【2026年版】酸素欠乏危険作業特別教育とは|費用・時間・受け方

酸素欠乏危険作業特別教育は、タンク・坑道・ピット・汚水槽など空気中の酸素濃度が18%未満になりうる閉鎖空間で作業する労働者に義務づけられた教育です(労働安全衛生法 第59条第3項/酸素欠乏症等防止規則 第12条)。本記事では、第1種・第2種の違い、学科科目と法定時間、費用相場、受講方法、修了証の扱いまでを手順ベースで解説します。結論から言うと、第1種は学科4時間・第2種は学科5時間30分で、特別教育の修了証に有効期限はありません。

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この記事でわかること

  • 酸素欠乏危険作業特別教育の対象と法的根拠(条文番号つき)
  • 第1種と第2種の違いと、それぞれの学科科目・法定時間(4時間/5時間30分)
  • 受講費用の相場と内訳、団体・助成金で抑える方法
  • 会場・出張・Webの受講方法と申込手順
  • 修了証の有効期限・再教育の考え方、主任者技能講習による免除

目次

酸素欠乏危険作業特別教育の早見表

項目第1種第2種
対象リスク酸素欠乏(酸素18%未満)酸素欠乏+硫化水素中毒
学科時間4時間5時間30分
根拠酸欠則 第12条第1項酸欠則 第12条第2項
費用目安12,000〜18,000円15,000〜22,000円
修了証の有効期限なしなし
主な対象場所井戸・地下室・第1種の酸欠危険場所汚水槽・し尿処理槽など硫化水素発生場所

※ 費用は教習機関・受講形式により異なります。上記は会場講習の一般的なレンジです。

酸素欠乏危険作業特別教育とは|対象と法的根拠

教育が義務づけられる根拠条文

結論として、事業者は酸素欠乏危険作業に就かせる労働者へ特別教育を行う義務があります(労働安全衛生法 第59条第3項)。具体的な対象業務は労働安全衛生規則 第36条第26号に、教育の科目は酸素欠乏症等防止規則 第12条に定められています。なお特別教育を行ったときは、受講者・科目などの記録を作成し3年間保存する必要があります(労働安全衛生法 第59条に基づく運用)。

「酸素欠乏」の定義と危険性

結論として、酸素欠乏とは空気中の酸素濃度が18%未満の状態を指します(酸素欠乏症等防止規則 第2条第1号)。通常の空気の酸素濃度は約21%で、18%を下回ると判断力低下やめまいが生じ、さらに低下すると意識喪失・窒息に至る危険があります。第2種が対象とする硫化水素は、濃度が10ppm(百万分の十)を超える状態が中毒の基準とされています(同規則 第2条第2号)。

【違反リスク】
特別教育を受けさせずに酸素欠乏危険作業へ就かせた場合、労働安全衛生法 第59条違反として、6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金が科される可能性があります(同法 第119条)。教育記録の不備も是正勧告の対象です。

第1種・第2種の違いと対象作業

酸素欠乏危険作業特別教育は、作業場所のリスクに応じて第1種と第2種に分かれます。自社の作業がどちらに当たるかを最初に確認してください。

第1種酸素欠乏危険作業

結論として、第1種は酸素欠乏のみが想定される場所での作業です(酸欠則 第2条第7号)。井戸・地下室・ケーブル等のピット、ドライアイスを使う冷蔵庫の内部などが該当します。硫化水素発生のおそれがない場所が対象です。

第2種酸素欠乏危険作業

結論として、第2種は酸素欠乏に加えて硫化水素中毒のおそれがある場所での作業です(酸欠則 第2条第8号)。し尿・汚水・汚泥を扱う槽や暗きょ、パルプ液を入れた設備などが該当します。第2種の教育内容は第1種を包含するため、学科時間も長く設定されています。

学科科目と法定時間

結論として、この特別教育は学科教育で構成され、第1種は4時間、第2種は5時間30分が法定の最低時間です(酸素欠乏危険作業特別教育規程)。下表は規程に定められた科目と時間です。

第1種の学科科目(計4時間)

科目時間
酸素欠乏の発生の原因30分
酸素欠乏症の症状30分
空気呼吸器等の使用の方法1時間
事故の場合の退避及び救急そ生の方法1時間
その他酸素欠乏症の防止に関し必要な事項(関係法令等)1時間

第2種の学科科目(計5時間30分)

科目時間
酸素欠乏等の発生の原因1時間
酸素欠乏症等の症状1時間
空気呼吸器等の使用の方法1時間
事故の場合の退避及び救急そ生の方法1時間
その他酸素欠乏症等の防止に関し必要な事項(関係法令等)1時間30分

【実務ポイント】
一部で「学科と実技に分かれる」と解説されることがありますが、酸素欠乏危険作業特別教育規程上は学科教育として規定されています。空気呼吸器の使用方法や救急そ生は学科科目の範囲内で実演を交えて行われるのが一般的で、教習機関により演習比率は異なります。

受講費用の相場と内訳

結論として、会場講習の受講料は第1種でおおむね12,000〜18,000円、第2種で15,000〜22,000円が目安です。教習機関により異なるため、見積り時に内訳を確認してください。

費用項目内容金額目安
受講料講師料・教材費・修了証発行料を含む12,000〜22,000円
テキスト代受講料に含まれる場合あり0〜2,000円
出張講習費講師派遣・機材搬入(人数による)別途見積

団体・助成金で費用を抑える

結論として、団体受講や人材開発支援助成金の活用で自己負担を圧縮できます。中小企業が労働者へ訓練を行う場合、人材開発支援助成金により受講料・訓練経費の一部が助成される制度があります(要件・助成率・上限は年度やコースで異なるため、受講前に労働局へ確認が必要です)。助成金は受講前の計画届出が原則必須です。

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受講方法と申込手順

受講方法は会場講習・出張講習・Web講習の3つから選べます。業務状況と受講人数に応じて選択してください。

形式向いているケース特徴
会場講習少人数・個人設備が整い質問しやすい
出張講習5名以上の社内一括移動コスト削減・現場に即した内容
Web講習日程を分散したい学科を都合に合わせて受講

申込から修了までの流れ

ステップ内容必要書類
① 申込Web・電話で受講申込受講申込書
② 受講学科(第1種4時間/第2種5時間30分)本人確認書類
③ 修了証交付修了後に交付

申込前チェックリスト

  • 自社の作業が第1種・第2種のどちらに該当するか確認した
  • 受講人数を確定し、団体・助成金の適用可否を確認した
  • 助成金を使う場合、受講前の計画届出スケジュールを確認した
  • 受講形式(会場/出張/Web)を決めた

修了証の有効期限と再教育・免除

修了証に有効期限はある?

結論として、酸素欠乏危険作業特別教育の修了証に有効期限はなく、更新も不要です。一度修了すれば、その作業に継続して従事できます。ただし作業内容が変わった場合や、安全確保の観点から事業者の判断で再教育を行うことは推奨されます。

【実務ポイント】
一部で「5年ごとに更新が必要」と解説されることがありますが、特別教育の修了証に法令上の有効期限は定められていません。期限・更新と、安全のための任意の再教育は区分して考える必要があります。

特別教育が免除されるケース

結論として、酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者技能講習を修了している場合、その内容が特別教育の科目を包含するため、改めて特別教育を受ける必要はないとされています。第1種・第2種の区分や作業内容により扱いが異なる場合があるため、判断に迷う場合は教習機関または所轄労働基準監督署に確認してください。

よくある質問(FAQ)

第1種と第2種はどちらを受ければいい?

結論として、硫化水素発生のおそれがある場所(汚水槽・し尿処理槽など)で作業するなら第2種、酸素欠乏のみが想定される場所なら第1種です。第2種は第1種の内容を含むため、両方の場所で作業する可能性があるなら第2種の受講が確実です。

学科だけで実技はないの?

結論として、この教育は特別教育規程上は学科教育として定められています。空気呼吸器の使用方法や救急そ生は学科科目の範囲で実演を交えて行われるのが一般的で、演習の比率は教習機関により異なります。

修了証を紛失したら?

結論として、受講した教習機関へ連絡すれば再発行できます。受講日・氏名などを伝え、所定の申請と手数料(目安2,000〜5,000円)で再交付されます。労基署への届出は不要です。

まとめ

酸素欠乏危険作業特別教育は、酸素濃度18%未満の閉鎖空間で働く労働者に義務づけられた教育で(労働安全衛生法 第59条第3項)、第1種は学科4時間・第2種は学科5時間30分です。修了証に有効期限はなく更新は不要ですが、作業内容の変更時は再教育を検討しましょう。自社の作業区分・受講人数・形式を確認し、計画的に受講を進めてください。

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参考情報・公式リソース

サイト名概要リンク
e-Gov法令検索|酸素欠乏症等防止規則定義・換気・教育の条文確認公式サイト
e-Gov法令検索|労働安全衛生規則第36条第26号(特別教育の対象業務)公式サイト
厚生労働省|酸素欠乏危険作業特別教育規程学科科目と法定時間の根拠公式サイト
厚生労働省|職場のあんぜんサイト(特別教育)特別教育の概要と記録保存公式サイト
中央労働災害防止協会(中災防)安全衛生教育・テキスト公式サイト
安全衛生情報センター関係法令・通達の検索公式サイト