事者」という言葉を使っています(2026年11月4日にe-Govで確認)。

■ 作業員名簿の書き方

▶ 法令上の記載事項は6項目

結論として、作業員名簿に必ず書くべき事項は、建設業法施行規則が定める次の6項目です(同規則 第14条の2第1項第2号チ・第4号チ)。

  1. 氏名、生年月日、年齢
  2. 職種
  3. 健康保険・年金・雇用保険の加入等の状況(社会保険)
  4. 中小企業退職金共済法の被共済者であるか否か
  5. 安全衛生に関する教育を受けているときは、その内容
  6. 建設工事に係る知識・技術または技能に関する資格

このうち6の資格は、本人が希望しない場合は記載を除くとされています(同号チの柱書「建設工事に従事する者が希望しない場合においては、(6)に掲げるものを除く。」)。ただし、就業制限業務に就く人の資格は現場で確認が必要になるため、記載しない場合も元請と確認方法を決めておきましょう。

元請が現場ごとの項目(雇入れ年月日、健康診断日、緊急連絡先など)を加えた様式を使うこともあります。国土交通省も、発注者が法令以外の項目を求める場合があるとして、発注者と相談するよう案内しています(国土交通省「施工体制台帳等の作成例」)。

▶ 資格・教育欄と修了証の確認

結論として、資格・教育欄は、修了証や免許証の原本(またはコピー)と突き合わせて書くのが基本です。記憶や自己申告だけで書くと、名称の誤りや未受講の見落としが起きやすくなります。

区分主な例法令上のポイント
特別教育フルハーネス型墜落制止用器具、足場の組立て等、低圧電気取扱い、玉掛け(1トン未満)、小型車両系建設機械(3トン未満)など事業者が行う義務(労働安全衛生法 第59条第3項)。記録を3年間保存(労働安全衛生規則 第38条)
技能講習・免許玉掛け(1トン以上)、車両系建設機械(3トン以上)、移動式クレーン、作業主任者など資格者以外は就業不可(同法 第61条第1項・第2項)。資格証を携帯(同条第3項)
職長教育新たに職長等になる人への教育同法 第60条
雇入れ時教育雇い入れたときの安全衛生教育同法 第59条第1項

就業制限業務(技能講習・免許が必要な業務)は、資格のある人以外は「当該業務を行なつてはならない」とされており(労働安全衛生法 第61条第2項)、事業者だけでなく作業する本人にも適用されます。資格証は作業中に携帯しなければならないため(同条第3項)、名簿の記載と現場の携帯の両方を確認しましょう。

特別教育の科目は特別教育の一覧、作業主任者が必要な作業は作業主任者の一覧、受講記録の保存は安全衛生教育の記録はいつまで保存が必要?で詳しく解説しています。

▶ 一人親方の場合

結論として、一人親方も、現場で作業する以上、作業員名簿などの安全書類を求められるのが一般的です。施工体制台帳の作業員に関する事項は「建設工事に従事する者」について記載するもので、雇用されている労働者に限る書き方にはなっていません(建設業法施行規則 第14条の2第1項第4号チ)。

また、前述のとおり、令和8年4月1日から、元方事業者の指導(労働安全衛生法 第29条第1項)などの対象には一人親方などの個人事業者等も含まれ、現行の第30条第1項も「作業従事者」を対象としています。就業制限業務の資格(労働安全衛生法 第61条第2項)は一人親方本人にも必要です。社会保険欄や中退共欄の書き方は、元請または許可行政庁に確認してください。

【違反リスク】
グリーンファイルという書類そのものに罰則があるわけではありませんが、書類で確認すべき中身には罰則つきの義務があります。資格のない人を就業制限業務に就かせること(労働安全衛生法 第61条第1項違反)や、必要な特別教育を行わないこと(同法 第59条第3項違反)は、同法 第119条により6か月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金の対象です。安全衛生責任者の未選任(同法 第16条第1項違反)や、特定元方事業者の措置の不履行(同法 第30条第1項違反)は、同法 第120条により50万円以下の罰金の対象です(2026年11月4日にe-Govで確認)。

作業員名簿の資格・教育欄が埋まらない、特別教育や職長教育をまだ受けていない作業員がいる場合は、お電話でご相談ください。
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職種と作業内容をうかがい、受講が必要な教育と、現場に入るまでの受講の段取りをご案内します。

■ 個人情報の扱い

結論として、作業員名簿や新規入場者調査票は個人情報のかたまりなので、集める項目・渡す相手・保管方法を決めて扱う必要があります。国土交通省も、作業員名簿の作成例について「個人情報の取扱いについて、この様式例の利用者において適切に取り扱うことが必要」としています(国土交通省「作業員名簿(作成例)」)。

  • 第三者提供:個人データを第三者(元請など)に提供するときは、原則として本人の同意が必要です。例外に「法令に基づく場合」などがあります(個人情報の保護に関する法律 第27条第1項)。法令上の記載事項以外の項目を出すときは、特に同意の取り方に注意しましょう。
  • 健康情報:健康診断等の結果は「要配慮個人情報」にあたり(同法施行令 第2条第2号)、取得には原則として本人の同意が必要です(同法 第20条第2項)。血圧などの健康情報を書く欄がある場合は、必要性と同意を確認しましょう。
  • 資格の記載:作業員名簿の資格欄は、本人が希望しない場合は記載を除けます(建設業法施行規則 第14条の2第1項第2号チ)。
  • 保管:紙のファイルは現場事務所の施錠できる場所に置き、データはアクセスできる人を限るなど、漏えいしない管理をします。

■ 建設キャリアアップシステム(CCUS)との関係

結論として、CCUSに登録している場合は、その情報を使って施工体制台帳や作業員名簿を作れます。CCUSは、建設技能者の資格や現場での就業履歴などを業界横断的に登録・蓄積する仕組みで、一般財団法人建設業振興基金が運用しています(国土交通省「建設キャリアアップシステム」)。

  • 国土交通省は、CCUSを使って施工体制台帳などを作成できるとしています(国土交通省「施工体制台帳等の作成例」)。
  • CCUSから出力される作業員名簿の様式例は、建設業法施行規則で施工体制台帳の一部として記載が義務づけられた事項をすべて含むとされています(国土交通省「作業員名簿(作成例)」)。
  • 作業員名簿の作成例にある現場ID・事業者ID・技能者IDは、CCUSに登録している場合だけ記載し、未登録なら記載は不要です(同)。

CCUSの資格情報も、もとは修了証などの登録内容です。登録後に新しく講習を修了したときは、CCUS側の情報も更新しておくと、名簿との食い違いを防げます。建設現場のデジタル化については建設DXとはもご覧ください。

■ 保存期間

結論として、施工体制台帳は工事の目的物の引渡しまで現場に備え置き、その後は一部の事項を記載した部分を帳簿の添付書類として保存します。作業員名簿(作業員に関する事項)は、帳簿の添付書類の範囲に含まれていません。

書類期間根拠
施工体制台帳(現場での備置き)目的物の引渡しまで(請負契約の債権債務が先に消滅したときはそれまで)建設業法施行規則 第14条の7
施工体系図(現場での掲示)同上同規則 第14条の7
施工体制台帳のうち、技術者の氏名・資格、下請負人の名称・許可番号、下請工事の内容・工期、下請の主任技術者などを記載した部分(帳簿の添付書類。作業員に関する事項は含まない)引渡しから5年間(発注者と締結した住宅を新築する工事は10年間)同規則 第26条第2項第3号イ〜ニ・第28条第1項
施工体系図(作成建設業者の保存図書)引渡しから10年間同規則 第26条第5項第3号・第28条第2項
特別教育の記録(事業者が作成)3年間労働安全衛生規則 第38条

元請ルールの書類(工事安全衛生計画書・火気使用願など)の保存期間は法令で決まっていないため、元請の社内規程に従います。作業員名簿は個人情報を含むため、保管期間と廃棄方法も社内で決めておきましょう。

■ 新規入場時の書類と新規入場者教育

結論として、初めて現場に入る作業員については、作業員名簿に加えて新規入場者調査票などを求められ、入場時に元請の新規入場者教育を受けるのが一般的です。

建設業の元請(特定元方事業者)は、下請が新たに現場で作業させる作業従事者に、現場の状況や作業間の関係などを周知できるよう、場所や資料の提供などの措置を講じなければなりません。元請が自ら周知する場合はこの限りではありません(労働安全衛生規則 第642条の3)。いわゆる新規入場者教育は、この措置として行われることが多いものです。

一方、雇い入れたときの安全衛生教育(労働安全衛生法 第59条第1項)や特別教育(同条第3項)は、作業員を雇用する下請の義務です。元請の新規入場者教育を受けたからといって、下請の教育義務がなくなるわけではありません。詳しくは雇入れ時の安全衛生教育とはをご覧ください。外国人の作業員がいる場合は外国人労働者の安全衛生教育も参考になります。

■ 書き方のよくある不備

元請の安全担当者から差し戻されやすい不備を、書類別にまとめました。提出前の点検に使ってください。

書類よくある不備対策
作業員名簿資格・教育欄の名称が不正確(「玉掛け」の特別教育と技能講習の区別がない など)修了証の名称どおりに書き、特別教育か技能講習かを明記する
作業員名簿年齢・生年月日の誤り、入れ替わった作業員の更新漏れ現場ごとに最新の人員で作り直し、変更時は差し替える
作業員名簿社会保険・中退共欄の空欄法令上の記載事項なので空欄にせず、該当しない場合の書き方を元請に確認する
再下請負通知書再下請先を追加したのに通知していない再下請のたびに遅滞なく通知する(建設業法施行規則 第14条の4第2項)
再下請負通知書契約書面の写しの添付漏れ再下請先との契約書面の写しを添付する(同条第3項)
持込機械等の届点検記録・自主検査の記載漏れ、オペレーターの資格の記載漏れ機械ごとに点検状況と運転者の資格を書き、資格証を確認する
全般元請指定の様式・版と違う様式で提出提出前に元請の指定様式と版を確認する

■ よくある質問

▶ Q. グリーンファイルとは何ですか?

結論として、建設現場で下請業者が元請業者に提出する安全書類一式の通称です。法令上の名称ではなく、施工体制台帳・再下請負通知書・作業員名簿など建設業法にもとづく書類と、工事安全衛生計画書・持込機械等の届など元請が現場の安全管理のために求める書類をまとめて呼んでいます。

▶ Q. グリーンファイル(安全書類)の提出は法律上の義務ですか?

結論として、書類によって異なります。下請負人が工事を再下請したときの再下請負通知(建設業法 第24条の8第2項、同法施行規則 第14条の4)などは法令上の義務ですが、工事安全衛生計画書・火気使用願・新規入場者調査票などは法令で様式が決まった書類ではなく、元請の現場ルールとして求められるものです。ただし、元請ルールの書類も安衛法上の元請・下請の措置を進めるために使われるため、指定があれば提出しましょう。

▶ Q. 一人親方も作業員名簿を出す必要がありますか?

結論として、元請から求められるのが一般的です。施工体制台帳の作業員に関する事項は「建設工事に従事する者」について記載するもので、雇用されている労働者に限る書き方にはなっていません(建設業法施行規則 第14条の2第1項第4号チ)。社会保険欄などの書き方は、元請または許可行政庁に確認してください。

▶ Q. 施工体制台帳や作業員名簿はいつまで保存しますか?

結論として、施工体制台帳は工事の目的物の引渡しまで現場に備え置きます(建設業法施行規則 第14条の7)。そのうち帳簿の添付書類として引渡しから5年間(発注者と締結した住宅を新築する工事は10年間)保存するのは、技術者の氏名・資格、下請負人の名称・許可番号、下請工事の内容・工期、下請の主任技術者などを記載した部分です(同規則 第26条第2項第3号イ〜ニ・第28条第1項)。作業員に関する事項(作業員名簿)はこの範囲に含まれていません。

▶ Q. 全建統一様式以外の様式で提出してもよいですか?

結論として、施工体制台帳・再下請負通知書・作業員名簿は、法令上必要な記載事項がそろっていれば様式は自由です(国土交通省「施工体制台帳等の作成例」)。ただし、元請が様式を指定している現場が多いため、提出前に元請の指定様式と版を確認しましょう。

■ 提出前のチェックリスト

  • 元請の指定する書類・様式・版と、提出方法(紙・クラウド)を確認した
  • 施工体制台帳が必要な工事か(下請総額5,000万円以上・建築一式8,000万円以上、または公共工事)を確認した
  • 再下請をした場合、再下請負通知書と契約書面の写しをそろえた
  • 作業員名簿の6項目(氏名等・職種・社会保険・中退共・安全衛生教育・資格)を記入した
  • 資格・教育欄を修了証・免許証と突き合わせ、未受講者の教育を手配した
  • 安全衛生責任者を選任し、元請に通報した
  • 健康情報など個人情報の提供について、本人の同意と保管方法を確認した

■ まとめ

  • グリーンファイルは、下請が元請に出す安全書類一式の通称で、法令上の名称ではない。
  • 施工体制台帳・再下請負通知書・施工体系図・作業員名簿は建設業法に根拠がある。工事安全衛生計画書・火気使用願などは元請ルールの書類。
  • 施工体制台帳は、特定建設業者が元請で下請総額5,000万円以上(建築一式8,000万円以上)の工事と、下請契約のある公共工事で必要。
  • 作業員名簿の法令上の記載事項は6項目。資格・教育欄は修了証と突き合わせ、就業制限業務の資格は現場で携帯させる。
  • 個人情報(特に健康情報)は同意と保管に注意する。CCUSの情報で名簿を作ることもできる。

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建設業向けの講習の一覧は建設業で必要な特別教育一覧、職長・安全衛生責任者教育は職長・安全衛生責任者教育をご覧ください。

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■ 参考(一次情報・2026年11月4日確認)

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